3つのAPIを含む開発者向けプラットフォーム「MySpace Developer Platform」
マイスペース株式会社は、3月17日に記者会見を行い、開発者向けプラットフォーム「MySpace Developer Platform(MDP)」の日本展開について、同社代表取締役の大蘿淳司氏と、米MySpace最高技術責任者エイバー・ウィットコム氏が紹介した。
2004年にアメリカでスタートしたSNS「MySpace」の特徴は、外部に公開されている「プロフィールページ」とログインした本人でなければ見られない「ユーザーホームページ」の2つの見せ方ができるところ。自分の音楽、写真、動画などの作品を公開してアピールするための機能も完備していることから、世界中のミュージシャンや音楽関係者、音楽ファンに人気のあるSNSとして知られている。
「MySpace Developer Platform」は、MySpace上で動作するアプリケーションの開発環境を提供するプラットフォーム。外部の開発者でも、手軽にアプリケーションを開発してMySpaceで展開し、アプリケーションを通じて収益を得ることができる。
開発者向けサイトでは、「OpenSocial API」「REST API」「ActionScript API」の3つのAPIを公開。MySpaceがGoogleとともに立ち上げて推進している、SNS用アプリ開発の標準API「OpenSocial」に完全準拠している「OpenSocial API」が中心となるが、外部サーバからのアクセスを可能にする「REST API」、Flashをサポートする「ActionScript API」によって、より多彩なアプリケーションが実現できる。開発者向けサイトでは、アプリケーションの動作確認ができるほか、MySpaceの開発チームのブログやフォーラム、サンプルコードなどのコーナーも設けられている。
ユーザー情報をもとにアプリケーションを開発できる強み
このプラットフォームを使ってアプリケーションを構築する際にポイントとなるのが、MySpaceユーザーの興味や関心などの情報。車好きのユーザーに車の情報を表示するといった動作を実現するには、開発者がユーザーの個人的な情報にアクセス可能でなければならない。今回、MySpaceが明らかにしたアクセス可能なユーザー情報は次のとおり。
・ユーザーの基本情報(ID、URL、ディスプレイネームなど)
・プロフィールページの情報(居住地の都道府県など)
・フレンド一覧
・投稿した写真やビデオの情報
・趣味/興味に関する情報
・参加しているグループの情報
これらは公開されるデータの代表的なものにすぎないが、MySpace側はあくまでも、ユーザーが公開を許可したものだけに限定することを明らかにしている。
MySpaceは、技術的な基盤とユーザー情報へのアクセスを提供するだけでなく、開発者に対する収益機会の増大もうたっている。「キャンバスページ」という開発者が自由に利用できるページでは、広告を表示したり、商品・サービスを販売して得た収益のすべてを開発者が得ることができる。また、気に入ったアプリケーションをインストールする際に、自社の会員登録画面を表示して入力を促すこともできる。大蘿氏は、新プラットフォームの日本展開によって、全世界で2億人以上となったMySpaceのユーザーに日本発のアプリケーションをアピールし、開発者が収益を得る機会となればと話している。
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