どんなビジネスでも、顧客を理解することが何よりも重要です。一方で、自社の顧客が何人いるのかを問われて正確に答えられるでしょうか。その顧客は既存の顧客だけか、それとも未来の顧客も含んでいますか? 最適なCRMを実現するにしても、顧客を正しく定義・理解しなければなりません。
編集部が毎月お届けしている定期誌『MarkeZine』、最新となる第47号(2019年11月号)では特集として「顧客ドリブンで変わるマーケティングの新常識」を取り上げました。
『実践 顧客起点マーケティング』の著者である西口一希氏には顧客の定義と顧客から発想するCRMについて、また、ガートナー ジャパンの川辺謙介氏にはCRM関連のテクノロジーについてその潮流を解説していただきました。最後にGYAOの芦田拓真氏と羽生和馬氏には、新卒採用をアプリに絞り込み学生を顧客と見立てた戦略について取材しました。
定期誌『MarkeZine』とは?
定期誌『MarkeZine』は1年間の定期購読で、毎月1冊、トレンドテーマの特集を中心にマーケティング業界の潮流や識者が注目するトピックをお届けしています。
- 先進的な企業の経営判断を追体験できる
- 競合企業の事例やキーパーソンの考え方がわかる
- マーケターが実務で成果を出せるノウハウを学べる
特集「顧客ドリブンで変わるマーケティングの新常識」
西口一希氏による解説では、まず自社の顧客を正しく定義し、顧客から発想するCRMについて解説されます。西口氏は「自社がターゲットとして想定していない人」を顧客とは定義せず、「誰にどんな価値を提供するのか」というミッションによって顧客を定義すべきだと説明しています。
そして、見えている既存顧客にのみフォーカスしたCRMには問題点があると指摘。もしそれが50人だとしても、ミッションに沿って定義した顧客全体が1,000人だとしたら、その上位層5%しか追いかけていないことに。マーケティングの目標は未認知顧客からロイヤル顧客へと上の層へと移行してもらうこと。そのために必要な考え方について、記事では詳細に解説していただきました。
ガートナー ジャパンでは毎年、CRM関連のテクノロジーの成熟度や採用状況などをまとめた「日本におけるCRMのハイプ・サイクル」という図表を発表しています。ビジネス全体がサブスクリプション型に移行しつつある今、顧客との関係を構築するCRMには大きな注目が集まっていますが、テクノロジーの潮流はどのように推移しているのでしょうか。同社の川辺謙介氏が解説してくださいます。
たとえば、CDP(顧客データ・プラットフォーム)は急激に期待度が高まっている技術の1つ。先進的な企業を中心に使われ始めていますが、プライバシーの問題もあり法整備も含めてクリアすべき事項が出てくるだろうとのこと。このCDPを始め、「統合的な発想」が2019年のトレンドを表すキーワードであると川辺氏は分析。自社が採用しようとしている技術がハイプ・サイクルにおいてどの地位を占めるのか、本記事で検証してみてはいかがでしょうか。
無料動画配信サービスを運営するGYAOでは、入社希望者を自社が向き合う相手=顧客と定義。ナビ系サイトをやめて採用チャネルをアプリに一本化し、応募者とのマッチング精度を高めているそうです。人事における顧客中心の考え方について、同社の芦田拓真氏と羽生和馬氏に尋ねました。
ナビ系サイトではどうしても無数の企業のうちの1社となってしまい、エントリーシートの内容でも自社の状況と一致しないことがしばしばだったとか。就活生がスマホを当たり前に使っていることから、アプリに移行して会社にまつわる様々なコンテンツを掲載。2017年度からの実施で内定辞退者はゼロ、企業と応募者のマッチングが最適化していることがうかがえます。
定期誌『MarkeZine』第47号では、この他にも巻頭インタビューで法人事業の改革に取り組むソフトバンクの法人プロダクト&事業戦略本部を率いる藤長国浩氏が登場。データドリブンなBtoBマーケティングと営業の連携についてうかがいます。
定期誌について詳しく知りたい方は、ぜひ特設ページをご覧ください!