SNSの流行を読み解き、商品開発
MarkeZine編集部(以下、MZ):今回は、ローソンのプロモーション部のシニアマネジャーである白井明子さんに、同社の大ヒット商品「悪魔のおにぎり」についておうかがいします。
まず、「悪魔のおにぎり」が開発された背景について教えてください。
白井:社会的背景で見ると、お米の消費量の減少が課題となっており、ローソンにおいても、おにぎりの売上が伸び悩んでいるという課題がありました。
そして、弊社のおにぎりの開発担当者である堤が、新しいおにぎりを消費者に提案すべく、商品開発を進めている中、南極地域観測隊の方が「悪魔のおにぎり」と呼ばれるおにぎりを作っていること、そのことがテレビやSNS上で話題になっていることを知りました。
しかし、そのおにぎりは天かす・天つゆ・青のり・あおさを混ぜ込むというシンプルなレシピで、これまでの一般的なおにぎりとは異なる商品だったので、社内で提案してもなかなか理解を得られませんでした。しかし、ヒットすると思った堤は商品化するに至りました。
売れている感の醸成がカギ
MZ:元々、社内ではそこまで反応が良くなかったんですね。プロモーション部では、商品発売に向けて、どのような施策を行ったのですか。
白井:実は、商品発売時は特に施策を行っていませんでした。
MZ:それはなぜですか?
白井:コンビニでは毎週新しい商品が発売されるため、注力してコミュニケーションできる商品が限られているからです。「悪魔のおにぎり」も発売当時は注力商品としてラインアップされていなかったので、テレビCMを出稿するといった大掛かりなコミュニケーションは行っていませんでした。
MZ:発売当初は、そこまで売れると思っていなかったということでしょうか。
白井:想像を超える売れ方ではありました(笑)。開発担当の堤から「『悪魔のおにぎり』が売れているので、もっとPRしてほしい」と依頼があったので、コミュニケーションプランを考えることにしました。
MZ:では、どのようなコミュニケーションプランを考え、実行したのか教えてください。
実際に販売データを見てみると、とても売れていることがわかりました。加えて、長年不動の1位だったシーチキンマヨネーズの販売数を超える勢いだとの情報も聞いていたので、「20年間不動のNo.1、シーチキンマヨネーズに迫る勢いです」というコピーをTwitterで発信しました。20年間無敵だったシーチキンマヨネーズと対比することで「悪魔のおにぎり」の売れ行きのすごさを伝え、話題化を狙いました。
その後も、「○○万個突破!」というフレーズをタイミングを見て投稿し、お客様に向けて、売れている商品であることをアピールしました。
累計600万個販売突破「悪魔のおにぎり」が好評発売中です「悪魔の虜」になった人が、続出しています! #ローソン #悪魔のおにぎり https://t.co/eRqBLgGkX7 pic.twitter.com/fzNlFGtF4p
— ローソン (@akiko_lawson) November 20, 2018