コロナ禍の「新しい価値観が出現」は本当か?
緊急事態宣言下に行った調査を分析する前は、「現代人が経験したことがないパンデミックで生活は一変してしまった。生活者の価値観も一変しているだろうか? まったく新しい価値観の出現はあるだろうか?」という視点でも、大量のn=1の定性情報に向き合ってみましたが、そんなことはありませんでした。
消費者に、まったく新しい価値観が出現しているわけではなかったのです。コロナ禍がもたらした変化とは、次のようなものでした。
- これまでは弱くくすぶっていた欲求が、強くなった
- これまで感じている人や感じられる場面が少なかった欲求の、感じる人や感じる場面が増えた
つまり、これまでも存在していた欲求で、加速しているものと減衰しているのがあるのです。
加速する欲求に応えることができれば、それは自社にとってのオポチュニティとなります。逆に、これまで自社が提供していた価値が、減衰している欲求に応えようとするものだった場合、ビジネスは縮小に向かってしまいます。
この加速と減衰の変化を見極めて、自社ブランドから消費者にどんな提案ができるのかを考えなければなりません。
次回は、7つの旅路の中身である新・欲求について紹介します。
コロナ禍で急変する消費者インサイトに対し、企業はどう対応すべきか?
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本コラムの著者、デコムの大松氏が登壇するセッション「ニューノーマル時代の消費者インサイトに適応せよ ウエディングパーク、LIFULLの実践をデコムが説く」では、ニューノーマル時代の消費者インサイトの変化を読み解く定量&定性調査の結果と、実際の企業事例を照らし合わせ、ニューノーマル時代の消費者インサイトに企業が適応する糸口を探ります。参加は無料ですので、ぜひご参加ください!
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