消費者は、自分らしく価値あるニューノーマルを探す旅を始めた
緊急事態宣言が発令されステイホームを続けていたときと、宣言が解除された後で、消費者の行動や心理は変化。緊急事態宣言下では、現代人が経験したことのないパンデミックの事態に“混乱し場当たり的に動く消費者の姿”が見て取れました。宣言解除後では、コロナ禍での生活が長引く中で、ある種冷静に“自分らしく価値ある新しい日常を模索する消費者の姿”に変化しています。
消費者は、コロナとの長期戦に腹をくくって、自分らしく価値あるニューノーマルを探す旅を始めています。それは、世間一般に共通する正解を求める旅ではなく、コロナ前よりもまして“自分らしさ”を重視した旅路です。
40の新・欲求で構成される「ニューノーマルへの7つの旅路」
私たちは、前回発表の20の新・欲求(共感と非共感の心のスイッチ)に加え、新たに20の新・欲求を明らかにすることができました。これら40の新・欲求を「ニューノーマルへの7つの旅路」として、整理しています。

“新・欲求”を見つけ出す方法論「アート&サイエンス」
表面的ではない、深い消費者理解を得る。または、一時的ではなく、持続性のある新・欲求を見極める。その背景にあるのが「アート&サイエンス」という考え方です。この考え方に基づいて、今回発表したレポートも調査分析を行っていますので、簡単に触れておきます。
基本的な考え方は「集計された数値を見る前に、一人の人間(n=1)を見に行くことで“新・欲求”を発見する」ということ。
まず、多数の“一人の人間(n=1)”を見ることで“新・欲求”の仮説をできるだけたくさん導き出します。1つより5つ、5つより10、10より100の可能性(この場合は“新・欲求”)を見つけ出すこと、つまり可能性を広げることがアートの価値観です。
次に、サイエンスの出番です。統計的に正しい方法で定量調査を行い、それぞれの可能性(新・欲求の仮説)を数値で検証するのです。誰が行っても概ね同じ結果にならなければならない、再現性がなければならないというのがサイエンスです。
「サイエンス&アート」ではなく、「アート&サイエンス」。サイエンスの前にアートが来なければならない点も重要です。
コロナ禍で急変する消費者インサイトに対し、企業はどう対応すべきか?
9月1日~2日にかけて開催するMarkeZine Day 2020 Autumnでは、新時代を切り開く戦略と戦術のヒントを提供する様々なセッションをご用意しております。
本コラムの著者、デコムの大松氏が登壇するセッション「ニューノーマル時代の消費者インサイトに適応せよ ウエディングパーク、LIFULLの実践をデコムが説く」では、ニューノーマル時代の消費者インサイトの変化を読み解く定量&定性調査の結果と、実際の企業事例を照らし合わせ、ニューノーマル時代の消費者インサイトに企業が適応する糸口を探ります。参加は無料ですので、ぜひご参加ください!
日時:2020年9月2日(水)16:50~17:50
▼締切間近!参加申し込みはお早めに