SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

定期誌「MarkeZine」

第78号(2022年6月号)
特集「現場に再現性をもたらす マーケターが知っておきたい手法&フレームワーク」

定期誌購読者なら
誌面がウェブでも読めます

カスタマージャーニー研究プロジェクト(PR)

月間アップセル売上が約4倍に!「顧客絶対主義」のノース・モールが実現した、寄り添うコンタクトセンター

 マルチテナント型ショッピングモール「Northmall(ノースモール)」を運営するノース・モール。これまで同社のコンタクトセンターでは、ECサイト・電話・ハガキと注文チャネルごとの顧客情報が一元管理されておらず、問い合せに対して適切な情報をリアルタイムに伝えることができていなかった。こうした課題をセールスフォース・ドットコムの「Salesforce Commerce Cloud」「Salesforce Service Cloud」を導入し、「Salesforce Marketing Cloud」と連携させることで解決したという。ノース・モール事業部門 デジタルソリューション マネージャーの小山欣泰氏とコミュニケーションセンター センター長の中西祥子氏にプロジェクトの実施背景や成果について聞いた。

「顧客絶対主義」を実現する体制が整っていなかった

 2020年10月、ライフスタイル雑貨、アパレル、ファッショングッズなど幅広い商品を販売するECモール「Otto(オットー)」が「Northmall(ノースモール)」として生まれ変わった。ブランドリニューアルに際しては、「商店街の雑貨店や海外にある市場のように、ぶらりと立ち寄れてワクワクする商品と出会える場をつくりたい」という想いのもと、従来の商品販売に加え、ライフスタイルに関するコラムをまとめた「Northmall+(ノースモールプラス)」や、ショッピングモールのイベントのような楽しいひとときを過ごせる動画を集めた「Norcafe(ノルカフェ)」など様々なコンテンツも追加された。

 元々旧Ottoはカタログ通販から事業を開始したこともあり、Northmallのメインユーザーは60~70代で、電話による注文が約5割を占めているという。ユーザーの拡大とともにECサイトからの注文も増えてきており、現在は受注の4割弱がECサイト、FAXやハガキなどの書面による注文が1割強という状況だ。

 ECサイトおよびSalesforce製品の管理・運用を担当するノース・モール事業部門 デジタルソリューション マネージャーの小山欣泰氏は、以前抱えていた課題について次のように語る。

 「これまで、ECサイト、電話、FAX、ハガキなどお客様との接点が複数あることに加え、弊社内の組織も各接点でわかれており、使っているシステムもバラバラでした。そのため、お客様の情報が統合されておらず、一貫したコミュニケーションが取れていませんでした。現社長が就任した際、『顧客絶対主義』という行動規範が掲げられたのですが、それを実現できる体制が作れていなかったのです」(小山氏)

ノース・モール株式会社 ノース・モール事業部門 デジタルソリューション マネージャー 小山欣泰
ノース・モール株式会社 ノース・モール事業部門 デジタルソリューション マネージャー 小山欣泰氏

顧客接点の要である「電話対応」にも課題

 現在全体の5割を占める「電話注文」にも課題があった。電話対応を行うコールセンター(同社ではコミュニケーションセンターという)の管理・運営やメンバーのマネジメントなどを行うコミュニケーションセンター センター長の中西祥子氏は、以前から顧客情報を正確に把握し、期待値を超えるおもてなしをすることでリピートや売り上げ向上につなげたいと感じていたという。

 「たとえば一年ぶりにお電話してくださったお客様にはご注文のきっかけをお聞きしたり、生まれ変わった『Northmall』のコンセプトを丁寧にお伝えしたりしたいですよね。一方で、毎日お電話をくださるお客様にはお礼の言葉を伝え、過去にご購入いただいた商品の感想などを聞ければいいのにと思っていました」(中西氏)

ノース・モール株式会社 ノース・モール事業部門 コミュニケーションセンター センター長 中西祥子
ノース・モール株式会社 ノース・モール事業部門 コミュニケーションセンター センター長 中西祥子氏

 ところが従来のシステムでは住所、氏名、電話番号や会員ランクといった基本的な情報しかわからず、コミュニケーターは各ユーザーへの対応履歴がわからないまま、毎回ゼロからヒアリングしなければならない状態だった。

 こうした課題を解決すべく、同社が導入を決めたのが「Salesforce Service Cloud」(以下、Service Cloud)と「Salesforce Commerce Cloud」(以下、Commerce Cloud)だ。元々2015年ごろから一部のブランドで導入していた「Salesforce Marketing Cloud」(以下、Marketing Cloud)との連携を見越して、Salesforce製品に決めたのだという。

2020年大きく変わった「マーケティングの最新事情」をチェック!

消費者のライフスタイルや消費行動が激変した2020年。マーケティング戦略にはどのような変化があったのでしょうか?セールスフォース・ドットコムは、世界各国の約7,000人のマーケティングリーダーを対象に調査を実施。第6版『マーケティング最新事情』として無料公開中です。無料ダウンロードはこちらから。

消費者のライフスタイルや消費行動が激変した2020年。マーケティング戦略にはどのような変化があったのでしょうか? セールスフォース・ドットコムは、世界各国の約7,000人のマーケティングリーダーを対象に調査を実施。第6版『マーケティング最新事情』として無料公開中です。

★無料ダウンロードはこちらから!

すべての顧客情報を一元管理、「代理ログイン」で細やかに対応

 同社はまず、電話受注、書面受注、WEB受注と、すべての購買情報をCommerce Cloudに、顧客対応の履歴をService Cloudに一元集約する仕組みを構築した。2つのシステムは「代理ログイン」機能でシームレスに情報を確認することができるため、たとえば電話対応を行う際にService Cloud上でこれまでの対応履歴を確認しながら、Commerce Cloud上のユーザーの購入履歴やお気に入り商品を確認するといった対応が可能になる。

連携イメージ
連携イメージ

 これにより、コミュニケーションセンターの受注オペレーションが大きく変化した。これまでは受注電話が鳴ったときに、どのユーザーからのコールかわからなかったため、電話を受けてから情報を検索して慌てることが多かったというが、落ち着いて丁寧に対応できるようになったという。

 「CTI(電話受発信システム)でCloud型のPBX(電話交換機)とService Cloudを連携したことにより、コールが鳴った瞬間から顧客情報がわかるようになりました。ユーザーの情報を理解した上で会話できるようになり、ユーザーに寄り添った対応ができるようになりました」(小山氏)

 特に中西氏は「代理ログイン機能」の使いやすさを実感しているという。同社のユーザーは高年齢層が多く、受電対応は注文のみにとどまらない。ECサイトでの注文後に、不安な気持ちを抱えて電話を掛けるユーザーも多いそうだ。

 「『ECサイトで注文したのだけれど、ちゃんと注文できていますか』とか、『IDとパスワードを忘れてしまったのだけど、どうしたらいいんでしょう』といった問い合わせが多いんです。これまで、こういった問い合わせを受けた際には、お客様の情報を聞いたうえで一度電話を切り、他部門へ問い合わせてから折り返すという流れでした。

 しかし「代理ログイン」機能を使うことで、各コミュニケーターはService Cloudにログインしたまま、Commerce Cloudにアクセスできるため、ユーザーの注文履歴などをすぐに確認できるようになり、お客様の要望にスピーディーかつ的確に応えられるようになりました」(中西氏)

アップセル売上が約4倍に

 コミュニケーター自身で完結できる業務が大幅に増え、担当部署へ対応依頼をするのは、「着用感を知りたい」「再入荷時期が知りたい」といったすぐ回答できない問い合わせだけに減らすことができた。その際も、Service Cloud上で電子申請するだけで、担当部署へ伝えられるのだという。

 「以前は、内線電話をかけたり、問い合わせ票と呼ばれる紙の書類を作成して担当部署に直接持参したりするなどして対応していました。お客様が当然抱くお問い合わせに、最小限の時間と手間で対応できるようになり、そこでできた時間を他の業務に使えるようになりました」(中西氏)

 こうした仕組みを取り入れたことで、コミュニケーター全体の意識が大きく変わり、ユーザーのことを第一に考えて寄り添い、ニーズを深堀りするようになったという大きな変化があった。

 「以前はカタログに掲載された商品の中から注力商品を決め、どのお客様にも同じようにお薦めしていました。しかしお客様との対応履歴を参照したり、Commerce Cloudの『リコメンド機能』を使うことで、お客様の購入商品やお気に入り商品をもとに、一人ひとり異なる商品をお薦めできるようになりました。ユーザーとの会話の量も質も高くなっています」(中西氏)

 リコメンド機能を使ったり、ユーザーとのコミュニケーションの質が高まったことで、直近の3ヵ月では月間平均150~200万円近くのアップセルが実現。Salesforce導入前の半年間の月間平均アップセル金額が50万円ほどだったとのことなので、約3~4倍のアップセルが実現し、お薦めする商品も200種ほどまで増えたという。

これまでの対応記録を会話の糸口に

 また同社では、顧客体験を向上させるため、Service Cloud上の「顧客カルテ」を活用しているという。

 「一回一回のお電話の際、お客様とどのようなやり取りをしたのか記録に残し、次に応対するコミュニケーターに引き継げるようにしています。お好みの商品の情報や、体調があまり優れていないようだった、あるいは飼っている猫の話をしたなどの対応記録を、次にお客様がお電話をくださったときの糸口にしています」(中西氏)

 中西氏はこうしたやり取りを継続し、蓄積していくことが、次の利用につながると考えている。実際、コミュニケーターには、「丁寧に覚えていてくれて嬉しい」「いつも気持ちに寄り添ってくれてありがとう」といった顧客からの喜びの声を寄せられることが増えたという。社内でも、顧客に喜ばれたコミュニケーターを表彰する制度を作ることができたそうだ。

顧客データ・対応履歴をMAシナリオの設計にも活かす

 またセールフォース・ドットコムのカスタマーサクセスチームによる質の高いアドバイスも、より良いECサイトの構築にひと役買っているそうだ。毎月1回、ノース・モール専属カスタマーサクセスチームが、ECサイト改善や分析レポートなどに基づき、改善点を提案。解決方法を提示してくれるという。

 「Salesforce製品の導入によって、外部のコンサルタントに頼ることなくカスタマーサクセスチームによる質の高いコンサルティングを受けられるため、非常に助かっています。またこれまでバラバラに運用していた社内システムを統合したことで、運用担当者の負荷・運用コストも大きく軽減しました。これも大きなメリットですね」(小山氏)

 また同社では、Commerce CloudとService Cloudで蓄積したデータを、Marketing Cloudに連携することで、MAシナリオの設計に活かしている。PIタグを用いた、メールコンテンツのパーソナライズにも取り組んでいるという。

 Salesforce製品の導入によって、ほんの数ヵ月でオペレーションも成果も劇的に変わったノース・モール。同社では、これからどのような顧客体験を提供したいと考えているのだろうか。小山氏は、商品販売に留まらない、Northmallの目指すべき姿を次のように語る。

 「サイト上の商品を一つひとつ丁寧に紹介したり、暮らしを少し楽しく、便利にするライフスタイルに関するコラムを発信したりするオウンドメディアの記事制作にも力を入れていきたいと考えています。コンテンツとECサイトの商品を連携し、メディアコマースに取り組んでいきたいですね」(小山氏)

 一方、中西氏はMarketing Cloudの活用にもっと力を入れたいと考えている。これから増えるはずのECサイトから注文したユーザーへの対応も充実させたいのだそう。

 「電話で問い合わせてくださったお客様に、ご希望の商品URLをすぐにメールでお送りしたり、お薦めしたい商品をSMSで携帯電話にお送りしたりしたいですね。とはいえ、大切なのは、お客様のご要望やペースに寄り添うこと。当社側の都合をお客様に押し付けないよう気をつけていきたいと思います」(中西氏)

 これまで以上に、より良い顧客体験を提供するECサイトとコミュニケーションセンターの実現を目指し、ノース・モールの挑戦は続く。

2020年大きく変わった「マーケティングの最新事情」をチェック!

消費者のライフスタイルや消費行動が激変した2020年。マーケティング戦略にはどのような変化があったのでしょうか?セールスフォース・ドットコムは、世界各国の約7,000人のマーケティングリーダーを対象に調査を実施。第6版『マーケティング最新事情』として無料公開中です。無料ダウンロードはこちらから。

消費者のライフスタイルや消費行動が激変した2020年。マーケティング戦略にはどのような変化があったのでしょうか? セールスフォース・ドットコムは、世界各国の約7,000人のマーケティングリーダーを対象に調査を実施。第6版『マーケティング最新事情』として無料公開中です。

★無料ダウンロードはこちらから!

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
この記事の著者

石川 香苗子(イシカワ カナコ)

ライター。リクルートHRマーケティングで営業を経験したのちライターへ。IT、マーケティング、テレビなどが得意領域。詳細はこちらから(これまでの仕事をまとめてあります)。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2021/02/03 10:00 https://markezine.jp/article/detail/35220