アース製薬がコミュニケーションチャネルにTwitterを選んだ理由
明坂氏(テレ東):アース製薬様ではどういったことをされていますか?
稲積氏(アース製薬):当社が扱う日用品だと、購買チャネルはドラッグストアやホームセンターといったリアル店舗が主流です。「バスロマン」「ゴキブリホイホイ」「モンダミン」のようなロングセラーもいくつかありますが、ブランド認知の層が高齢化していることが課題です。そこでブランドコミュニケーションとしては主に30~40代の主婦の方をメインターゲットとして設定しています。
明坂氏(テレ東):その層を狙っている理由は何でしょう?
稲積氏(アース製薬):波及効果が最も高く、メディア感度が高い世代だからです。この年代にリーチさせるにはどうすればいいかということを考えると、やはりSNSの活用になります。
そこで始めたのがTwitterです。テキストならゴキブリなど害虫の話題もアリですし。Twitter公式アカウントでは、さまざまな切り口でファンとの絆を作っています。
稲積氏(アース製薬):製品ブランディングでもTwitterを活用しています。たとえば、アースジェットのプロモーションでは、「Twitterで話題になるけどオフライン起点」という切り口で、羽田空港で展開した交通広告プロモーションを投稿しました。「プライベートジェット買いませんか?」というクリエイティブで空港にポスター広告を掲出したのですが、これを見たユーザーが「自分もプライベートジェットもっています」という感じでリツイートしてくれるという反応が見られました。
現在は誰もが情報を発信できる時代だからこそ、企業としては、一方通行の発信ではなく、生活者を巻き込んでブランド作りをしていく必要があります。今、それをまさに当社は展開しているところです。
明坂氏(テレ東):ブランディングとしては、やはり「面白さ」を念頭に置いているのですか?
稲積氏(アース製薬):Twitterにいる人たちが好きな話題に歩み寄ることで、Twitterのなかで話題となることを目指しました。そうすることで、実際のターゲットである30~40代の主婦に届くだろうと考えたわけです。エイプリルフール企画では、あるわけないというウソの商品をリリースするというネタをいくつか出したのですがTwitterで話題となり、私の妻もママ友から「アース製薬では、今度変わった製品を出すそうですね」と話しかけられたそうで、目標は一応達成できています。日用品なので、こうした親しみやすいブランディングが一番向いていると思います。