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MarkeZine Day 2021 Autumn

ブランドトラッキングとパーパスは常識へ。マスにもD2Cにも欠かせない「これから」のブランディング戦略

 情報やモノが溢れる現在、消費者の選択肢は広がっている。「優れたアイデアと高品質はブランドの最低条件となり、自社のブランドがどのようなイメージ・世界観を持っているかが重要になっている」と語るのはユニリーバグループ・ラフラジャパンCEOの木村元氏だ。MarkeZine Day 2021 Autumnで、同氏はあらゆるブランドが検討すべきこれからのブランド戦略について語った。

なぜ、ブランドマーケティングは必要?

 「ブランドマーケティングに関する書籍はたくさんあります。今回はそれらを自分なりの咀嚼し、シンプルにした内容をお話ししていきます」と語るのは、ユニリーバグループ ラフラ・ジャパンCEOの木村元氏だ。

ユニリーバグループ ラフラ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 CEO/ユニリーバ・ジャパン株式会社 ベンチャープロジェクト リード 木村元氏
ユニリーバグループ ラフラ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 CEO/ユニリーバ・ジャパン株式会社 ベンチャープロジェクト リード 木村元氏

 同氏は2009年にユニリーバ・ジャパンへ入社し、長くマーケティングに従事。2020年よりスキンクレンジングカテゴリーのリードおよびDoveブランドの日本における全体統括を担い、2021年からは日本初のユニリーバ傘下であるD2Cスキンケア企業ラフラ・ジャパンのCEOを務める。

 いわゆるマスブランドとD2Cブランド、それぞれのマーケティング経験を持つ木村氏はブランドマーケティングとは「端的にいえば、プロダクトやサービスの品質を超えた価値やイメージを作り出し、それをお客さまに感情移入させていくプロセス全般のこと」だと語る。

 例えば新規顧客の「使ってみたい」や、既存顧客の「また使いたい」といった感情を作っていくプロセスがブランドマーケティングだ。

 今、ブランドマーケティングが特に重要視される背景には「テクノロジーの発達により、アイデアさえ優れていれば一定水準のプロダクトやサービスの提供が可能となったことがあります」と木村氏は指摘する。

 D2Cの隆盛からもわかるように、ある企業が新サービスのアイデアを形にして、市場に出すことは以前より容易となった。だがそれは競合も参入しやすくなったことを意味する。結果的に市場が熟成する頃にはライバルがひしめき合い、商品の差別化・利益獲得が難しくなる。この時になって、独自のブランドのイメージ形成が必要だったと気づくケースも珍しくない。

 言い換えれば、優れたアイデアと高品質はブランドの最低条件となり、自社のブランドがどのようなイメージ・世界観を持っているかが重要になっているのだ。

旧来型・D2C型それぞれのブランド戦略の特長

 では、どのようにしてブランドは作っていけばいいか。基本的にはまず製品の認知してもらうことで生活者の選択肢の土俵に上がり、機能的便益と情緒的便益でブランドイメージを底上げし、最終的にユーザーに共感してもらう流れだ。この、認知と共感をいかに作っていくかが重要だが、小売店を主戦場にしてきた、いわゆる旧来型のブランドとオンラインをメインにするD2Cブランドでは戦略がまったく異なる。

 従来のブランドは発売時に広告投資を集中させ、効率よく認知を拡大させる戦略が優先されてきた。大量に獲得した認知の中から、共感してくれる顧客を少しずつ生み出す考え方だ。

 一方でD2Cブランドの場合は事業規模が小さくリソースが限られていることが多いため、まず共感させたいターゲットを明確にし、限られた相手に向けた商品開発やコミュニティー形成を行う。先行して共感を獲得するため、D2Cブランドは根強いファンが多い傾向にある。これはD2Cの強みではあるが、一方で一定の規模を獲得したD2Cブランドには、さらなる認知拡大が必要なフェーズがやってくる。このタイミングでマスマーケティングが得意な人材の採用や企業と組むことは自然な流れだ。

 これらを踏まえた上で木村氏は、これからのブランド作りにおけるマーケティングの理想形として「認知と共感のプロセスを同時にできればプロモーション上とても効率がいいと思っています。認知と同時に共感できるメッセージの打ち出し方は強く意識しています」と語る。

 ブランドマーケティングにおいて注意すべき点は、認知と共感をバランスよく広げていくことだ。大々的に認知獲得の施策を実施しても共感が追いついていない場合は、スケールしないことも多い。

 「認知と共感のどちらに、どれくらい投資をするかのバランスを見つつ、どちらを目的としたメッセージなのかを意識することで、コントロールできる部分だと思います」(木村氏)

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ブランドの新陳代謝が活発な現在、取り組むべき2つのこと

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この記事の著者

タカハシ コウキ(タカハシ コウキ)

1997年生まれ。2020年に駒沢大学経済学部を卒業。在学中よりインターンなどで記事制作を経験。卒業後、フリーライターとして、インタビューやレポート記事を執筆している。またカメラマンとしても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/10/28 07:00 https://markezine.jp/article/detail/37428

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