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ヤフーとワンチームでサービス拡大へ 「LINEギフト」の利用状況とマーケティング戦略

LINEギフトの利用状況 2015年のローンチから大きく拡大

 LINEは、11月29日、同社の提供するサービス「LINEギフト」における事業戦略発表会を開催した。

 LINEギフトとは、LINE上で友だちに様々なプレゼントを贈ることができるサービス。贈ることのできるギフトは、スマートフォンで電子チケットを表示して店舗で商品を受け取る「eギフト」と、自宅など指定の場所まで届ける「配送ギフト」の大きく2種類があり、誕生日や結婚祝いなどのライフイベントや、クリスマス、バレンタインなどのシーズナルイベント、ちょっとしお礼やねぎらいを贈りたい時など、様々なシーンで利用されている。

 発表会には、LINE株式会社 ギフト事業部 事業部長の米田昌平氏が登壇し、現在の「LINEギフト」の利用動向と今後のマーケティングを共有した。

写真左がLINE株式会社 ギフト事業部 事業部長 米田昌平氏。発表会には、写真右のヤフー株式会社 執行役員 コマースカンパニー・ショッピング 統括本部長/Zホールディングス株式会社 GCFO事業責任者質 畑中基氏もゲスト登壇し、両社のシナジー効果に関する可能性や期待について語った。

LINE株式会社 ギフト事業部 事業部長 米田昌平氏(写真左)と、ヤフー株式会社 執行役員 コマースカンパニー・ショッピング 統括本部長/Zホールディングス株式会社 GCFO事業責任者室 畑中基氏(写真右)。発表会には、畑中氏もゲスト登壇し、両社のシナジー効果に関する可能性や期待について語った。

 2021年10月に実施された調査によると、LINEギフトのサービス認知率は全体で52%、最も認知率の高かった20代女性では87%と約9割が認知。累計のユーザー数は1,980万人を超え、今年12月には2,000万人を突破する勢いだ。

 また、流通額は2021年度第二四半期で前年同期比約3倍の+184%を記録。米田氏は2015年のサービスローンチから今日までを振り返り、「サービスローンチ当時は、LINEギフトのようなサービスの市場はほとんどありませんでした。非常に小さい金額からスタートしましたが、毎年2~3倍の成長を積み上げてきました。そして今年度、気づけばある程度の金額になっています」と話した。具体的な金額は公表されなかったが、2022年度はさらなるサービス拡大を目指しマーケティングに大きく投資していくという。

マーケティング戦略の2つの骨子

 中でも注力することとして挙げられたのは、「認知拡大ときっかけ作り」「品揃えの充実に向けた出店改革」の2つ。

 LINEギフトは、ギフトをもらうという嬉しい体験が派生して広がっていくサービスモデルであるため、最初にギフトを贈る人をいかに生み出せるかが肝になる。よって、サービスの認知拡大と初回利用のきっかけ作りが重要なのだ。認知拡大については、今年8月に初のテレビCMを放映、明日12月1日からは第2弾となる新テレビCMの放映が開始される。また、サービスの利用経験がないユーザーに向けて毎月キャンペーンを開催したり、90%オフという強い訴求のクーポンを提供したりなど、サービス利用のきっかけ作りも強力に進めているという。

 次に、「品揃えの充実に向けた出店改革」について。これは、多様なギフトシーンに寄り添っていくために必須の取り組みと言える。

 ここでコア戦略となるのが、Zホールディングスとのグループシナジーだ。現在グループ企業が続々とLINEギフトに出店しており、すでに「出前館」「ZOZOTOWN」が出店を開始、電子書籍の「ebookjapan」は発表会当日に、予約サービスの「一休.com」は年内の出店を予定している。さらに、10月から開始した「Yahoo!ショッピング」「PayPayモール」とのシステム連携により、現時点で600ショップ以上が連携を行っている。

「セブン-イレブン」も11月29日に出店を開始。セブンプレミアム商品や気軽に贈れるお菓子など、全国20,000店舗以上で引き換え可能なeギフトを提供する
「セブン-イレブン」も11月29日に出店を開始。セブンプレミアム商品や気軽に贈れるお菓子など、全国20,000店舗以上で引き換え可能なeギフトを提供する

ヤフーとワンチームで新たな市場の創造へ

 そして、米田氏が最も重要な取り組みと位置付けているのが、ヤフーとLINEで作る1つのチームによる営業活動だ。Yahoo!ショッピングやPayPayモールに出店している企業に向けて、現在約200名の体制でLINEギフトへの出店の提案をしているほか、ヤフーの営業メンバーがLINEに出向し、1つのチームになって営業活動に取り組んでいる

 「コミュニケーションを軸にした新しい形のコマースと、長年ヤフーが培ってきたノウハウ、大規模な営業体制、企業様とのネットワークを掛け合わせ、LINEギフトの成長を加速させていきたいと考えています。

 現在約10兆円と言われている日本のギフト市場ですが、LINEギフトが行うのは、このギフト市場のDXではありません。既存のギフトをLINEギフトに置き換えるのではなく、LINEギフトがあったから生まれるギフト機会こそに、LINEギフトの存在価値があると思っています。これからますます世の中に浸透し、事業として成長していく姿に、ぜひご注目・ご期待いただけますと幸いです」(米田氏)

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/30 10:45 https://markezine.jp/article/detail/37860

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