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主婦・ママ層を狙うならTikTok!社員が語るユーザー増加の理由、アプローチの秘訣

 2021年10月、TikTok For Businessは「主婦・ママ白書」を発表した。本記事では、TikTok For Business Japanのハーマン・チャン氏に白書の内容、そしてTikTokで主婦・ママ層にアプローチする際のポイントを語ってもらった。

ショートムービーとの相性の良さで増える主婦・ママ層

MarkeZine編集部(以下、MZ):TikTok For Businessが発表した「主婦・ママ白書」では、主婦・ママ層のTikTokユーザーが増加していると書かれています。具体的にはどの程度増えているのでしょうか。

ハーマン:AppAnnieのデータでは、2021年6月時点でTikTokユーザーの3人に1人が25~44歳と出ています。また、25~44歳女性の4人に1人が主婦ユーザー(2021年5月時点)であることがわかっており、主婦・ママ層ユーザーは日々増加を続けています。若者向けアプリだと思われている方もいるかもしれませんが、主婦・ママ層も大きなボリュームを占めるようになりました。

TikTok For Business グローバルビジネスマーケティング ブランドストラテジー シニアブランドストラテジスト ハーマン・チャン氏
TikTok For Business Japan グローバルビジネスマーケティング ブランドストラテジー シニアブランドストラテジスト ハーマン・チャン氏

MZ:では、実際に主婦・ママ層はどのようにTikTokを利用しているのでしょうか。

ハーマン:TikTokを利用する主婦・ママ層のインサイトを調査した結果、以下の5つが浮き彫りになってきました。ここからは、それぞれのインサイトについて解説します。

1.忙しい、時間がない。

2.限られた時間で、最新情報に幅広く触れたい。

3.主婦だって、ほっとする自分の時間が必要。

4.自分の生活に近いリアリティに共感。

5.家族とのコミュニケーションが生まれる。

ショートムービーと相性の良い主婦・ママ層

ハーマン:1つ目のインサイトが、「忙しい、時間がない」です。主婦・ママ層がTikTokを利用するタイミングを見ると、作業の合間に見られることが多く、家事や育児などに追われて30分以上の時間が取れない主婦・ママ層にとって、ショートムービーが非常にマッチしているようです。

 実際に定性インタビューでは、「3分の動画とか短くない!?って最初思ったけど、実はこのほうが自分の生活にマッチしていた」など、短尺で完結するTikTokの動画が受け入れられていることがわかりました。さらに、「コンテンツの長さや量がちょうど良い」の回答が主要プラットフォーム3社平均比で164%と高い数字を記録しました。

 このようなインサイトもあり、短時間で料理のレシピを紹介する動画や掃除のライフハックまとめ動画などが人気を集めています。

多様なTikTokのコンテンツが貴重な情報源に

MZ:では、2つ目のインサイトについて解説をお願いします。

ハーマン:2つ目は「限られた時間で、最新情報に幅広く触れたい」というインサイトです。先ほどお伝えしたように主婦・ママ層は忙しく、テレビや雑誌などをゆっくり見る・読む時間がありません。そのため、TikTokが情報源となっているようです。また、自分から情報を探しに行くのではなく、「おすすめ」フィードを見て新しい情報に出会っています。

MZ:よく見ているコンテンツの傾向はありますか。

ハーマン:主婦・ママ層は、他のユーザーに比べて料理や赤ちゃん、メイク、エンタメ、ペット、ハウツー系の動画の視聴が伸びています。また、検索されているハッシュタグを分析すると#購入品紹介や#主婦の日常など、自分と関連性の高い動画や他のご家族がどのように過ごしているかを知りたがっていることがわかります。

データソース:TikTok『データ追跡調査』2021/5【委託先】マクロミル
データソース:TikTok For Business『ユーザー追跡調査』2021/5【委託先】マクロミル

TikTokがリラックス・安心できる場所に

ハーマン:3つ目のインサイトは「主婦だって、ほっとする自分の時間が必要」です。定性調査の中では、「TikTokを見ているときは、子どものためでなく、自分の時間として使えている」といった意見が出てくるなど、リラックスする場としてTikTokが機能していることがわかっています。

 すき間時間以外にも、お風呂に入っている間や寝る前など、数少ないプライベートな時間にTikTokを見る方も一定数います。

 4つ目のインサイトは、「自分の生活に近いリアリティに共感」です。TikTokでは育児のあるあるや急な両親の来訪に備えて大掃除をする動画など、主婦・ママが共感したくなるような動画がたくさん投稿されています。そういった動画を見ることで自分の生活に近いリアリティを感じることができ、安心するという声も定性調査の中から出てきています。

 そして、最後のインサイトは「家族とのコミュニケーションが生まれる」です。TikTokを家族と一緒に見る主婦・ママ層も多く、定性調査の中では「子どもと一緒に動画を見て遊びを真似る」や「見た動画がよく食卓の話題になる」といった回答もありました。このように、情報源としてだけでなく、TikTokがコミュニケーションのきっかけになっているのです。

MZ:ここまで5つのインサイトを紹介いただきましたが、主婦・ママ層のTikTok利用で特徴的だと感じる点はありますか。

 集中してTikTokを見ているという点ですね。実際に主要3プラットフォーム平均と比較したところ、音声ONが231%、全画面視聴は176%と高いのに対し、ながら視聴は33%と低い結果となりました。TikTokの特徴であるフルアテンションが、主婦・ママ層にも受け入れられていることがわかりました。

 また、広告意識に関する調査を行ったところ、TikTokを利用している主婦・ママ層の広告に対する反応がどれも高くなっていました。

データソース:TikTok『データ追跡調査』2021/5【委託先】マクロミル
データソース:TikTok For Business『ユーザー追跡調査』2021/5【委託先】マクロミル

TikTokで主婦・ママ層にアプローチするための3つのポイント

MZ:では、これらのインサイトを踏まえ、TikTokで主婦・ママ層にアプローチする際に気を付けるべきポイントを教えてください。

ハーマン:ポイントは「タメになる」「等身大」「正直さ」の3つです。1つ目の「タメになる」は、主婦の方にとって関連性の高い情報を届けることです。具体的には時短料理や家事のコツ、ワンポイントメイクなどの人気が高いです。主婦・ママ層のユーザーは、これらの動画を見ておもしろいものはいいねを付けて保存し、後で実践します。そして、良かったものは周りの主婦・ママに拡散していきます。このように、思わず主婦・ママ層が保存したくなるようなタメになる情報を提供していくことが重要です。

 2つ目の等身大は、先ほども説明したように主婦・ママ層は自分の生活環境と近しい方の投稿に共感します。また、他の媒体の広告で興味を持った商品について、TikTokで動画を検索し、動画やコメントを通じて商品に対するリアルな声を調べています。

 そのため、TikTokは認知を拡大するためだけでなく、商品やサービスのさらなる理解に活用できるのです。特にTikTokはコメント欄が盛り上がりやすく、企業の広告に対しても様々なコメントが集まります。きちんと等身大のメッセージを届けることで、商品に対するリアルな声も得られると思います。

 最後に3つ目の正直さですが、TikTokのユーザーはネガティブなことも含めて伝えてほしいと思っており、ブランドに対して誠実さを求めています。そのため、企業側のメッセージも良いことだけを強調して伝えるのではなく、利用者目線で正直な感想を届けていくことが重要です。

TikTokでは最初の1秒の作り方

MZ:最後に読者の皆様に、TikTok活用に関するアドバイスをお願いします。

ハーマン:まず、おすすめフィードでお客様にコミュニケーションを行うことが非常に重要です。「TikTok売れ」という言葉が出てきていますが、それもおすすめフィードのレコメンドがきっかけに起きているケースがほとんどです。フォローしていないけど興味の高いものが出てくることで「実は欲しかったんだ」という発見・購入につながり、「TikTok売れ」が起きています。

 そして、おすすめフィードに載せるなら広告出稿が有効です。確実におすすめフィードに掲載することができ、かつユーザーには「広告が出てきて邪魔」という心理が働きません。

 また、動画がスワイプされない工夫もTikTokを活用する上では重要になります。様々なTikTokクリエイターの方に取材をしていますが、どの方も「最初の1秒をどう作るか」に力を入れています。音やキャッチコピー、企画の構成、人気のクリエイターの起用など様々な方法で続きが見たくなる工夫をすることが重要です。

 そして、今回の「主婦・ママ白書」でも明らかになったと思いますが、TikTokのユーザー層、コンテンツは数年前と大きく様変わりしています。ぜひご担当者の方自身がユーザーとしてTikTokを楽しんでいただき、その中でコミュニケーションのヒントをつかんでいただければと思います。

今回記事に登場した「主婦・ママ白書」を配布中!

 今回ハーマン氏に解説いただいた「主婦・ママ白書」の資料を現在配布中!記事では掲載しきれなかった情報も多数載っているので、ぜひ記事と合わせてご確認ください!「主婦・ママ白書」のダウンロードはこちら

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2023/12/20 17:12 https://markezine.jp/article/detail/38044