9割のユーザーが「Amazonで新商品やブランドを発見している」
世界で3億を超えるアクティブカスタマーのアカウントがあるAmazon。そのうち2億人超が、Amazonプライムを利用している。
同社の広告ソリューションであるAmazon Adsでは、総合オンラインストア「Amazon」における購買やブラウジング、Prime Videoでのストリーミングといった集計された行動に関するカスタマーインサイトを使用する。これにより広告主企業は、広告やキャンペーンを良質な顧客体験として届けることが可能だ。最近では、Amazon内での売り上げ向上に加え、認知獲得やブランド構築、オフライン購買へのインパクト創出を目的に、Amazon Adsを活用する動きが生まれている。
Amazonがブランドとの出会いの場になっていることは、ユーザーへの調査でも裏付けられている(2020年3月調査。委託先:マクロミル)。調査によると、90%の人が「Amazonで新しい商品やブランドを発見したことがある」と回答。またAmazon.co.jpに訪れたユーザーのうち66%が新商品情報を確認するために訪問しているほか、74%が買う予定のなかった新商品を見つけ購入している。ほかにも次の結果から、直接的な購買の場を超えたAmazon Adsの役割が見えてくる。
・消費財を実店舗で購入する人の35%が、耐久財では37%が、事前にAmazon.co.jpで商品の情報収集や検討をしている
企業の活用も本格化
Amazon Adsを活用して成果を上げたブランドの一つに、アサヒ飲料「ウィルキンソン」がある。同ブランドは、「ソバーキュリアス」という新たなライフスタイルを追求する消費者にリーチすることを目的に、Amazon.co.jp内で特設ページと広告を展開。“ソバーキュリアス”とは、お酒を飲まない選択(sober)を積極的に楽しむ(curious)ライフスタイルであり、欧米で若い世代を中心に広まっている。同社は無糖の強炭酸というウィルキンソンが持つ強みを最大限に発揮できるコンセプトとして、日本の若年層にもこのコンセプトを広めようとしている。
ウィルキンソン担当者がAmazon Adsを採用した理由とは?
本施策を担当したアサヒ飲料 マーケティング一部 無糖炭酸・果汁グループの栗原信彦氏は、炭酸水ユーザーである若年層向けの施策を検討する上で、Amazonという場に2つの点で魅力を感じたという。
「1つ目は広告メディアとしての価値です。ミレニアル世代・Z世代の情報認知経路が、従来のマスメディアからSNSなどのデジタルメディアにシフトしている背景を踏まえ、圧倒的な集客力で、オーディエンスインサイトを豊富に有しているAmazonを、重要な顧客接点・広告メディアとして捉えています。
2つ目は、総合オンラインストアとしての価値です。ウィルキンソンを愛飲いただいているコアファンのブランドロイヤリティが非常に高く、毎月Amazonの「定期おトク便」で購入して下さるヘビーユーザーの方々に支えられているブランドです。そのためAmazonとの協業を深めることは、認知→興味関心→オフラインでの1本購入→リターゲティング→ケース購入→ロイヤルユーザー化といったカスタマージャーニーをより高度に実現できる「D2Cチャネル」の構築につながると考えています」(栗原氏)
特設ページではブランドの世界観を存分に表現
同社はAmazon.co.jpにおいて、カスタムランディングページを作成するとともに、Amazonのトップページでの広告やスポンサーブランド広告、Amazon DSPなどを使って広告を展開した。
Amazon.co.jpトップページでの掲載枠:
Amazon.co.jpのトップページにある最も大きな掲載枠であり、オンラインストアを訪れる多くのユーザーが目にする。Amazonが提供する新商品やキャンペーン情報のほかに、企業が商品やサービスのブランディングで活用する場合がある。
検索キーワードや閲覧している商品・カテゴリー、ブランドに基づいて、商品検索結果のページや商品詳細ページに表示されるカスタマイズ可能な広告。動画やイメージ画像も追加できる。ブランドイメージ想起に活用する企業が増えている。
Amazonが提供するプログラマティック(運用型)広告サービス。Amazonが所有・運営するプロパティや外部サイト・アプリ上で、ディスプレイや動画広告を掲載できる。
カスタムランディングページはインパクトを重視し、クリエイティブや世界観にもこだわっている。キービジュアルには、「“酔わない”を楽しむ」というポジティブなイメージを持ってもらうため、華やかで楽しい社交的なシーンを採用。ウィルキンソンのロゴを囲んでいる太陽光のような黄色い放射も、昼間のBBQのような飲用シーンを想定していることに加え、飲まない・飲めない自分でも受け入れてくれる新しい空間を演出した。
また、文章だけでは新しい価値観である「ソバーキュリアス」をすぐに理解してもらうことは難しいため、日常シーンの写真とともに世界観を表現。それぞれのシーンに合わせた“映える”レシピを紹介し、ノンアルコールドリンクへの興味喚起を行った。
各レシピは保存やシェアが可能なほか、レシピに必要な各材料をすぐに購入できるようカートボタンも設置した。
リーチ規模、ブランドリフトの実績は?
同社のAmazon Ads導入後の実績は次の通りだ
配信実績(2021年9月~11月)
リーチ数(UU数):約1,900万人
ページ閲覧数:約30万ビュー
レシピダウンロード数:約9,000回
同社では施策の実施目的に合わせて、ブランドリフトについても調査。以下の項目でポジティブな影響があったことが示唆された。
ブランドリフト調査
「ソバーキュリアス」「ウィルキンソンブランド」について、認知から購買までのすべての段階でリフト。特にリフト値が高かったのが20~29才の男性だった。一方20~29才の女性では、純粋想起~認知のリフト値が高かった。
また、広告接触後の行動意向向上について、「ブランドを検索した」「商品を購入した」などの各種行動意向が、特に20~29代の男性において有意に高くなっている。あわせて、「今後購入したい場所」について、EC以外のチャネルのリフトも見られた。
“オフラインでのトライアル購買増加”が大きな成果の一つ
施策について、栗原氏は次のように述べる。
「『ソバーキュリアス』の新たなライフスタイルについて、ターゲットである若年層から共感を得ることができ、ブランドの興味喚起・購買意向向上につなげることができました。合わせて、オフラインでのトライアル獲得を確認できたことは重要なポイントです。今後はオフラインでトライアルをしたお客様とのコミュニケーションを継続し、最終的にはAmazonで購入するロイヤルカスタマーになってもらうことを目指していきたいと思います」(栗原氏)
ウィルキンソンは今後も、Amazonでのキャンペーンをアップデートしながら継続していく予定だ。加えて、よりプロモーショナルな商品軸での協業や「ソバーキュリアス」以外のアプローチでも、顧客への価値提供・共感の醸成を進めるという。
素晴らしい広告体験を作り、ユーザーと広告主双方に利益を
Amazon Adsでアジア太平洋地域を統括する塚本信二氏は、同社が成し遂げたいこととして、ユーザーに適切な広告を届けること、マーケティングをより測定可能なものにすることの2点を掲げている。
「Amazonはお客様を起点に考え、お客様のニーズに基づき行動します。そして、お客様に代わってイノベーションを生み出すことを心がけています。広告主様とお客様の利益は本質的に一致しています。適切な広告は、お客様にとって非常に有益なものですし、そうでなければ、広告は機能しません。素晴らしいカスタマーエクスペリエンスを作り上げることが、お客様と広告主様双方に、より良い結果をもたらすと考えています」(塚本氏)
この考えを基に、Amazon Adsは、サイトやデバイス、Amazonの配送ボックスといった様々な場所で提供する広告体験が、ユーザーに歓迎されるような品質であることを目指している。
また同社は、マーケティングをより測定可能なものにするため、広告主や代理店にとって有意義なビジネスインテリジェンスの開発に注力している。
「日頃から『デジタルマーケティングがビジネスにどのような成果をもたらすのかをよりよく理解したい』といったマーケティング担当者の声を聞いており、Amazon Adsではこのようなニーズに対応できる体制が整っていると考えています」(塚本氏)
デジタル上での情報過多や多様な消費行動への変化を受け、マーケターには、顧客にとってより関連性が高く、共感を生む広告体験を提供することが求められている。Amazonのオーディエンスインサイトを活用でき、認知からオンライン/オフライン購買までをカバーするAmazon Adsは、強力なパートナーとなるだろう。
お問い合わせ窓口
Amazonでの広告掲載を検討している方は、こちらからお問い合わせください。