心をつかむ、世界を熱狂させるマーケティングを
──皆さんの所属されているデジタルエンターテインメント事業本部とは、どのような事業部なのでしょうか。
吉田:デジタルエンターテインメント事業本部は、「心をつかみ、世界を熱狂させる」をミッションに、新たなコミュニケーションを生み出すアプリを国内・グローバルに向けて展開していく組織です。
ミクシィのゲームタイトルと言えば「モンスターストライク」が有名ですが、それに続くようなゲームタイトルを生み出すべく、日々マーケティングの業務に携わっています。
──デジタルエンターテインメント事業本部は、どのような組織体制で運営されているのでしょうか?
吉田:ゲームの企画開発に携わる事業部門と、ゲームのマーケティングに携わるマーケティング部門の2つに分かれています。マーケティング部門は、各タイトルの事業戦略も意識しながらマーケティング戦略を描き、様々な施策に取り組んでいます。
また、タイトルによっては企画・開発の初期段階からマーケティング部門が関わり、ゲームと連動した施策の立案なども行っています。
マーケティングの上流から関わっていける組織に
──部署内にはどのような人材がいらっしゃるのでしょうか。
片瀬:中途・新卒問わず様々な世代、文化の人材が融合しているのが特徴です。海外からの人材も増えています。また、全員がエンターテインメントに対する熱量が高く、ゲームに限らず新たなコミュニケーションにつながるものを生み出したいという意識のもと仕事に取り組んでいます。
──ゲームのプロデューサーなど事業部門との連携に関してはいかがでしょうか。
片瀬:ミクシィのデジタルエンターテインメント事業本部では、事業部門とマーケティング部門の連携を大事にしています。プロデューサーや開発のゲームに対する強い意志は尊重しながらも、マーケティングが直接意見を言いやすい環境作りを進めてきました。
定期的にマーケティング部門と事業部門がワークショップを行って議論を行ったり、吉田が話したようにタイトルによっては企画・開発の初期段階からサポートしたりしています。
ゲーム業界のマーケティングでは、事前登録の半年前から関わる事がほとんどです。既にプロダクトの中身が固まっている状態からプロモーションを練り上げることが主であり、マーケター目線で『こうした方がもっと良くなる』というアイデアがあっても、反映されづらい状況だったりします。
しかし、デジタルエンターテインメント事業部では、市場分析や戦略立案など上流部分まで携わることができます。実際に、開発現場とのワークショップを通じてプロダクトバリューの定義をマーケティング観点で整理しています。ゲームの強みやユニークな部分が何で、それは市場の中でどんな位置付けであり、逆に弱みとなる部分に対してはどういう形であれば解決できるのか。
「Who・What・Why」を軸に、どのように伝えればお客様の手に取ってもらえるかを考え、最終的にHowに落とし込んでいくようなイメージですね。
──ゲームの企画が走り出す段階から関われると、より施策の解像度も上がりそうですね。ちなみに、事業部門とマーケティング部門の連携を重要視しているのはなぜでしょうか。
片瀬:昨今のゲーム市場は、世界的に見てレッドオーシャンな市場だと言われており、その中で新規サービスを出して成長させるのは至難の業だからです。お客様を驚かせるような新しいプロダクトを作るには、事業部とマーケティング部がフラットに協力することが不可欠です。これは他社にないユニークさだと思います。
人材成長を支える3つの取り組み
──若手からベテラン、また海外からの人材など多様なスタッフが集まる組織だと思いますが、人材育成に関してはどのような取り組みを行っているのでしょうか。
吉田:現在デジタルエンターテインメント事業本部では、人材育成を効率よく行うため、「エースの複製化」「小さな達成」「実務とアカデミックの融合」をテーマに様々な取り組みを行っています。それぞれについて紹介します。
エースの複製化
吉田:どんな組織でも、エースと呼ばれるような優秀な人材が1人は在籍していると思います。エースは会社を支えてくれる一方、頼られがちになり、業務などが集中してしまうことなどは良くある話です。そうなると他のメンバーのスキルが拡充できず、成長が鈍化し、組織としての厚みが出ない。
そのため、デジタルマーケティング担当やPR担当といった業務ベースで極力切り分けず 、失敗してもいい、フォローできるような体制を整え、新しい領域にチャレンジできる環境を構築しています。たとえば、あるマネージャーは元々デジタルマーケティングに特化したスキルを持っていたのですが、今では海外マーケティングの責任者として戦略設計から携わっています。
若いメンバーも多い組織なので、様々な領域を理解し、苦手とする部分は他のメンバーが補い合えることを目指しています。
2.小さな達成
吉田:小さな達成は、成功・失敗に関係なく、その月にチャレンジしたことを必ずほめ、評価しようというスローガンです。毎月行われる会議で、マネージャーが取りまとめた取り組みを共有するようにしています。
毎月1人のメンバーが何かにチャレンジすれば、1年間で12個の新しい知見や学びが得られます。そのような小さな達成を積み重ねることで、自社内に事例やノウハウが貯まっていき、チャレンジする文化も根付いていくと考えています。
久保:現場から見ても、「小さな達成」に関する取り組みはとても力になっています。チャレンジを推奨してくれる環境はもちろん、自分の施策を制作している間にもリアルタイムで他のメンバーの取り組み状況や結果が共有されるため、それを参考にしてトラブルを未然に防ぐことに役立てたり、施策の横展開がすぐにできたりします。
たとえばTwitterを活用したキャンペーン設計において、Twitter社のオリジナル機能だけでなくベンダー各社の特別なキャンペーン機能を使用し、得られた効果やトレンドインのコツなどを即日チームへ共有しています。これにより、後続のキャンペーンで想定以上の結果につながった事例があります。
また、マーケティングだけに留めず開発事業部にも共有することで、普段マーケティング部門がどのような取り組みをしているのかの可視化や、そこを起点とした次回以降の協業について話し合える環境も非常に貴重だなと思っています。
3.実務とアカデミックの融合
片瀬:変化の激しいゲーム業界の情勢に対応するには、実務で得られる知識だけでは足りないと考えて始めたのが実務とアカデミックの融合です。具体的には、日本マーケティング学会の理事を務める大学教授をお招きし、消費者行動学やブランドロイヤリティーなどについて、半年程実践的な講義を行っていただいています。
たとえば、消費者行動学に基づいてお客様がゲームをどのように認知し、態度を形成し、行動(購買)につながっていくのかをアカデミックな面から考察することは、事業の強みや市場環境を俯瞰でき、戦略を策定する上で思考の幅を広げることや、論理性の向上につながります。アカデミックな知識は、すぐ実務に役立つものではありませんが、重要な取り組みだと考えています。
コトダマンを過去最高の売上にしたマーケティング
──現在、デジタルエンターテインメント事業本部が運営する「共闘ことばRPGコトダマン」が好調だと聞いています。マーケティング部門では、どういった取り組みを行ったのでしょうか?
吉田:コトダマンは「ことば遊び」を採用したゲームで、「ことば遊び」のシステムが強みです。私が入社した当時の印象としてはマーケティング領域において、取り組むべき課題や優先順位の整理などをすれば、もっと成長の余地があるタイトルであると感じたことを覚えています。
その際「戦略の作り込み」と「戦術の実行」について各々が注力できるよう組織体制を見直すと同時に、片瀬や久保などのメンバーと戦略を一から検討し、やるべきこと、やめるべきことを決める作業に取り組みました。
そして、やるべきことを緊急度と重要度の2軸のマトリクスで整理し、メンバー全員に整理した内容と今後行うべき施策を伝えていきました。衝突もありましたが、着実に小さな達成を積み上げて約半年で過去最高の売上を生み出しました。そこからはコンスタントに目標を達成できる状態が続いています。
──施策を緊急度と重要度で整理したとのことですが、具体的にはどのような基準で判断していたのでしょうか。
久保:「他がやっているから」という理由で行っていた施策は一旦すべて止めました。また、コトダマンは著名なIPとのコラボが多いタイトルでもあったので、各コラボレーションの費用対効果などを整理しました。
加えて、以前よりも遊んでくださっている方々がどのような情報・体験を求めているのかを突き詰めるようになりました。組織としての判断軸をお客様にとって重要か、緊急性が高いかという部分により注視するようにしたため、実行できたと考えております。
コミュニケーション軸に、未来のテクノロジーを見据えた企画を
──今後はどういった取り組みを行っていくのでしょうか?
吉田:ミクシィがこれまで積み重ねてきたコミュニケーションへの思いを大切に、新たなゲームタイトルを世に出していきたいです。また、ブロックチェーンやNFT、メタバース、Web3など新しいテクノロジーの文脈を意識した企画も考えています。そして、国内だけでなく、海外にも目を向けていきたいです。
──現在デジタルエンターテインメント事業本部のマーケティングに関わる人材募集も行っていると聞いています。どのような人材が御社にマッチすると思いますか。
久保:デジタルエンターテインメント事業本部の「心をつかみ、世界を熱狂させる」ミッションに共感してくださる方、また「○○がやりたい」というWillがある方と一緒に働けたら嬉しいなと思っています。
吉田:マーケティング領域においては、戦略を正しく理解され、戦術に落とし込んで推進いただける方にはマッチすると思います。目的が何かをしっかりと考えた上で、マーケティング手法を適切に選択していくことが求められる事業部だからです。
片瀬:海外を見据えたサービス展開に関心がある方はフィットすると思います。今開発中のものが海外展開を見据えているものばかりなので、メイド・イン・ジャパンで世界と戦う私たちの事業は貴重な経験になるはずです。
オープンな環境で、お客様に笑っていただくための挑戦を
──最後に応募を検討されている方へ、メッセージをいただけますか?
吉田:マーケティングは、人の心を動かす仕事だと思っています。そのために、自分が持っているWillや思いのある方が挑戦しやすい環境が、現在のデジタルエンターテインメント事業本部には整ってきております。
私たち自身も常に努力し続けながら、ぜひそういった意識を持った方と一緒に働けたら嬉しいです。
久保:私は現在、ファンマーケティングチームのリーダーを務めていますが、今後のキャリアを考えたときに、新規のユーザーを獲得するプロモーション領域にも触れていきたいと思い、その気持ちを吉田に伝えたところ背中を押してもらい、チャレンジすることができています。結果として、自分の視野が広がり、仕事も充実しています。今している仕事の幅を広げたいと悩んでいる方は、ぜひ来ていただきたいなと思っています。
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