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【特集】Web3、メタバース、NFT──最新技術がマーケティングに及ぼす影響

メタバースの本質は「放課後」のような居心地の良い場所作り

メタバース流行の陰にある「誰かのためにお金を使う」インサイト

──ミラティブのようなメタバースでライブゲーミングを行うサービスが好調な背景には、何があると思いますか。

 誰かを「推したい」、誰かのためにお金を使いたいという需要が増しています。これまでゲーム市場は自分のためにゲームソフトやゲーム内のアイテムを購入する市場でした。しかし、今ライブゲーミングの登場で誰かのためにお金を使うというゲーム市場ができつつあります。

 そしてミラティブ上のデータでは、誰かのためにお金を使うようになると、自分も頑張ろうと自分に対してお金を使う動きが強まり、市場全体が広がっていくことがわかっています。たとえば、自分の後輩がゴルフを始めたときに、ゴルフクラブを買ってあげると、一緒にラウンドを回るときに恥ずかしい思いをしたくないからこっそり練習したり、新しいクラブを自分で買ったりすると思うんですよね。

 最近では、推しエコノミーや応援消費という言葉がありますが、誰かに何かを贈与する行為は、その人のコミットメントを高めていくことにもつながります。このようなインサイトが、ミラティブのサービス設計に上手くハマっているんだと考えています。

メタバースを一過性の飛び道具にしないポイントは?

──メタバースがバズワードとなることで、とりあえず一過性の話題作りのために導入・活用するケースも出てきそうだなと感じているのですが、中長期でメタバースのサービスを提供していく上で大事なことはなんだと思いますか。

 ゲーム性を取り入れることは重要だと思います。メタバースを成立させるにはまた来たくなる仕組みを作る、お客様が欲しいものを提供し続けるしかありません。

 また、メタバースが一過性のブームで廃れないためには、「放課後」みたいなものを作ることが重要だと思っています。自分たちが学生のころ、放課後にゲームセンターに行ったり、ファーストフード店で雑談したりしましたよね。手段はなんであれ、同じクラスの友達と何かをして過ごすことでコミュニケーションが生まれていたわけです。このように、誰かと一緒に過ごすきっかけを作ってあげることが大事だと思っています。

 ゲームはそのきっかけとなりやすいことから、ゲーム領域からメタバースの発展が進んでいますし、エンターテインメントの領域も同じ理由でメタバースが盛り上がり始めています。

コミュニケーションの手段を多様化させて居心地を良くする

──最後に今後のメタバースの展望、そしてミラティブがその中でどのような展開を考えているのか教えてください。

 メタバースがブームとなり様々なチャレンジが行われていますが、結局ユーザーに刺さったものは残り、一過性のバズしか作れないものは消えていくと思います。ただ、テクノロジーは日々進化し、投資の規模も大きくなっているので、より良いものが出てくる可能性は高いです。そして、今後のキーワードは最初にお話しした「居心地の良い場所かどうか?」ということになります。

 私たちは今後も、明日も来たくなるサービス、誰かと仲良くなるきっかけを作り続けたいと思っています。これまではほとんどのプラットフォームでライブ配信中にコメントやギフト(投げ銭)を送ることしかできませんでしたが、現在は直接ゲームに影響を与えるゲーム内のアイテムを送ることができるようになりました。このライブ配信とゲームを融合させたライブゲーミングというジャンルでは良いところまで来ているので、今後も居心地の良いコンテンツ体験を突き詰めていって、「結果的に」メタバースと呼ばれる世界を作っていきたいです。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/12/01 09:30 https://markezine.jp/article/detail/40652

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