SNSマーケティングとは?
SNSマーケティングを成功に導くには、まずは基本的な部分について理解を深めておく必要があります。なぜ、SNSマーケティングが注目されるかという理由も含めて解説します。
SNSを用いたデジタルマーケティング活動
SNSマーケティングとは、InstagramやTwitterなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じてマーケティング活動を行うことです。ユーザーと積極的にコミュニケーションを図ることで、企業や商品のブランディングにつなげたり、ファンを獲得したりして購買につなげていくデジタルマーケティング活動だといえます。
具体的には、SNSアカウントの運用、SNS広告の配信、SNSキャンペーン、インフルエンサーマーケティング、ソーシャルリスニングなどがSNSマーケティングの手法として挙げられるでしょう。
様々なSNSが普及し、消費者だけでなく企業も手軽に情報発信ができるようになったことで、従来のマス広告の枠にとらわれない形のチャネルとして注目されています。
一方で、取り扱う商品やサービスが消費者の期待値を下回ってしまうものであると、ネガティブな評価につながる恐れもあるので注意が必要です。
SNSマーケティングを行う際はしっかりと運用体制を築いたうえで、担当者が高いリテラシーを持って運用する必要があります。
SNSマーケティングが注目される理由
SNSマーケティングが注目される背景として、消費者と企業の双方でSNSの利用率が高まっていることが挙げられます。
総務省が2022年に公表した「令和3年通信利用動向調査」によれば、ほぼすべての世代でSNSの利用率が高まっていることがわかります。若年層のみならず、比較的年齢が高い層でもSNSの利用が増加していることから、マーケティングにおいてSNSをどのように活用するかといった視点を持つことが求められるでしょう。
また、従来はGoogleなどの検索エンジンを活用した情報収集が一般的でしたが、近年はSNSで情報収集を行うケースも増加しています。さらに、SNS上の情報をきっかけに商品を購入するというケースも増加傾向にあり、SNSマーケティングに注目する企業が増えているのです。
SNSマーケティングで使われる代表的なメディア
SNSマーケティングでよく利用される代表的なメディアについて、基本的なポイントを押さえておきましょう。ここでは、6つのメディアの基本情報を紹介します。
Instagram(インスタグラム)は、画像や動画の投稿を強みとするSNSです。世界では10億人以上が利用しており、日本国内の月間利用アカウント数も3,300万以上(2019年3月現在)となっています。
日本での利用者は男性が約43%、女性が約57%です。20~30代の女性の利用が特に多く見られますが、男女を問わず多くのユーザーに支持されている人気メディアといえます。人気の理由としては、投稿した内容が24時間で消えるストーリーズ機能やライブ配信機能が備わっている点が挙げられます。
また、インスタグラマーと呼ばれる人気インフルエンサーの投稿を活用したインフルエンサーマーケティングも行われています。人気インフルエンサーの投稿を自社の広告として配信できるブランドコンテンツ広告や、広告に二者択一の質問を埋め込んだアンケート広告など、様々な形で広告配信することも可能です。
Instagramのユーザーは、自分の世界観にマッチングした商品やサービスを好む傾向があり、購買意欲を高めるための機能が充実しています。
Facebook(フェイスブック)の利用者数は世界で29億3,000万人以上、日本の月間アクティブユーザー数は2,600万人程度(2019年現在)となっています。大きな特徴としては、実名登録が必要なSNSであるため、学歴や職業、家族構成など様々な情報をもとにしたターゲティングが行える点が挙げられます。
日本では若年層の利用率はあまり高くありませんが、30~40代の年齢層が多く利用しているので、自社の商品やサービスとマッチングしていれば活用方法は広がるはずです。また、Facebookページ機能ではオウンドメディアのように活用することが可能で、各種イベントページやコミュニティなどを作成することもできます。
国内のユーザー向けに運用を行うのであれば、Facebookのメインユーザー層とペルソナが適合するかをチェックしておきましょう。
また、海外向けのマーケティングを展開する場合は、ユーザー数が多いFacebookをSNSマーケティングの主軸として活用していくことも可能です。
Twitter(ツイッター)は、テキストベースのコミュニケーションを中心とするSNSです。画像や動画を添付することも可能であり、世界で3億3,000万人のユーザーを抱え、日本では4,500万人以上(2017年10月現在)のユーザーが利用しています。
今話題になっているトレンド情報の収集に強みを持っており、リアルタイムのイベントやキャンペーンと連動して関連するツイートを投稿するといった活用方法が効果的です。ユーザーと近い距離でコミュニケーションを図ることに向いているため、多くの企業アカウントがある点も特徴だといえるでしょう。
また、リツイートと呼ばれる拡散機能があり、ワンタップで自分のフォロワーに情報を伝える機能が備わっていることで、投稿内容が一気に拡散される場合もあります。実際にTwitterの運用を行っている企業では、フォロー&リツイートキャンペーンなどの拡散につながる施策を実行しています。
Twitterでは広告配信を行うことができますが、リツイートによる二次拡散には費用がかからないので、シェアされるほど高い費用対効果を見込めます。そのため、SNSの企業アカウントをまずは運用してみたいという場合に適したSNSといえるでしょう。
YouTube
YouTube(ユーチューブ)は、世界で20億人以上のユーザーが利用している動画プラットフォームです。日本国内での月間アクティブユーザー数は6,900万人(2021年10月現在)となっています。
様々なジャンルの動画が配信されており、ライブ配信機能やライブコマースを通じて商品やサービスのプロモーションを行うこともできます。また、ビッグデータをもとにした広告配信機能や、人気YouTuberと組むことによってインフルエンサーマーケティングを実施することが可能です。
ミレニアル世代やZ世代に対して訴求力のある縦型の動画広告も導入されており、幅広いユーザー層に情報発信を行いたい場合に活用できるでしょう。
YouTubeは動画プラットフォームではありますが、コメント機能やコミュニティ機能なども備わっているため、ユーザーと意見を交わしながらコンテンツを充実させていくことができます。
TikTok
TikTok(ティックトック)は、15秒から10分程度のショートムービーを投稿することに特化したSNSです。世界での月間アクティブユーザー数は10億人を超えており、日本の月間利用者数は1,700万人程度(2021年8月現在)です。
特徴としてはスマートフォンの画面に適した動画投稿プラットフォームであるため、フルスクリーンでインパクトのある動画をユーザーに提供できる点が挙げられます。投稿する動画にはBGMを付けたり、エフェクトを追加したりできるので、より訴求力の高い動画を提供することが可能です。
また、広告の種類も様々あり、ユーザー参加型のハッシュタグチャレンジやアプリを起動したときに広告が表示されるものが用意されています。日本では10~20代に好まれるSNSであるため、それらの世代をターゲットとした商品やサービスを展開する際に有用といえるでしょう。
LINE
LINE(ライン)はチャットツールとして利用できるだけでなく、無料通話やスタンプの機能も備わっているのが特徴です。世界の月間アクティブユーザー数は1億9,300万人以上ですが、日本国内の利用者数はその約半数にあたる9,200万人(2022年6月現在)となっています。
ユーザーは20代が最多で、30~50代以上の利用者層も多いのが特徴です。国内でのユーザー数の多さから、LINE公式アカウントやLINE広告などを活用することで、さらにユーザーに対する情報発信やコミュニケーションを円滑に行えるでしょう。
LINEでは、友だち登録の機能を上手に活用していくことで、ユーザーとの関係を継続的に維持することが可能です。キャンペーン情報を配信したり、商品やサービスに関するユーザーからの質問に丁寧に答えたりすることによって、ファンの獲得に役立つはずです。
SNSマーケティングの活用方法
SNSマーケティングを実践するためには、具体的な手法を把握しておく必要があります。それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
SNSアカウントの運用
SNSマーケティングを行ううえで基本的な部分となるのが、SNSアカウントの運用です。企業が公式のアカウントを開設し、商品やサービスの最新情報や有益なコンテンツを提供することで、ユーザーとの接点を増やすことができます。
継続してSNSマーケティングに取り組んでいくことは、ユーザーとの良好な関係の構築だけでなくブランディングにもつながるでしょう。SNSを運用することでユーザーから直接意見を受け取ることができるため、より距離が近い形でコミュニケーションを図ることが可能です。
またSNSで投稿するコンテンツに、ECサイトのURLなどを埋め込むこともできるので、集客チャネルとして活用することもできます。
ユーザーの視点に立って、親しみのある運用を心がけてみましょう。
SNS広告の配信
多くのSNSプラットフォームでは、広告配信サービスを展開しています。SNSによって強みとするユーザー層などは異なりますが、テキストだけでなく画像や動画を用いた広告を展開することで、ユーザーの興味・関心をより引き出すことができるでしょう。
年齢や性別、職業、年収、家族構成、趣味などの属性を踏まえて、詳細なターゲティングによって広告を配信することができます。SNS広告の運用にあたっては、広告予算や配信期間を柔軟に変えられるため、費用対効果を考えながら自社に合った広告を配信することが可能です。
SNSのキャンペーン
SNSのキャンペーンとは、ユーザーに何らかの行動を起こしてもらうために取り組む施策です。各種キャンペーンを行うことによって、フォロワーの獲得や情報の拡散、実店舗への来店促進、広告クリエイティブの質向上などの効果を期待できます。
キャンペーンを行うことで、UGC(ユーザー自身が生み出すコンテンツ)の増加も期待できるため、SNS上で情報収集を行う他ユーザーに対するアプローチにもつながるでしょう。
また新規顧客の開拓だけでなく、既存顧客に対するアプローチも行えます。既存顧客との結び付きを強めることで、SNSアカウントの安定した運用にもつなげていけるはずです。
インフルエンサーマーケティング
SNSマーケティングを行う際は、ユーザーに対して強い影響力を持つインフルエンサーとともに取り組む、といった視点を持つことも重要です。人気インフルエンサーを起用することで、数万人から数百万人のフォロワーに対して情報発信を行うことができ、自社のSNSアカウントのフォロワー数が少ない場合でも弱点をうまくカバーできます。
ポイントとしては、各インフルエンサーのフォロワー層や得意とするジャンルを把握し、自社の商品やサービスに合った人物を選ぶことが大切です。自社の店舗やイベントに招待してレビューを行ってもらったり、商品開発の監修やライブコマースを行ってもらったりと、様々な活躍が期待できます。
SNSユーザーに支持されている人気インフルエンサーを起用することで、商品やサービス、ブランドなどに親近感を抱いてもらいやすくなるため、情報の拡散が自然と生まれやすい状況を作ることができるでしょう。
ソーシャルリスニング
ソーシャルリスニングは、SNSを通じてユーザーの意見を収集し、ビッグデータとして活用することを指します。個々のユーザーの意見だけでなく、広く意見を収集できるため、業界内での自社のポジショニングやブランドイメージの実態調査の材料となるでしょう。
また、ネガティブな意見を事前に把握することにも役立つので、炎上リスクの防止や風評被害への対処など、リスクマネジメントとしても活用できます。
さらに、ソーシャルリスニングでは、ユーザーの自由で率直な意見を数多く集められるため、効果測定や潜在的なニーズの掘り起こしなどにも有用です。
SNSマーケティングのメリット・デメリット
SNSマーケティングを実施することで多くのメリットが得られる一方で、気を付けておきたいデメリットも少なからずあります。それぞれについて詳しく解説します。
SNSマーケティングのメリット
SNSマーケティングに取り組むメリットとしては、まず商品やサービスの認知度を高める効果を期待できる点が挙げられます。SNSの特性である拡散機能を効果的に活用していくことで、ユーザーのファン化や購買意欲向上にもつながっていくでしょう。
また、SNSアカウントを継続的に運用することで、商品やサービスだけでなく企業のブランド力そのものを向上させることにもつながります。人気インフルエンサーを起用することで、より短期間で成果を挙げられる可能性もあるでしょう。
さらに、SNSならいつでも自由に情報発信が行えるので、素早く情報を伝えたいときにも役立ちます。新規顧客の開拓だけでなく、既存顧客との交流もSNSを通じて行えるので顧客ロイヤリティを高めることにもつながるでしょう。
SNSマーケティングのデメリット
SNSマーケティングは、継続して運用しなければ成果を実感しづらいため、相応の時間や手間がかかります。また、投稿するコンテンツの質を高めるだけでなく、ユーザーとのやりとりや炎上リスクに備えるなど、日常的にきめ細かな作業が求められる点にも注意が必要です。
さらに、SNSアカウントを安定的に運用するためには、SNSに精通している専任の担当者を配置したり、外部のリソースを活用したりする必要もあります。SNSマーケティングを行う前に、運用体制に無理が生じていないかを精査しておきましょう。
SNSマーケティングを実践するための5つのステップ
SNSマーケティングを効果的に実践するには、しっかりと手順を踏んで取り組んでいくことが大切です。5つのステップに分けて解説します。
実施する目的を明確にする
SNSマーケティングは、漫然と続けていても思うように成果が出るものではありません。SNSごとに強みとする部分が異なるため、効果的にSNSマーケティングを行うためには、目的と利用する媒体がマッチングしている必要があります。そのため、事前にSNSマーケティングに取り組む目的をしっかりと定めることが肝心です。
具体的な目的としては、「ブランド認知度を高める」「商品の購入を促す」などが挙げられるでしょう。各部署間でコミュニケーションを図りながら、達成したい目的を見定めてみてください。
利用するメディアと活用方法を決める
効果的にSNSマーケティングを行うためには、自社がターゲットとするユーザー層が多いメディアを選ぶことが欠かせません。SNSによって、メインユーザーの年齢層や男女比などは異なるため、事前にどのようなユーザーが多く利用しているメディアであるかをリサーチしておく必要があります。
利用するメディアが決まったら、次にどの手法を使って運用していくかを決めましょう。
たとえば長期的にファンを増やすことを目的とする場合は、SNSアカウントを継続して運用していくことが大切です。一方、新商品の認知度を高めていくことを目的とする場合、SNS広告やインフルエンサーマーケティングに力を入れていくことが必要になります。
達成したい目的を社内で十分に話し合ったうえで、SNSの活用方法を探ってみましょう。
目的を達成するためのKPIを設定する
SNSマーケティングの目的を明確化できたら、次に「KPI(Key Performance Indicator)」を設定します。KPIとは、重要業績評価指標とも呼ばれるもので、最終的な目的を達成するために設定する個々の目標を指します。
KPIを設定するうえで重要なポイントは、あとで検証できるように具体的な数値目標を掲げることです。フォロワー数の増加やCV(コンバージョン)数など、達成したい目的に合わせて、個々の目標を設定してみましょう。
継続して運用する体制を整える
SNSマーケティングは短期間で成果が出づらいため、中長期的に運用していくことが前提となります。
ユーザーから信頼を寄せられるSNSアカウントとして育てていくには、長期的に継続可能なしっかりとした運用体制を構築することが大事です。そのためには、必要なノウハウやスキルを備えた人材を配置する必要があります。
また、SNSマーケティングは成功すれば大きな効果を期待できる一方で、誤った運用を行えば炎上リスクを高める恐れもあるため、SNSに関するリテラシーが高い人材を選ぶことが大切です。
社内に適切な人材がいない場合は、外部のリソースを活用することも視野に入れるなど、十分に検討しましょう。
データを分析して次の施策に活かす
SNSマーケティング実践後は、KPIが達成できているかをきちんとチェックし、その都度課題点を洗い出していくことが必要です。課題点を精査することによって改善策を見出し、1つひとつの施策を実行してみましょう。そのうえで定期的に効果測定を行い、次の施策に反映させるといった柔軟性のあるサイクルを確立することが重要です。
また、継続的に運用することで得られた様々なデータの活用や競合他社の動向やどのインフルエンサーがユーザーの支持を集めているかなどのチェックも欠かせません。
日頃から情報収集を行い、SNSアカウントやSNS広告の運用などに活かせる点を見つけていきましょう。
SNSマーケティングの成功事例
SNSマーケティングを効果的に実施するには、すでに成功している企業の事例から学ぶことが大切です。各メディアの成功事例について紹介します。
Instagramの成功事例:メルカリ
ネットオークションサイト「メルカリ」では、2019年からInstagramアカウントの運用を強化しています。2022年10月現在のフォロワー数は7万人を超えており、メルカリに関連したUGCが増加するなど、一定の成果を挙げています。
メルカリでは、メインターゲットである30~40代の主婦層が抱えがちな悩みなどを分析し、それに基づいたコンテンツの制作を行っています。ユーザーの視点に立って改善を重ね、さらにプレゼントキャンペーンを実施するなどして、1回のコンテンツ配信で約9,000人のフォロワーを増加させることに成功しています。
Facebookの成功事例:ユニクロ
ファストファッション大手「ユニクロ」のFacebookアカウントは、フォロワー数110万人以上(2022年6月現在)を誇ります。このアカウントでは、ユニクロの新商品に関する情報やお得なキャンペーン情報などが配信されています。
大きな特徴としては、他のSNSアカウントで発信している情報をFacebookアカウントでも発信している点が挙げられます。複数のアカウント間で相互に情報を共有することで、ユーザーとの接点を広げることに成功しているといえるでしょう。
SNSマーケティングを実践する際は、複数のアカウントを同時に運用することも珍しくありません。複数のSNSアカウントを連携させることで、1つのSNSアカウントではリーチできなかったユーザー層に対してもアプローチできる可能性が生まれてきます。SNSアカウントを効果的に運用する方法として、相互連携を意識してみましょう。
Twitterの成功事例:NTTドコモ
大手通信会社のNTTドコモでは、Twitterアカウントを効果的に運用しています。1年間でフォロワー数が約20万人増加し、1ヵ月あたりのリツイート数が約4倍となるなど、大きな成果を挙げています。
Twitterのユーザーから「NTTドコモは堅い企業」というイメージが持たれていることが課題だと認識していたものの、運用当初はあまり目立った成果を上げられていませんでした。しかし、Twitter JAPANや広告代理店などの外部のリソースを活かし、徐々にノウハウを蓄積していったことで、Twitterを活用したSNSマーケティングを成功させたのです。
YouTubeの成功事例:エーザイ
チョコラBBなどのブランドを持つエーザイは、美容意識の高いユーザー向けにYouTube広告を配信しました。これによりターゲット層へのリーチが約8%増加し、動画広告専用のコンテンツを作成することになりました。
その結果、ターゲット層のリーチは約3倍、商品検索数は約915%にまで増加するという成果を得ています。また、ノウハウの蓄積によって効果的な配信設定が行えるようになり、リーチを獲得するための単価もそれまでの6分の1以下にまで抑えることに成功しました。
TikTokの成功事例:カルビー
大手菓子メーカーのカルビーでは、ブランドの1つであるサッポロポテトのレシピ動画をTikTokで公開する施策を実行しています。TikTokだけでなく、他SNSアカウントも運用して相互連携を図ることで、ユーザーと複数の接点を持つことに成功しました。
さらに、男性向けの料理動画を配信するメディア「GOHAN」を運営する株式会社トピカと連携するなど、外部リソースを有効活用しています。それによって、フォロワー数が少ない段階からユーザーの共感を得られるコンテンツの提供が実現し、初投稿は1週間で100万回以上再生されました。
LINEの成功事例:オルビス
化粧品や栄養補助食品などを提供するオルビスでは、ユーザーとのコミュニケーションの強化、新規顧客の獲得を目的として2013年からLINE公式アカウントの運用を始めています。
双方向のコミュニケーションに課題があることを認識していた同社は、チャットコマースを導入し、顧客が抱える悩みを顕在化させることにつなげました。継続的に運用することで、1ヵ月後にはCV数が約160%増加し、3ヵ月後には約400%増加するなど、大きな成果を上げています。
さらに、2020年には、LINE公式アカウントの友だち数を約3,300万人まで増加させることにも成功しました。
SNSマーケティングを成功に導くポイント
SNSマーケティングを成功に導くには、いくつか心がけておきたいポイントがあります。運用を行うにあたって、重視しておきたい点を紹介します。
企業対個人のコミュニケーションを心がける
SNSは多くのユーザーが利用しているメディアではありますが、不特定多数の人に情報発信をするという従来のマス広告の手法では、思うように成果が出ない部分があります。そのため、とにかく情報発信をしていくより、1対1のコミュニケーションを丁寧に行っていくことを心がけましょう。
SNSマーケティングにおいては、単に情報を伝えるというよりも、ユーザーとの関係性を深めるという点を重視したほうが効果的です。ファンとなってくれるユーザーを獲得することで二次拡散の効果も期待でき、SNSを通じたユーザーとの結び付きが緊密になっていくでしょう。
メディアによってアプローチ方法を変える
前術のように、一口にSNSといっても、メディアによってユーザー層や特性は異なります。そのため、自社商品やサービスのターゲットに適したメディアを選ぶことが重要です。
SNSマーケティングを行う際に、どのメディアを選ぶべきか迷ってしまう場合は、複数のSNSで試してみると良いでしょう。運用を継続しながら効果測定を行い、どのSNSが自社に合ったものかを見極めていく必要があります。
また、メディアによってテキストや画像・動画など、運用に適したコンテンツは異なります。そのためA/Bテストを実施するなどして、メディアに適した投稿コンテンツを意識することも大切です。
炎上リスクを理解し、マニュアルを整えておく
SNSは上手に運用すれば、マーケティング施策における費用対効果を高められますが、一方で拡散性の高さから炎上につながることもあるため、リスクに備えておく必要があります。良い情報も悪い情報も一気に広がっていくSNSの特性を理解したうえで、ユーザーにとって不快な内容を発信していないかを入念にチェックしましょう。
炎上リスクを最小限に抑えるためには、社内でのチェック体制を整えておくだけでなく、いざというときのために対応マニュアルを整備しておくことも肝心です。運用担当者によって対応にバラつきが出ないように、必要な情報は社内で適宜共有しておきましょう。
まとめ
SNSをマーケティング活動に活かしていくことで、消費者とより多くの接点を持つことができます。各メディアの特徴を踏まえたうえで、自社に合ったメディアを選んで運用していくことが大切です。
SNSマーケティングは開始してすぐに効果が出るものではないため、継続して取り組んでいく必要があります。消費者にとって信頼のできる情報を発信し続けていけば、企業や商品に対する認知度を高めたり、新たなファンを獲得したりすることにつなげられるでしょう。
すでに成功している企業の事例なども参考にして、消費者と自社にとって有益なSNSアカウントを運用していくことが重要です。