MarkeZineを運営する翔泳社より、4月19日(水)に書籍『2030年の広告ビジネス デジタル化の次に来るビジネスモデルの大転換』が発売となりました。
本書は2014年に刊行された『広告ビジネス次の10年』(翔泳社)の著者、横山隆治氏と榮枝洋文氏が2030年までに広告ビジネスがどのようなトレンドを経て変化していくのかを予想・解説するものとなっています。
前著で予想された「データを使ったマーケティングが主流になる」「ネット広告の効果指標に認知と態度変容が加わる」「動画広告用のクリエイティブ開発が進む」などはいまや当たり前になり、「コネクテッドTVの普及」「ターゲティング広告への規制強化」「動画配信サービスによる広告配信」「メタバースの活用」といった変化も起きています。
本書ではこうした現在の潮流を前提に、主に7つのトピックが展開されます。
- 「マーケティング支援」から「事業支援」へ
- 日本ローカルのデジタル化 vs. グローバルデジタル
- 広告クリエイティブのAI化が本格始動
- エージェンシーとSIerとの連携協業が始動
- SNS起点のコミュニケーションプランニングはCMクリエイティブにまで到達
- マーケティングコンサル vs. ITコンサルの攻防激化
- YouTuberビジネスの終焉とコンテンツの見直し~テレビ番組の凋落は続く~
こうした事象を「デジタル化の次のビジネスモデル大転換」とし、本書では詳細に行く末を解説。さらに、デジタル化に対応してもどんどん儲からなくなる広告代理業がどのようにビジネスモデルを転換していくべきか、次世代広告人にどんなスキルが求められるかにも言及されています。
広告ビジネスに関わる方なら誰もが無関係でいられない内容が詰め込まれた本書は、今後の業界の指針となる1冊です。
目次
Introduction 2030年まで続くトレンド
・2023年がその後も続く元年となる7つの事象
第1章 この10年の変化とコロナ禍による前倒し現象
・「手売りで販売する広告枠」の比率は圧倒的に減少
・プログラマティックやプラットフォーム上での取引は予想通り増大
・産業の変化と主要広告主の入れ替わりに順応してきた広告会社だが……
・爆縮産業と広告ビジネス
・アマゾンの営業利益は「200%AWS頼み」の構造
第2章 広告とマーケティングの「変化」は経済の「先行指標」
・「広告(会社)」「マーケティング」という呼称定義が常に拡張している
・既存のマーケティング事業の枠の中でも既に変化が起こっている
・新しい事業ライバルに気づけば、新しいマーケティングの「ガイドブック」に
第3章 データに関わる常識は非常識に
・「軽いデータ」側から「重いデータ」側への比重移動
・医療産業の規制緩和に向けて準備が待ち望まれる事業カテゴリー
・データのマイナスリスク:対応コスト「DSR」の増大
・「DSR」の概念は法律ではなく企業倫理
・データ活用のリスクをDSRの視点で管理する
・「二人称デバイス」との対面データ摂取から「一人称デバイス」の中の自分データとの対話へ
第4章 マーケティングはどう変わるか?
・究極の消費者主義 個人を特定しても意味がない一人十色
・マーケティングファネルは通用しない
・広告コミュニケーションも受け手主導へ
・SNSを起点とするコミュニケーション開発
・「消費はコミュニケーションである」はさらにドライブする
第5章 「広告(会社)」「マーケティング」という呼称定義が常に拡張している
・事業解釈の拡張から派生する新しいマーケティングの概念
・アマゾンにコンテンツ配信を頼るネットフリックスが、広告配信はマイクロソフトへ依頼する「変数」
・似て非なるネットフリックスとディズニープラスの広告配信モデル
・ディズニーの巨大赤字覚悟の腕力
・アマゾンは、自社のオリジナル番組コンテンツを配信
・番組コンテンツの「プッシュ配信」から、「ゲーム」を筆頭とした「双方向」へ
・「二人称」画面との対話から、「一人称」のデータの中にいる自身との対話へ
第6章 メディアはコネクテッドTVの時代に
・コネクテッドTV広告の爆発力
・SNS動画広告との区分
・コネクテッドTV広告は個人よりもデバイスターゲティング
第7章 激変する業界地図
・コンサル系進出と旧来エージェンシーとの交代
・S4キャピタルは史上最後のエージェンシー
・S4キャピタルの「先行モデル」のアプローチ
・日本の有力エージェンシーの現状と今後
第8章 広告代理店のビジネスモデルの激変
・既存メディアを売るための仕組みの崩壊
・広告ビジネスはマーケティングしにくい産業
・広告主を育てる仕組み
第9章 次世代広告人に求められるスキル
・「デジタル脳は当然!」それだけでは通じない時代に求められる思考とスキル ・マーケティングプロセスの上流に関わるために ・右脳と左脳を行き交うことで得られる発想力
第10章 事業経営を磨く
・足元の「オペレーティングマージン」指標と未来の「EBITDA」指標
・「オペレーティングマージン(営業利益率)」の感覚値を磨く
・EBITDAという「経営未来の北斗星」の指標
・経営成長時の事業買収における償却コストは重いと感じるか?