マーケティング組織を構築するために
──自己紹介をお願いいたします。
塩見:IT系の出版社から転職して、リクルートに中途入社しました。組織長に任用された2011年以来、10年以上、マーケターの評価に携わっています。
現在私は、執行役員として、マーケティングとプロダクトデザインの2部門を統括しています。マーケティング室では室長も兼ねているので、制度設計などの実務もしています。
松尾:私は当時のリクルートマーケティングパートナーズに中途入社しました。キャリアの前半は新卒・中途採用に携わっていましたが、その後、HRBPを担当することになりました。リクルートが統合した2021年に、マーケティング室のHRBP担当になって、今に至ります。
HRBPは「Human Resources Business Partner」の略で、人事機能の1つです。当社では、事業と従業員の成長のために、担当組織の「人と組織」に関わるすべてにおいて、課題設定から施策の立案・実行まで一気通貫で担っています。
──マーケティング組織を作っていくにあたって、どういったことを心がけていますか。
塩見:シンプルに「優れたマーケティング組織であろう」と心がけています。最強マーケター集団と掲げていた時期もありましたが、現在は強い上でそれだけじゃない組織を目指しています。この旗を降ろさないこと、高いところに目標を置き直し続けることを心がけています。
とはいえ、目標に向けた活動の多くがヒト・モノ・カネで言うと「ヒト」の問題に行き着きます。だからこそ、その解決に最もリソースを投じています。報酬というテーマもその中の一つですね。
個人差が入り込まないような制度を目指して
──今回は報酬制度について、お話をうかがいます。マーケターの報酬制度は各社どのように決めていることが多いのですか。
塩見:そもそもですが事業会社で、マーケターの報酬制度を用意しているところは多くない印象です。他職種と分けずに同じ制度を用いられるケースが多いのではないでしょうか。
理由としてマーケターの人口が多くなく、専用の制度を作るほどではないと考えられている気がします。弊社も、マーケターの人口が少ないうちはそうでした。代理店さんなど、マーケターが多い企業は作られていますね。
──制度を決めていく際に、どういった悩みが発生することが多いのでしょうか。よくある悩みを教えてください。
塩見:できるかぎり公正に、合理的に、判断の個人差が入り込まないような制度を目指しますが、ゼロにはし切れないところです。