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フルファネルで効果を発揮するAmazon Adsとのマーケティング(AD)

成長顕著な炭酸水市場をリードするウィルキンソンの戦略 Amazon Adsだからできる施策の成果

 アサヒ飲料は「ウィルキンソン」のマーケティングにおいて、2021年から今日まで継続的にAmazon Adsを活用。 Amazon Adsと協同し、購買促進の目的だけに留まらず、ブランドの認知拡大からイメージの醸成にまで取り組んでいる。アサヒ飲料が継続的にAmazon Adsを活用しているのはなぜなのか? 過去3年の取り組みでどのような収穫があったのか? ウィルキンソンの事例を通して、Amazon Adsの活用可能性を探っていく。

新たな飲用シーンの創出を目指す、ウィルキンソンの戦略

MarkeZine編集部(以下、MZ):本記事ではウィルキンソンのブランディングキャンペーンについて詳しくうかがっていきたいと思います。まずウィルキンソンとはどのようなブランドなのかをお話しいただけますでしょうか?

小諸:ウィルキンソンは、1904年に販売を開始した純国産の炭酸水です。来日していた英国人ジョン・クリフォード・ウィルキンソンが狩猟中に、兵庫県宝塚にて炭酸鉱泉を発見したのが始まりとされています。

アサヒ飲料株式会社 マーケティング本部 マーケティング一部 無糖炭酸・果汁グループ 課長補佐 小諸祐志氏
アサヒ飲料株式会社 マーケティング本部 マーケティング一部 無糖炭酸・果汁グループ 課長補佐 小諸祐志氏
2014年アサヒ飲料に入社。九州や首都圏エリアで営業を経験した後、2021年に現在のマーケティングのセクションに異動。炭酸水ウィルキンソンブランドの販売戦略と商品開発に従事している。

 ブランドのスピリットとして大切にしているのは「挑戦」です。お酒の割り材としてだけではなく、炭酸水そのものを直接飲む文化を創り上げようと、2010年にペットボトルの「ウィルキンソン タンサン」のテスト販売を開始しました。サイダーなどが並ぶ炭酸コーナーではなく、ミネラルウォーターのコーナーに陳列することで健康的なイメージを与えたほか、水に「刺激」というプラスの価値がある見せ方にし、炭酸水の直接飲用という新しいスタイルを日本中に広めていきました

MZ:炭酸水市場の成長推移は非常に高く、飲料業界でも注目の市場となっています。ウィルキンソンでは近年、どのようなマーケティング戦略を行われていますか?

小諸:我々は「2030年までにあらゆる世代および場面で、当たり前のように炭酸水を飲む文化を定着させる」という目標を持っています。これまでウィルキンソンは「刺激、強め。」という物質的な価値を磨いてきましたが、近年は同様の方向性で訴求をする他社ブランドが増えてきました。結果、刺激が強いという価値が画一化され、差別化が難しい状況になってきています。

 そのような中、ウィルキンソンだからこそ提供できる価値を磨いていこうと、大きく2つの施策に力を入れています。まずは「スタイリッシュで、持っているとかっこいい」など情緒的な価値を高めていくこと。テレビCMでは赤と黒、音楽はレニー・クラヴィッツの楽曲を一貫して使い続けることで、ウィルキンソンというブランドのイメージを作り上げてきました。

 もう1つ注力しているのは飲用シーンを広げることです。具体的には「健康」、食事とともに炭酸水を楽しむ「With Food(ウィズフード)」、そしてお酒の代わりに飲む「Sober Curious(ソバーキュリアス)」を象徴的なシーンとして提案しています。

若年層での拡大を目指すコア施策「Sober Curious」

MZ:「Sober Curious」の施策に関しては、2021年よりAmazon Adsとの取り組みを開始したとうかがっています。どのような経緯・目的があり、本取り組みに至ったのでしょうか?

小諸:ウィルキンソンは、お酒を嗜まれる上の世代の方々に多く購入いただいています。ブランドのさらなる成長を目指すにあたり、マーケティングにおいては若年層を将来ファンになってくれる“ネクスト炭酸水ユーザー”と定め、若年層に向けたアプローチを強化してきました。

 「Sober Curious」は、あえてお酒を飲まないことで心身共に健康な状態を目指すというスタイルです。これが欧米のZ世代やミレニアル世代を中心に広まっているということを知り、若年層へアプローチするのによい切り口だと考えました。日本の若年層へ「Sober Curious」のスタイルを広めるとともに、お酒を代替するものとしてウィルキンソンを提案しました。

MZ:再び新たな文化の創造に挑戦されているわけですね。ウィルキンソンは「Sober Curious」の施策以降もAmazon Adsの活用を継続されています。これにはどういった理由があるのか教えてください。

小諸:主に3つの理由があります。まずはAmazon Adsの「広告メディアとしての価値」です。近年、若年層の情報認知経路は従来のマスメディアからSNSなどデジタルにシフトしています。その中でAmazonは非常に多くのお客様が訪れる場所であること、そして私たちがリーチしたい若年層のインサイトが豊富であるという点に価値を感じます。

 また、何よりAmazon Adsには「総合オンラインストアとしての価値」があります。ウィルキンソンはお客様のブランドロイヤリティが非常に高く、Amazon.co.jpの定期便で購入してくださるようなロイヤルカスタマーの方々に支えられているブランドでもあります。Amazon Adsを活用し、認知・興味関心を高めてオフラインでの単品購入に繋げ、さらに繰り返しリーチすることでケース単位で定期便を利用するようなロイヤルカスタマーを育てていくことができます。このようにカスタマージャーニーを高度に実現しながら一気通貫で施策を打てるのがAmazon Adsだと思います。

 最後の理由は、今挙げた「広告メディアとしての価値」と「総合オンラインストアとしての価値」によってもたらされた効果を横断的に分析し可視化できる点です。Amazon Adsはキャンペーンを実施したら終わりではありません。クリーンルームソリューションのAmazon Marketing Cloud(AMC)を使えば、私たちが持つ情報とAmazon Adsの情報を突き合わせながらキャンペーンのオーディエンスを分析できます。後述しますが、自社の情報やインサイトだけで分析するよりも信ぴょう性の高い結果を得られます。

なぜ「Amazon Ads」でブランディングを?

MZ:続いて、2023年実施のブランディングキャンペーンについて詳しくお聞きします。今回はブランド認知からコンバージョンまでの効果を見込んで、Amazon Adsの「カスタム広告ソリューション」を活用したとうかがいました。Amazon Adsというと、購入を促す広告とイメージしているマーケターも多いと感じますが、今回のキャンペーンは、ブランドのパーセプションを醸成することに重きを置くものなっていますね。Amazon Ads側とどのような議論があり、本取り組みに至ったのでしょうか。

小諸:お話ししてきたように2021~2022年は「Sober Curious」をメインに取り組んできましたが、炭酸水にはまだまだ可能性があるとも感じていました。そこで2023年は「Sober Curious」以外の可能性を見つけるべく、ウィルキンソンの価値が最大化される飲用シーンはどこにあるかをAmazon Adsとともに探ってきました。

 Amazon Adsのファーストパーティインサイトをもとにグルーピングしながら議論を進めた結果、「アクティブ」「ヘルシー」「ファミリー」の3つのセグメントを狙うのがいいのではという結論に。それぞれのセグメントの人たちはどんな1日を過ごしていて、その中でウィルキンソンがどのような価値を提供できるかを議論しました。

 そこで出てきたクリエイティブのイメージが「半歩先の憧れ」というものです。冒頭にお伝えした通り、ウィルキンソンのコア価値は、商品の物性価値をわかりやすく伝えた「刺激、強め。」からスタートし、そこからさらにウィルキンソンだからこそ提供できる情緒的価値として、かっこいい世界観をこれまで届けてきました。しかし、改めてウィルキンソンの提供できる情緒的価値を考える中で「これまで伝えてきたかっこよさと令和のかっこよさでは変化が起きているのではないか。これまで通りの世界観では、オーディエンスが狭まりすぎるのではないか」といった声も出ていました。

 そこで2023年のキャンペーンでは、「かっこよさ」の中にもどこか身近に感じる要素を追加しました。「憧れではあるけれど、自分も頑張れば手が届きそうな共感できるかっこよさ」を表現したキービジュアルがこのクリエイティブです。

 ウィルキンソンはテレビCMをはじめとしたマスメディアでも広告を展開していますが、それらとはまた別のアプローチで、Amazon Adsだからこそ届けられるウィルキンソンの世界観や独自性を表現できたと感じています。

クリック率は約3倍!Amazon Adsだからこそ出せた成果と要因

MZ:2023年のキャンペーンにおいて、Amazon Adsのソリューションを活用して得られた広告効果を教えてください。

小諸:広告配信はAmazon Adsから提供される精度の高いオーディエンスインサイトをもとにしたAmazon DSPを活用しました。わかりやすい成果としては、2022年と比べると2023年はクリック率が約3倍高くなりました。

MZ:高い成果を出せた要因はどこにあると考えていますか?

小諸:クリエイティブとリーチの掛け合わせで、配信の仕方を変えたことが大きいと考えています。クリエイティブに関しては、Amazon Adsと一緒に開発した「半歩先の憧れ」のイメージが、「ウィルキンソンを飲めば、かっこいい自分に近づけそう」といった興味関心を引き出す後押しに繋がったと思います。

 また、2022年はデモグラで若年層に絞ってリーチしていましたが、2023年はデモグラだけのセグメントではなく、ライフスタイルや飲用シーン、価値観などで分けるようにしたこともポイントです。既存カスタマーに近いライフスタイルを持つお客様の新規獲得もKPIとして設定しました。

 その際は当社が持つ独自の情報とAmazon Adsが持つインサイトを突合しながら見ていきました。当社の情報だけでは実際何が購入されているか見えないのですが、Amazon Adsの購買情報と突合することで、より信ぴょう性の高い、強固なペルソナを作り上げることができました。Amazon Adsが持つ豊富なインサイトがあったからこそ実現できたことだと思います。

 さらに、その後それぞれのオーディエンスに合わせてクリエイティブを出し分けたことが、本当にその方に合う広告を届けることにつながり、その結果がきれいに数値に表れたのだと考えています。

より多くの方々に炭酸水の力や価値を伝えていく年に

MZ:今回のように一つのキャンペーンを作る際、Amazon Adsとどのように協働されているのでしょうか。

小諸:キャンペーンの企画開発から効果検証までパートナーとして併走していただいています。基本的には営業担当やブランド担当がAmazon Adsの皆さんと定期的に打ち合わせをしているほか、ブランドコンディションのチェックなどを一緒にしています。

MZ:今後ウィルキンソンで取り組んでいきたいこと、目標や展望などを最後にお聞かせください。

小諸:ウィルキンソンは今年で120周年を迎えました。長年ご愛顧いただいているお客様に感謝すると同時に、改めてより多くの方々に炭酸水の力や価値を伝えていく年にしたいと考えています。そうすることで「2030年には、あらゆる場面で当たり前のように炭酸水を飲む文化を定着させる」という目標に繋がっていきます。そのためにはやはりAmazon.co.jpでの販売やAmazon Adsを活用したインサイトに基づいたキャンペーンの実施と分析、最適化が不可欠だと考えています。

 今後も引き続きブランドの想いを伝えながら、それぞれに適したシーンや飲用体験を提供すべく、挑戦を続けていきたいです。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:アマゾンジャパン合同会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/02/26 11:00 https://markezine.jp/article/detail/44589