インフルエンサーマーケによくある「三つの課題」
前回記事では、Instagramのアカウント成長の手法として、初期段階のコンセプト設計と、フィード投稿、リール投稿の役割・改善手法を解説しました。今回のテーマは「アカウントの運用とインフルエンサー起用施策をどのように連動させるか」です。課題を整理し、有効な手法について解説していきます。
前提として、インフルエンサー施策からインプレッション(imp)を獲得し、フォロワーを増やし、ユーザー生成コンテンツ(UGC)を生むという手法は、もはや目新しいものではありません。しかし、その効果を最大化するためには、これまでの手法を見直し、新しい視点を取り入れる必要があります。
インフルエンサーマーケティングは、企業がインフルエンサーに対してPRを依頼するという形が一般的です。しかし、この手法にはいくつかの問題点があります。次の三つは特によく挙げられるケースです。
PRしてくれるインフルエンサーが増えない
最終CVまでの責任をメディア側(インフルエンサー)で持たないとならないため、売れやすい商品にPRが集まりやすいという構造にあります(特に高単価商材はPRしづらい)。
効果測定ができない
フィードなどでPRを依頼する際に、固定費としてフォロワー単価(1円~2円)を支払うことは多いですが、実際にどれだけサイトに訪れたか、そこからどれだけのCVが生まれたかわからないため、多くの企業でPR案件のPDCAが回せていません(成果が出ていないのに報酬を支払っている可能性が高い)。
質の高いCVが取れない
最終CVまでの責任をメディア側(インフルエンサー)に持たせてしまうことで、「無理矢理にでも売ろう」という力が働き、過度なPRや行きすぎた表現での訴求に。これにより、実際の商品やサービスとのギャップが生まれ、LTVが短くなってしまいます(最悪の場合、クレームにつながってしまう)。
では、インフルエンサーマーケティングの効果を最大化するためにどのような策、他施策との連動が必要なのでしょうか。
「ストック型」の設計でアカウントに良質なコンテンツを拡充
一つは、インフルエンサーの投稿するコンテンツを「ストック」させてもらうことです。
以下の図のように、企業のオウンドアカウントにインフルエンサーのUGC投稿をストックしていくことによって、訪れたユーザーの購買の疑似体験が生まれ、意思決定を促進できます。Instagramの自社アカウントが購買率(CVR)を最大化する役割を果たせます。
このようなストック型のインフルエンサーマーケティングの効果をさらに伸ばすためには、CVにつなげる「導線設計」と、インフルエンサーにとって重要な「成果地点」をアレンジすることも重要です。