ダークモードをデザインする際の6つのポイント
ここまでをふまえ、ダークモードをデザインする際のポイントを次のようにまとめてみました。
- 初期段階で事前にダークモードを考慮した設計にする
- ブランドカラーやロゴと調和するデザインにできるかどうか
- 途中でダークモードを追加する場合はテキストの色での重要度に注意する
- 色数を減らし機能ごとなど共通のカラーパレットで管理する
- メディアを配置している場合はとくに明るさなど注意する
- 両モードとも万能ではなく特色があることを理解する
ライトモードもダークモードも一長一短です。全ユーザーにとって万能で、アクセシビリティに配慮されたデザインを提供することが理想ではありますが、それはとても難しいです。しかし、ライトとダークを完全に別物として捉えるのではなく、どちらのモードでもメリットを活かしつつ、デメリットをなるべく取り除いた設計を目指すべきでしょう。
ライトモードの時も背景を真っ白の「#ffffff」ではなく「#fcfcfc」で微量なグレーを足すことで、感覚的な眩しさの低減にもつながります。ライトもダークも相互に関連しており、デメリットとなり得る要素を省く工夫をすることが重要です。
まとめ
アプリやウェブサイトにおけるダークモードの登場は、単なる一過性のトレンドではなく、デジタルインターフェースとの接しかたに変化をもたらし、UXに大きな影響を与えました。ダークモードを採用することで、より魅力的でユーザーフレンドリーなデジタル体験や、アクセシビリティへのコミットメントを示すことができますが、それらは万能ではなく、ライトモードを含めたデザイン設計が必要なことを教えてくれます。ダークテーマは単に、ライトテーマの反転ではないのです。
今後ライトモード/ダークモードともにプラットフォームやブラウザ間で標準化され、カラースキームが整理されていくと思います。Androidデバイスでは、テーマカラーを選択できるなど、ユーザーの好みや視覚的ニーズに応じてカスタマイズできるようになってきています。そんななかでデザイナーは、ユーザーが選択したモードに関わらず、美学と機能性の完璧なバランスを見つけ出すこと、ユーザーにパーソナライズしやすい選択肢を与え、シームレスで快適な体験を提供することが大切なのではないでしょうか。
この記事がUIUXデザインを考えるひとつのヒントとなれば幸いです。それではまた次回の記事でお会いしましょう。以上、新谷でした。ありがとうございました!!