SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

マーケターの本棚

【読書の秋】この秋読みたい、マーケターおすすめの1冊

 マーケティング業界で活躍するキーパーソンたちの知識量、またそこから生み出される斬新なアイデアにはいつも驚かされます。彼ら・彼女たちは、日々どのように情報収集を行っているのでしょうか? 今回は業界の最前線で活躍する5名に「この秋おすすめの1冊」を紹介していただきました。

マイクロソフト 有園 雄一さんのおすすめ

『THE COMING WAVE AIを封じ込めよ』
『THE COMING WAVE AIを封じ込めよ』
ムスタファ・スレイマン(著)、マイケル・バスカー(著)、上杉隼人(翻訳) 日経BP

 『THE COMING WAVE AIを封じ込めよ』の著者は、AlphaGoを開発したDeepMindの共同創業者。DeepMindをGoogleに売却後、GoogleにてAIプロダクトマネジメントおよびAIポリシーVPとしてGoogleのAI開発をリードし、現在はMicrosoft AIのCEOとなっています。本書はAIが与えるインパクトを論じ、「AIの倫理」「Responsible AI(責任あるAI)」を軸に人類をリードする覚悟を感じる一冊となっています。AIにより、広告やマーケティングも大きく変わっていくでしょう。

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan 有園 雄一氏

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan 有園 雄一氏
早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会社(現ヤフー株式会社)、グーグル株式会社(SalesStrategy and Planning/戦略企画担当)、アタラ合同会社COOなどを経て現職。2004年、検索キーワード入りテレビCMを考案、日本で最初にトヨタ自動車「イスト」CMが採用。2014年、Dual AISAS Modelを提唱。株式会社テレビ朝日の番組「#モデる 」では番組企画を支援し、DualAISAS Modelを利用して、「テレビ番組-テレビCM-SNS-ウェブサイト-EC/店舗」の連携を意図したコミュニケーション設計を行う。2016年~現在、zonari合同会社 代表執行役社長。2016〜19年、株式会社電通デジタル客員エグゼクティブコンサルタント。2018年、アタラ合同会社フェローに就任。2018年度 株式会社電通 電通総研 カウンセル兼フェロー。2020〜2021年、株式会社ビービット マーケティング責任者。2019〜2022年、電通総研パートナー・プロデューサー。2022年8月~、Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan。

グロースX 松本 健太郎さんのおすすめ

「空気」の研究
「空気」の研究』山本 七平(著)文藝春秋

 データやエビデンスの対義語は「場の空気」だと思っています。空気を読まないことは重罪であり、社会性と協調性が無い、ダメなビジネスパーソン扱いされます。もちろん、データをもって空気が醸成されていれば良いのですが、得てしてそうでは無いから「空気を読む」ことが求められます。事件は会議室で起きている、と言った沖田管理官は正しかった(踊る大捜査線)。

 だからと言って、それに抵抗しないのは違いますよね。「話せる空気」「データやエビデンスで議論する空気」をまず作り、空気自体を壊していくべきだと思っています。また、「空気に左右されるな!」と拳を振り下ろすのも違います。それぞれの事情もあるでしょう。極端に降り切れず、それぞれの事情を汲み取りながら、バランス感をもって少しずつ前に進んでいく。

 そうした「静かな変革」に寄り添う1冊です。

株式会社グロースX 執行役員 松本 健太郎氏

株式会社グロースX 執行役員 松本 健太郎氏
龍谷大学法学部卒業後、業務を通じてデータサイエンスの重要性を痛感し、大学院で統計学・データサイエンスを“学び直し”。デジタルマーケティングや消費者インサイトの分析業務などに携わり、定性データと定量データ両方の分析に精通する。2020年3月にJX通信社に入社し、マーケティングを統括。2023年1月より現職。

エスプーマ 安藤 健作さんのおすすめ

『あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』
『あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』
佐藤 舞(サトマイ)(著)KADOKAWA

 「やるべきことをやらない内にあっという間に時間が過ぎてしまった」。これは、多くの社会人が一度は感じたことのある感覚でしょう。私もそのひとりです。しかし、多くの人は直視すべき本質を避け、代替案として選んだ行動や選択を正当化することに時間を費やしていると作者は警告します。

 直視すべき本質とは「死」「孤独」「責任」の3つです。間違った時間の使い方を避けるためには、自分の人生をコントロールする覚悟と智慧が必要です。この3つの理を受け入れ、人生の舵をしっかりと握ることで、充実した人生を送ることができるのです。ちょうど1年ほど前にマーケターの間で『DIE WITH ZERO』(ビル・パーキンス著、ダイヤモンド社)という書籍が話題になりましたが、限られた人生を有意義に使うためにもぜひ読んでいただきたい書籍です。

合同会社エスプーマ 代表 安藤 健作氏

合同会社エスプーマ 代表 安藤 健作氏
早稲田大学卒業後、株式会社丸井を経て、2006年に株式会社ラクスに入社。同社でCS(カスタマーサクセス)組織の立ち上げを手がけ、その後マーケティングマネージャーに。2016年には、メールマーケティングサービス「配配メール」の事業責任者に就任し、事業の成長を牽引。その後、株式会社WACULにて執行役員CMOを務め、マーケティング戦略を主導。現在は合同会社エスプーマを設立し、企業のマーケティング活動を支援する傍ら、メールマーケティングのエバンジェリストとしても活動。著書には「現場のプロが教える!BtoBマーケティングの基礎知識」(マイナビ出版、共著)や「メールマーケティングの教科書」(翔泳社)がある。

EVeM 富家翔平さんのおすすめ

『レベニューオペレーション(RevOps)の教科書 部門間のデータ連携を図り収益を最大化する米国発の新常識(MarkeZine BOOKS)』
『レベニューオペレーション(RevOps)の教科書 部門間のデータ連携を図り収益を最大化する米国発の新常識(MarkeZine BOOKS)』
川上 エリカ(著)、丸井 達郎(著)、廣崎 依久(著)(翔泳社)

 私はこれまで「マーケティングとは、売れる仕組みをつくること」と学び、それを目指して仕事に取り組んできました。しかし、いつの間にか忙しさにかまけて施策の実行に傾倒し、成果を出すためのオペレーション構築をおろそかにしてしまっていたように感じています。

 「RevOpsの教科書」から突きつけられる問いは非常にシンプルで、「売上があがる全体のプロセスを俯瞰で捉え、事業に貢献するマーケティングを実行できているのか?」です。

 自信を持ってYESと言えなかった私は、まさに教科書として大切に読み、ひとつずつ実践しようと邁進しています。本書から得られる学び多さは言うまでもなく、マーケターとしてのこれからの身につけるべきものはなにか、視座をどのようにあげるべきかという新たな視点も与えてくれる一冊です。

株式会社EVeM Marketing Director 富家 翔平氏

株式会社EVeM Marketing Director 富家 翔平氏
大手通販会社のマーケティング、広告代理店にてマーケティングコンサルタントを経験。その後、コニカミノルタジャパンにて、営業改革プロジェクト×マーケティング組織立ち上げを推進。マーケティング企画部 部長として、事業部・全社マーケティング組織の責任者を務めた。2023年秋よりEVeMに参画。実践者のひとりとして、マーケティングに「マネジメントの力」を掛け合わせた成果創出に挑戦している。

suswork 田岡 凌さんのおすすめ

『カテゴリーキング Airbnb、Google、Uberは、なぜ世界のトップに立てたのか』
『カテゴリーキング Airbnb、Google、Uberは、なぜ世界のトップに立てたのか』
アル・ラマダン(著)、デイブ・ピーターソン(著)、クリストファー・ロックヘッド(著)、ケビン・メイニー(著)、長谷川 圭(翻訳)

  あらゆる企業、特にスタートアップや新規事業にとって、最重要論点と言っても過言ではないのが “カテゴリ”です。つまり、私たちの事業・ブランドは顧客に何で想起されるか? 裏を返すと世の中に何屋と発信していくか? ということです。

 顧客を定義し顧客を理解し、その上で、顧客にとって想起されるべきキーワードを創出していく。あらゆる企業の事業成長には欠かせないものであるのは間違いありません。さらに、新たにカテゴリを創出することは、既存の競争から脱して、新たな価値を提供していくイノベーションでもあり、すなわち社会を前進させていくことにも繋がります。

 読書の秋、是非 “カテゴリ”という観点からご自身の事業やブランドを捉え直す機会をもってみてはいかがでしょうか。

suswork株式会社 代表取締役 田岡 凌氏

suswork株式会社 代表取締役 田岡 凌氏
京都大学卒業後、ネスレにてネスカフェドルチェグスト、ミロのブランド担当。外資系企業のブランドマーケティング責任者、マーケティングSaaSスタートアップ CMOを歴任。 現在、suswork株式会社にて、スタートアップから大企業まで数十社のマーケティング戦略支援を行う。株式会社Sales Marker外部顧問。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
マーケターの本棚連載記事一覧

もっと読む

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2024/11/05 08:00 https://markezine.jp/article/detail/47288

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング