MarkeZineニュース

TOPPAN、「デジタル分身サービス」提供　本人さながらの対話が可能な分身をデジタル空間に作成

2025/06/26 17:00

通知

　TOPPANは2025年6月20日から、現存する人物の姿かたち・声をリアルに再現し、本人さながらの対話を可能にした分身をデジタル空間上に作成する「デジタル分身サービス」の提供を開始した。マーケティング領域における営業商談や顧客コンタクト業務への活用を想定している。

　生成AI技術の進化により、人物の姿かたちや声など"人らしさ"を備えたデジタル分身の再現が可能となり、継承やマーケティング課題の解決に向けた新たなコミュニケーション手段として期待されている。

　同サービスは、同社が保有する見た目の再現技術や独自の音声再現AIモデルなどを用いて、人物の姿かたち・声をリアルに再現するだけでなく、同社のデータ管理に関するノウハウを活用して本人に関する膨大なデータをAIに学習させることで、本人さながらの対話が可能な分身アバターを作成する。

　音声再現AIモデルでは、収録した音声サンプルを元に音声再現AIモデルを生成し、声色や声質をリアルに再現する。音声サンプルの収録はスタジオでの本格的な収録とあわせて、スマホアプリによる簡易的な収録も可能だ。多言語対応エンジンの活用により、その人の声色や声質による多言語の発話も可能にし、各国のユーザーとコミュニケーションを行える。

　生成AIの活用では、本人に関するテキストや動画、画像など多様なデータを構造化しAIに参照させることで、本人の知識・ノウハウに基づく対話を実現する。本人の話し方や口癖など細部まで再現する。

　活用シーンとして、本人が不在時の対応や、多人数との同時対応、窓口接客業務など、業務効率化を支援する。

　会社理念の継承やトップセールスのノウハウを活用した営業商談・顧客コンタクトでは、経営者や創始者の知識・思考を基に、企業の経営ビジョン・行動指針を体現したプレゼンテーション、相互コミュニケーションを実現する。また、トップセールスのノウハウを反映することで、営業商談やコンタクト領域でより高い顧客満足度の追求が可能になる。

　価格は、メッセージ型動画が1本150万円から、対話型アバターシステムが1件500万円からとなっている。同社は同サービスにより、2027年度末までに10億円規模の売り上げを目指すという。また、分身作成に用いられているデータの信頼性を示すため、TOPPANデジタルが提供するアイデンティティの真正性を証明する基盤「AVATECT」との連携も予定している。