「生成AIを導入したが、成果に直結している実感が乏しい」「他社のマーケターは具体的にどこまでAIを使いこなしているのか」——。そんな焦燥感を現場で抱いているビジネスパーソンは少なくないはずだ。インテージが実施した調査では、マーケティング職の生成AI利用率は6~7割弱に達し、ビジネスパーソン全体の平均を大きく上回るスピードで普及が進んでいることがわかった。特筆すべきは、メール作成や文書要約などの工程において、約9割が明確な「成果」を実感している点だ。本稿では、生成AI利活用の実態を紐解きながら、生成AIを単に「使える」段階を超え、「AIと共にいかに成果を出すか」という、これからのマーケターが進むべき方向を紹介したい。
マーケティング4職種の生成AIの利用は進んでいるか?
本調査は、職業、勤務先での役割、売上規模、従業員規模などを事前に把握している、インテージの「ビジネスパーソンパネル」(約71万人)を活用して実施した。
まず、現時点でビジネスパーソンは生成AIをどの程度利用しているだろうか。インテージが2025年10月に実施した調査では、ビジネスパーソン全体(20~60歳男女、会社員・自営業などの有職者。パート・アルバイトを含めず)のビジネスにおける生成AI利用経験率は21.7%であった。
今回の調査では、ビジネスパーソンの中でも広義のマーケティング4職種(「マーケティング・商品企画」「経営・経営企画」「技術・研究・開発」「営業推進/企画・広報・宣伝」。以下、「4職種」と表記)に所属する人に焦点を当てて詳しく分析した。
その結果、本調査対象者のビジネス利用率は60~70%に達し、ビジネスパーソン全体の約3倍という高い水準にあることがわかった。
特に「マーケティング・商品企画」職の利用率は67.7%と、他の3職種と比較しても5ポイント以上高く、マーケティング現場での導入が先行している実態が浮き彫りとなった。
マーケティング・商品企画:n=795、経営・経営企画:n=973、技術・研究・開発:n=3639、営業推進/企画・広報・宣伝:n=1608
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生成AIをビジネスで利用していない理由を尋ねたところ、1位「利用する必然性を感じていない」(18.5%)、2位「何に使ったらよいかわからない」(12.1%)、3位「使い方がわからない」(12.0%)となった。年齢が高くなるほど、これらの理由を挙げる人が多くなっている。
では、いつから生成AIをビジネスで使い始めたのか。その開始時期をまとめたのが図表2である。
n=1703(本調査対象者計)ベース:ビジネスで生成AIを利用している
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内訳を見ると、2年以上前から使用し始めた人が32.4%、1年以上~2年未満が39.3%、1年未満が28.2%であった。生成AIサービスの日本導入初期(2年以上前)から活用している層が、全体の3分の1を占めていることがわかる。
日々のビジネスにおける生成AIの利用状況
ここからは、生成AIがビジネスの現場で実際にどのように使われているかを詳しく探っていきたい。
まず、利用が多い生成AIサービスは、ChatGPT(44.1%)、Copilot(40.2%)、Gemini(29.2%)の順であった。一方で、資料作成などを得意とするNotebookLMは4.4%、動画生成AIのSoraは1.3%とまだ少数派であった。
では、具体的にどのような用途、どのような頻度で活用されているのだろうか。その結果をまとめたのが図表3である。
n=1703(本調査対象者計)ベース:ビジネスで生成AIを利用している(週1回以上利用の多い順にソート)
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生成AIをビジネスで「週1回以上」利用している用途の上位3位は、「情報収集・検索」(67.8%)、次いで「テキスト生成(メール・レポートなどの文章作成)」(61.7%)、「テキスト処理(メール・レポートなどの文章の要約・校正)」(54.0%)となった。
ここまでの調査結果から、マーケティング4職種において、生成AIは日常のさまざまな用途で活用されていることがわかった。では、実際にビジネスの各工程は生成AIに置き換わりつつあるのだろうか。
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濱 賢太郎(ハマ ケンタロウ)
株式会社インテージ 営業本部 営業推進部 未来共創センター長
大学卒業後家電メーカーへ就職、ワープロ、FAX、携帯電話、通信映像端末、太陽光発電の商品企画を担当。2013年株式会社インテージに入社し、国内外の生活者リサーチ、コンサルティングに従事。2017年「未来共創センター」を設立。企業との共創による新価値の...
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