市場環境や生活者の価値観の変化、タッチポイントの多様化が進む昨今、最適なメディアプランニングや戦略・施策の設計は企業にとって重要テーマの一つだ。2026年3月開催のMarkeZine Day 2026 Springでは、ネスレ日本、リクルート、ライフネット生命保険(以下、ライフネット生命)の3社が、メディアプランニングをテーマにディスカッション。広告環境の変化をどう受け止め、現在どのような媒体や施策に注目・注力し、今後取るべき戦略をどう展望しているのか? 2025年の振り返りと2026年の展望を通して、これからのメディアプランニング戦略や予算配分で取るべき指針のリアルなヒントを提示した。
3社が取り組む広告予算の最適化
肥田(ライフネット生命):本日は広告媒体の予算配分をテーマに、ネスレ日本さん、リクルートさん、そしてライフネット生命の3社でディスカッションしていきます。
まずは2025年の振り返りから始めましょう。当社の認知率は50%を超えているとされており、テレビCMによる認知獲得から指名検索・サイト集客・リターゲティング広告などを一貫して展開しています。
なんとなく「認知やブランド想起につながれば」と行われてきたかつてのマス広告と比べ、現在はマス・デジタルを問わず認知からコンバージョンまで求められる時代です。私自身も、そういった視点を意識しながらプロモーション予算の配分を行ってきました。
2012年にライフネット生命保険に入社。2024年4月より現職で広告運用を含むマーケティングやブランドマネジメント、クリエイティブ制作の部署を統括する。
優先度の高いブランド・キャンペーンに予算を集約する
村田(ネスレ日本):当社が2025年に意識したことは、「選択と集中」と「顧客視点でのプランニング」です。少額分散投資では効果が十分に得られないため、優先度の高いブランド・キャンペーンに予算を集約することを意識しています。また顧客体験上の各フェーズでコミュニケーションの目的を定義した上でメディアを選定し、顧客起点のプランを組み立てました。
ネスレ日本入社後、セールスを経てマーケティング&コンシューマー コミュニケーション本部へ。2022年より媒体統轄室にて「ネスカフェ」「キットカット」などのブランドにおけるメディアプランニング業務を担当する。
肥田(ライフネット生命):「選択と集中」に関して、少額予算の施策は、担当者レベルからすると「やっている感」があるのではないでしょうか。村田さんは、そういった施策に着目したのですね。
村田(ネスレ日本):担当者は、自分が担当する製品やブランドへの思い入れがあるのは当然だと思います。ただ、全体最適の観点からどのような予算の使い方が最も効果的かという視点は、持つ必要があります。少額のまま分散投資しても、広い砂漠に水を撒くような結果になりがちです。全体を見渡した時その予算の使い方は適切なのか、個別キャンペーンとして成果が出せそうな設計になっているのかといった視点を持ちながら、社内調整しています。
また、各キャンペーンに十分な予算を充てることが、効果の最大化につながると考えています。「選択と集中」を意識して、成果が見込めるキャンペーンを設計していく姿勢が大切なのではないでしょうか。
肥田(ライフネット生命):成果が見込みづらいところには予算を集中させない、まさに私も同意見です。
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和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)
IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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