本連載では、特定の熱量を持ったコミュニティ「界隈」を深掘りし、マーケティングの実践的なヒントを紐解きます。シリーズ第2回となる今回は、2025年から大きな盛り上がりを見せている「平成女児界隈」にフォーカス。SNS投稿データの分析から、彼女たちがなぜ今、これほどの勢いを持っているのかを探り、企業がその熱量に寄り添うためのポイントを詳しくご紹介します。
平成女児界隈とは?
こんにちは、スパイスボックス アカウントプランニング局プランナーの松原貴子です。普段は生活者インサイトをもとに、企業・ブランドのコミュニケーションプランニングをしています。
なぜ今、私たちは特定の「界隈」を深く知る必要があるのでしょうか。それは、従来の年齢や居住地といった属性データだけでは、生活者の真の熱量を測れなくなっているからです。「〇〇界隈」と名付けられた、独自の文化を育む人々の内発的な動機や文脈を理解することは、生活者の心に深く刺さるコミュニケーションを実現するための第一歩となります。
「界隈」に関する解説は前回の記事をお読みください
今回注目するのは、「平成女児界隈」。昨今、平成時代に幼少期〜青春時代を過ごし、大人になってから当時のカルチャーを振り返って楽しみ、その様子をSNSでアップしている人たちがいることをご存じでしょうか。
この形成されつつある独自のコミュニティを「平成女児界隈」と定義し、SNS投稿データの定量的・定性的分析を通じて、界隈文化の変遷や心理について考察していきます。
平成女児界隈が生まれた経緯
平成レトロカルチャー自体は、2010年代後半頃からファッションや音楽などを中心にトレンドカルチャーとしてしばしば取り上げられてきました。背景には、K-POPアーティストの楽曲やファッションにその要素が取り入れられたことで、リアルタイムで触れてこなかった若年層へ、逆輸入的に浸透していった流れがあります。
こうしたリバイバルブームが加速する中、2025年12月の紅白歌合戦には「ORANGE RANGE」や「AKB48」の元メンバーが出演するなど、平成リバイバルブームの盛り上がりを捉える動きも見られました。
2025年に、平成女児がSNSで大きく話題化したきっかけは、2月のバレンタインでした。ある一般ユーザーが、Xでバレンタインチョコを大量に作成したことを報告した投稿が注目を集めました。アルミカップに溶かしたチョコレートを流し入れ、デコレーションしたチョコを“平成女児チョコ”として画像とともに発信した投稿は、約27万エンゲージメント(SNSにおけるいいね、RP、コメントなどユーザーのリアクション総数)を獲得。引用RPでも、懐かしさを覚えたという共感のコメントが多数寄せられていました。
懐かしい過去の振り返りに終始せず、同様の平成女児チョコを作ったことを報告する投稿や、その他の平成女児カルチャーについて触れるコメントもあり、瞬間的なバズに終わらない情報の広がりを見せました。平成女児カルチャーを楽しむユーザー同士の情報共有も活発に行われており、界隈としての強さも伺えます。
会員登録無料すると、続きをお読みいただけます
新規会員登録無料のご案内
- ・全ての過去記事が閲覧できます
※プレミアム記事(有料)は除く - ・会員限定メルマガを受信できます
- ・翔泳社の本が買える!500円分のポイントをプレゼント
-
- Page 1
-
- Page 3
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
松原 貴子(マツバラ タカコ)
株式会社スパイスボックス アカウントプランニング局 プランナー
2017年に新卒入社。ソーシャルリスニングを中心とした生活者インサイト分析からのコミュニケーションプランニングを行う。SNSデータ分析アナリスト、クリエイティブプランナー、広報を経て現職。※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
