消費者主導の時代の新しいマーケティング手法
“テレビを録画してCMを飛ばして観る”、“興味のないDMは、封をあけずにそのままゴミ箱へ”、“不要なメールはフィルタを使ってそのまま削除”。このように、自分に不要だと思うメッセージを自分の意志で遮断する行為は、みなさんも日常的に行っているだろう。
日々大量に流れるメッセージに疲弊した消費者が、自分にとって不要なメッセージを身を守る手段を身につけてきたことから、マスマーケティングは、従来のような高い効果が上げにくくなっている。消費者主導になった現在は、マーケターにとって厳しい冬の時代だと言って良いだろう。
顧客の個性化/多様化が進む飽和した市場では、顧客との双方向コミュニケーションで顧客との良好な関係を構築するリレーションシップマーケティングは必要不可欠なもの。インターネットが普及したことで、消費者と双方向コミュニケーションを行うことが可能になったものの、如何に消費者と最適なコミュニケーションを取って高い効果を上げていくかが重要課題だ。
そのような時代に、生まれたのが「ライトタイムマーケティング」という手法である。では「ライトタイムマーケティング」とは何なのか? ISID エンタープライズソリューション事業部 戦略ビジネス室 シニアコンサルタント 草野氏そして、Daarfからはグローバルマーケティング部 シニアアナリスト 白井氏に話をきいた。
欲しいと思った時にメッセージを送る
「消費者が『欲しい』と思った時にメッセージを送れば、反応が上がります。適切なタイミングを逃してしまうと、同じお客様に同じメッセージを送ったとしても反応率が落ちてしまう。最適なメッセージを最適な顧客に送るのが、これまでのマーケティング手法。そこに最適なタイミングと最適なチャネルという新しい要素を加えて、ライトタイムにライトメッセージをライトチャネルで送るのが、ライトタイムマーケティングです」と、ISIDの草野氏はまず語った。
“ライトなメッセージをライトなチャネルで”この2つのキーワードがライトタイムマーケティングを理解する糸口となる。次ページ以降でその詳細に迫っていく。