「Android」は、携帯の機種を問わずにアプリケーションを動作させるオープンな技術的基盤として、携帯電話事業者やサービスプロバイダをGoogleが主導するかたちで開発を進めてきた。
今回、T-MobileがAndroid搭載携帯の第一号として発表した「G1」は、フルタッチスクリーンを指先を使って操作が基本。しかし、「グーグルフォン」として期待されていた端末だけに、検索キーワードの入力にストレスを感じさせない入力デバイスを完備しており、必要に応じてスクリーンをスライドさせると小型のQWERTYキーボードが現れ、ここからテキストを入力することができる。また、オプションとして片手でのナビゲーションにベンリなトラックボールも利用することができる。
G1では、一度Googleアカウントにサインインすると、検索、Gmailと連絡先リスト、カレンダー、Google Talk、YouTubeなど、おなじみのサービスを利用することができる。携帯から追加したデータはすべて同期され、PCでも携帯でも同じように最新データを利用することができる。
携帯端末をなくしてもデータはすべてウェブにあるから安全とはいうものの、タッチパネルを活かしたパターン入力によるロック解除などの機能も備えている。こうしたG1の特徴は、T-Mobile、Googleとともに開発に参加した台湾のHTCの存在も大きいようだ。HTCは今秋、日本でも続々とタッチケータイを展開する予定となっている。
また、G1ではAmazon.comが開発したアプリケーションを携帯としてはじめて搭載しており、音楽ファイル(MP3)を直接Amazonから購入することができる。さらに、「Android Market」では、開発者がAndroid端末向けに公開しているソフトウェアを購入することができる。これによって、iPhoneにおけるiTunes StoreとApp Storeと同様のサービスをAndroid端末ユーザーにも提供するというわけだ。
G1は米国向けに10月22日からオンラインストアで発売され、音声通話とデータ通信について2年間の契約をすると179ドルで購入することができる。今後は11月に英国、2009年第1四半期にはドイツ、オーストリア、チェコ、オランダを含むヨーロッパ各国で発売される。Androidの開発推進のために設立された業界団体「Open Handset Alliance」には、日本からKDDI、NTTドコモも参加しており、今後の展開が注目される。
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