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海の向こうから学ぼう!大山忍のニッポンマーケター応援宣言

年間数千万収入のアフィリエイターはなぜ生まれたのか?
“Kaizen”ニッポンがアメリカから学ぶべきこと


とにかく「敷居が低い」ことが裾野を広げる

 例えば、日本ではWeb制作ソフトやHTMLを使いこなせない素人には、見栄えのよい自分のサイトを持つことは、かなりハードルの高いことですが、米国ではTemplate Monsterに行けば、簡単にWebのテンプレートを買うことができます。通常のHTMLデザインのものから、Flashを使ったもの、Eコマース対応など、20,000種類以上を取り揃えています。

 また、ブログに商品のリンクや写真を一つひとつ載せ、それぞれ個人的なコメントやレビューを載せて、お小遣いを稼ぐ日本のアフィリエイトとの大きな違いは、DataFeedと呼ばれるEコマースサイトの抱える商品データにデータファイルとしてアクセスできる仕組みが広く普及したという点です。商品名や価格だけではなく、商品ブ ランド・カテゴリ、商品説明、商品画像へのURL、ディスカウント率など、ECサイトを作るのに必要な商品情報を大元のECサイトがアフィリエイトの効果を挙げる手段のひとつとして提供しているのです。

 少し古いデータになりますが、2005年のアフィリエイトサミットで米国のECサイトAudible.comのプレゼンによると、アフィリエイトの経由の売り上げのうち、57%がこのData feedを経由した商品の売り上げという結果を発表していました。

 また、コンバージョン率をみても、コンテンツ系のサイトは1.6%に対して、Data feedを使ったサイトは平均6%、Topサイトともなると12.5%と、コンテンツ系のサイトよりも流入は少ないけれど、商品への購入に結びつきやすいという結果がでています。

 このData feedで商品情報を取得して、アフィリエイターが自身のECサイトを作るには、今度はそれらの商品情報を管理し、Webサイトに反映させるデータベースが必要になります。そんな、データベースも、1ライセンス99ドルという個人でも手が届く価格で提供しているサービスがあります。それは、Webmergeというサービスです。

 自分でデータベースを持つこと自体面倒だというアフィリエイターには、好きなECサイトと商品のディスプレイ方法を選べば、自動生成されるスクリプトを自分のウェブサイトに貼り付けて、簡単に商品ページを作ることができるサービスも提供されています。

 特定の商品をプロモーションするために、気の利いたキャッチコピーや商品説明がほしいという時には、フリーランスのコピーライターをマッチングサイトで見つけて依頼を出せば、数日でプロモーションページができあがります。

 日本では、アフィリエイトが注目されると、次々と新しくアフィリエイトネットワークやブログネットワークが増えましたが、アフィリエイターの数は頭打ちになり、早々に収束感が漂ってきました。一方、米国ではここで紹介したような個人のアフィリエイターを支えるアフィリエイト周辺ビジネスがいくつも登場し、法人、個人を問わず、発展してきたと言えるのではないでしょうか。

 さて、今度は視点を変え、近年の米国ECビジネスを支える周辺ビジネスを見てみましょう。

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ビジネスを支援するビジネスが急速に台頭する環境

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この記事の著者

大山 忍(オオヤマ シノブ)

米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併し、アフィリエイトシステムの開発企画やマーケティングマネージャーを務める。

2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベストプラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/07/03 10:37 https://markezine.jp/article/detail/6191

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