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Web心理マーケティング入門

「注目商品はコチラ」ボタンに暖色系を使っても目立つとは限らない
知識があるからこそ陥ってしまう罠


些細な工夫が大きな効果を上げるきっかけになる

 今回のミッションのようにボタンを目立たせたいという場合、このように全体色調に対してコントラストを与えることこそが正解であり、今回ではボタンの色を緑にすることで、ひときわ目立つ印象をうけるようになったのではないだろうか。このように、些細な工夫を行なうことで、ユーザーの視線をサイトオーナーが意図するスペースへ誘導することができるのである。

 第1回でも述べさせて頂いた通り、我々が取っている「何気ない行動」とは、実は計算によって誘発されたものが多く、いわば我々はその計算に無意識の内に従ってしまっていることが多いのだ。この問題は分かりやすい例であったかも知れないが、Webでサイトを公開したり、プロモーションを展開する際には、「何故この色を使うのか」と吟味することが大切だ。

 色についての研究は今後も進んでいくことだろう。その色の持つ力を利用した施策はWebにも浸透していくだろうし、その逆もまたしかりだ。繁華街の看板を見れば赤や黄色が多いため、そこに黄色や赤の看板を出しても効果が高いとは言えないだろう。結果的に他社の看板までも混在して一つの景色として認識されてしまうのである。

 例えば「青」という色は、我々に落ち着きやリラックスをもたらす色と考えられている。誘目性という面において、「青」という色は高いわけではない。しかし、コントラストを考えれば意外と目を引く場合もある。また、青の持つ、リラックスをさせる効果は、勉強をする時に向いていると言われている。副交感神経を優位にするからだ。

 しかし、同時にこの状況は長時間行動するには向いていない側面もある。交感神経をリラックスさせた結果、眠くなってくるという状況に陥るのである。それこそEラーニングなど長時間または、仕事が終わってからの深夜に行う場合、背景の色(壁紙など)の変化を任意で行えれば、睡魔に負けず効率的な学習ができるのかも知れない。

 我々は、色の持つその可能性にもう一歩踏み込み、もっと積極的にWebマーケティングに活用してみても面白いのではないだろうか。次回は集団における心理状況について解説していきたい。

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この記事の著者

原田 学史(ハラダ タカフミ)

株式会社クリエイティブホープ 取締役CMO Webコンサルタント
中央大学卒業 1976年生まれ 神奈川県出身
大学在学中に起業し、1996年より海外からアパレル・雑貨を中心とした商材を仕入れ、国内でネット通販事業を開始。大学卒業後、現GMOインターネットに入社。現在に至るまで一貫してWeb業界に籍を置き、クラ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/02/21 18:19 https://markezine.jp/article/detail/6395

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