5つのポイントの詳細
システム的ブロック
まずシステム的ブロックだが、アフィリエイトを実施している法人媒体であれば、ほぼほとんどの媒体で不正対策に対応している。内容は、システム的に同一IPからの申込を防いだり、同一アカウントからの多重申込や海外からの不正アクセスをはじいたりすることが可能となる。
不正を防ぐ意味で最も信頼のおける対処方法となるが、不正データを防ぐことはできても不正そのものを無くすことはできないため根本的な解決はできないとも言える。
つまり、不正を防ぐには広告を展開している媒体側の運用方法もさることながら、申込を行うユーザー自体に高い意識を持ってもらう必要があると言えるだろう。
そういった意味で後に紹介する対処法はそれに近い効果が期待できるものと言える。
アフィリエイトのプロモーション内容の正確な訴求
アフィリエイトのプロモーション内容の正確な訴求についてだが、こんなことで何の効果が期待できるのか? と疑問を持たれることも多いかと思うが、実はこれができていないアフィリエイトはかなり多い。案件を訴求するのだから、当然案件の詳細内容を記載するわけだが、媒体側の認識が欠如していると実施条件や成果条件などを誤った状態で掲載することが非常に多いのである。
ユーザーからして見ればそこで展開されている情報がすべてだ。不正に申し込んだつもりは一切ないだろうが、展開されている情報自体が間違っていた場合、本来成果対象外となるターゲット層までも申込を誘因させてしまう。広告主からしてみれば、それらはやはりいたずら申込と認知してしまうのである。
案件紹介をする際にどのようなフローで申込を行い、どういったユーザーが成果対象外なのか? あるいはどういったデータが承認対象となるのか? などをはっきりと明記することで、対象外のユーザーもわざわざ申込などは行わないはずである。こういった誤申込を防ぐだけでも承認率自体はあがっていくのである。
訴求対象の絞り込み
次に訴求対象の絞り込みであるが、この方法は上述したものと少し似た効果をもった対処法である。
この方法は、広告主がそもそもメインターゲットとしている層を絞りこんでその対象のみに広告を訴求することで良質な顧客を得るという方法である。ある商品を開発する段階で、恐らくマーケティングリサーチを行い、コンセプトやターゲットを決めるはずである。そのメインターゲットとしているユーザー層にのみアプローチしていけば、最初からその商材に強い興味を起こさせ、購買意欲が高いターゲットのみを獲得できるわけである。
この場合はポイント目当てやそれ以外の目的が目当てではなく、純粋に商品に対して興味を持っているため、当然不正は起こしにくいと考えられる。
ユーザーフックの活用
ユーザーフックの活用は、具体的にはキャンペーンであったりポイントバックを活用することである。
ポイントバックやプレゼントキャンぺーンなどはユーザユックの1つであり、設定されたアクションを起こしたユーザーに対してのみ還元される。ユーザーはこのユーザーフックが欲しいために不正というリスクを犯してまで行動するわけだが、この欲求を逆に利用するのがこの方法である。つまり今やシステム的なブロックなどで不正はほとんど弾かれてしまうので、ポイントバックを受けたりプレゼントキャンペーンに応募するためには正当なデータで申込を行い承認されるしかないことをユーザーは知っているのである。
ポイントバック数が多く、成果地点が安易ではないプロモーションほどこの傾向は強くなる。ポイントバック数が多くないものではユーザーも申込フォームなどの記載が面倒となるため、それほど興味を持つことはないだろうが、これが相当数のポイントバック数となれば、不正を起こしてまでも欲しいポイントのためである。申込フォームの記入を正確に行い、しっかりと成果地点まで到達できるようなデータとなるはずである。この場合、ポイントバックに加えてプレゼントキャンペーンがあった方が一層効果は高まるはずである。
こういった場合、見せ方として「今だけのチャンス」というように、不正を起こす暇を与えないことも重要だ。プロモーション開始や、数か月に1回のスパンで短期キャンペーンを行なうなどをすると、その効果が実感できる。
その他効果的な方法
補足として、その他効果的な方法を紹介しよう。前回、CVRをあげるコツでも紹介されていたものとなるが“LPO”と“EFO”である。
まずはLPOである。LPOの具体的な説明は前回既に紹介されているので割愛させていただく。LPO上でしっかりと商品やサービスの“売り”を謳うことでユーザーへ効果的に商品やサービスを紹介することが可能である。これをうまく利用して、例えばメインターゲットに対してのみ訴求したり、実際の購入フローを紹介して購入に対する安心感を提供したりできるのである。
また、EFOに関しては見込み顧客の離脱による「結果的にいたずら申込」となってしまうことを防ぐ役割を持っている。最初に記載したどおり本人は不正を行う意志がなくても住所の不備や情報の間違いだけでも不正データ(いたずら申込)と認識されてしまう。
長い申込フォームを記入し終えた後になって間違いが指摘され、もう一度記入しなければならないと分かったとき、あなたはそれでも申し込みを続けるだろうか? 修正箇所だけの修正であればまだしもすべてを最初から記入し直さなければならないケースなどでは、その時点で離脱を起こしてしまうことが多いだろう。
また、自分ではちゃんと入力したつもりでも情報に不備があったりするケースがあり、その場合ももちろん不正データとなってしまうわけである。これらの事象を防いでくれるのがEFO(Entry・Form・Optimizetion)つまり、“申込フォーム最適化”である。これにより申込フォームを記載している最中でも間違いを指摘してもらえるので、実にスムーズに申込記入が可能となる。
手間ひまをかけて、しっかりとした運用を
アフィリエイトは運用開始後の方が手間がかかり、問題も多く発生しがちではあるが、広告主と媒体がしっかりと意志の共有を行い、互いに協力し、少しづつでもユーザーの意識を変えていけば、必ずや効果的な広告手法となる。さまざまな方法を活用した上に築きあげられたアフィリエイトは高い承認率と共に本来の目的であるユーザーに対してのメッセージとして最良の広告手法となるのではないだろうか。