無料アクセス解析の機能やサービスでは不足しているか?
無料アクセス解析サービスをとりあえず導入する2つ目の理由は「有料アクセス解析サービスを使う必要があるか?」という質問に対する答えを探すことです。
無料アクセス解析サービスで感じている課題が、有料アクセス解析サービスを導入する事によって解決出来るのか?
これが「無料から有料に移る」際の大きな判断ポイントになると思います。今、抱えている課題が社内の問題であれば社内で解決できる課題であり、ツールに依存しません。しかし、有料アクセス解析サービスでその課題が解決出来るのであれば、 コストを投入する価値があるかもしれません。
そこで、その判断するために、今までの自分の知見や各社ベンダーの情報から、私が考える有料アクセス解析サービスのメリットをまとめてみました。有料アクセス解析サービスを導入する事により、これから紹介する3つのメリットを享受することが出来ます。これらのメリットを大きいと感じるか、小さいと感じるかは会社によって異なると思いますが、参考になれば幸いです。
ちなみに、これらのメリットを享受するには追加でお金がかかったり、サービス提供側に任せっきりに出来なかったり…など、サービスを導入してすぐに解決するわけではありません。任せるのではなく、協働する事が必要です。
特定のサービス同士の比較と言うよりは一般的には、という意味合いで書いています。サービスやベンダーによっては当てはまらない場合もあります。
有料アクセス解析サービスのメリット(1) より豊富な機能
アクセス解析サービス同士を比較すると、8割の機能は一緒です。しかし、有料アクセス解析サービスしか持っていない機能も確かにあります。例えば以下のような機能は無料サービスでは提供されていない場合が多いです。
- リアルタイム計測
- セッション単位ではなくユーザー単位での分析
- 四則演算による新たな指標作成
- オフラインデータのインポートと紐付け
- ローデータそのものの取得
- サイトあるいは機能単位の権限管理機能
- 他サービスとの連携機能
- APIによるデータ取得と活用
- フラッシュや動画計測
- URLやページのグルーピング機能
- レポートの自動配信や予約機能
- アラート機能
- POSTやGET変数の取得と分析
以下、太字の機能をピックアップして説明を加えます。
リアルタイム計測
実際には数分~数時間の遅れがあるので完全にリアルタイムではないですが、Google Analyticsのように翌日まで待つ必要がありません。すぐに修正が加えられるキャンペーンやバナーの初速、TV・新聞・ラジオ等の影響調査、障害が起きた時の早期検知などに使えます。
ユーザー単位での分析
セッションという概念に縛られずに、広告履歴や間接効果の分析を行うといった事や、ユーザーのLTV(ライフタイムバリュー)や複数回利用による導線の変化、間接効果の測定など「ユーザー軸」での分析は無料アクセス解析サービスが苦手とするところです。
オフラインデータのインポート
オフラインのデータを取り込むことにより、クライアントやユーザー等の情報とアクセス解析情報がサービス上で紐付け可能となります。「商品を購入した20代の男性はどういうキーワードでサイトに入ってきて、どういう遷移をたどって購入を行っているか」「クライアントの出稿額に対してどれだけクライアントのページに、どういう属性の人を送客出来ているか」などがわかるようになります。これによって出稿する広告のクリエイティブの最適化を行うことができたり、あなたのサイトのクライアント掲載コストの最適化を行なったりすることができます。
ローデータの取得
アクセス解析上ではできない「多変量分析」「オフラインで持っているBIサービスとの連動」「他サービスとのデータ統合」「自動入札システムとの連携」「売上DBとの紐付け」など、自社システムへのデータ取り込みや解析が行えるようになります。
変数の取得
「サイト内の検索でどういう条件を入力して検索したか」「会員IDの取り込み」「ポストクリック(広告の間接効果計測)」などはサイトのURLに入っている変数、あるいはサイト側から変数を渡す事によって取得・分析が可能となります。これによりサイト内の分析で行えることは大きく広がります。
上記機能があなたのサイトのビジネスや改善にとって必須であれば、有料アクセス解析サービスを検討する必要性は大いにあると思います。