上司が必要性を理解してくれない
時々、「自分はアクセス解析の必要性や意味がわかっていて、積極的に推進するべきだと思っているのだが、上司が(バカ/興味がない/必要性を感じていない/決裁を承認してくれない/コストを違う所にかけるべきだと思っている)ため、アクセス解析の必要性が理解されない。この会社はダメだ。競合のA社が羨ましいよ」というような話を耳にします。
気持ちはよく分かりますが、ほとんどの会社の上司が最初から理解があった訳ではありません。たまたま上司がそういう人でしたら、おめでとうございます! そのような上司は世の中なかなかいません。
では、どう上司を味方につけて理解を得られるようになるか。その方法を考えてみましょう。
最初に上司に次の質問をしてみましょう。
「今、このサイトで1番知りたい事は何か教えてくれますか? また、サイトに対して感じている課題や懸念などありますか?」
まだこの質問をした事がない人は、次の出社日にぜひ聞いてみてください。
アクセス解析のことは分からなくても、サイトで知りたいことや不安に思っていることが何かあるはずです。もし、まったく回答が出てこない場合は、違う部署でも良いので他の上司に聞いてみましょう。
質問が出てきたら、アクセス解析を使ってその回答を示してあげましょう。その際に、細かい表やデータは必要ありません。Excelでデータが入ったシートは送らなくてもよいです。ペラ1か2枚の資料で説明をしましょう。
その際に「疑問に答えるだけ」では、100点しか取れません。100点でよいのでしょうか? それは、違います。120点を出して上げることが必要です。その追加の20点とは、「その結果を元に、どういう施策が考えられるかという意見を伝えること」です。その際に「なぜその施策なのか」という説明も追加してあげましょう。
ここまでで内容がよければ上司から「それじゃ更に調べてみろ」とか「実際に施策を行ってみろ」という了承が得られます。もし予算が必要なのであれば、このタイミングで取りにいきましょう。
そして、ここはもう頑張るしかないのですが、実際に施策を行い、よい結果が出たら上司の手柄にしてしまいましょう。上司が他の人に話せるような「ネタ」を提供してあげることにより、あなた自身の株が上がります。
これらのプロセスで大切なのは、上司のニーズをきちんと把握して、求められていることに答えを出すことです。上司はデータを山ほど見たいわけではありません。グラフや表の枚数は評価にはつながりません。現場と上司では状況が大きく異なります。上司に見せるのは必要最低限なデータと、データによって得られる知見です。
上記の方法が、上司の理解を得て、必要であれば決裁を承認してもらう正攻法だと考えています。自分達の矜持や思いではなく、求めていることを聞きそれに答えることです。
他にも予算を承認してもらう方法として
- 競合と比較してダメだという辱めを与える
- カスタマーの声を全面に押し出す
- 小さいサイトでテストをしてその結果を元に横展開する予算を得る
といった方法も使えるかと思います。感情あるいは理論で「必要だと思わせる」のが大切です。もちろん、難しいのは承知で書いていますが(汗)