拡張アプリで日本独自の商習慣にも対応
──御社はHubSpotの標準機能にとどまらず、独自に拡張アプリを自社開発されています。代理店でありながら、ここまでの自社開発に踏み込む理由を教えてください。
理由は2つあります。1つは、お客様の「HubSpotでこんなことをしたい」というご要望に応えたいから。もう1つは、データの分散を防ぎたいからです。

外資系システムであるHubSpotを導入する際、日本独自の細かな商習慣や営業活動において「標準機能だけでは現場の不満を解消できず、結局エクセルや別ツールにデータが逃げてしまう」という現象が多発します。現場の二重入力の手間を解消し、データをHubSpotという単一かつ強固な基盤に吸い上げるために、私たちが日本市場に特化した連携アプリを自社開発しています。
──具体的に、どのような拡張アプリを開発して現場の「不」を解消しているのでしょうか。
次のような自社開発アプリを展開しています。
1.PDF Extension(帳票出力ツール)
日本の見積書・請求書の商習慣に対応したフォーマットを作成するためのツールです。標準機能では対応が難しい「社印の押印」や「適格請求書発行事業者登録番号の記載」など、日本特有の複雑なレイアウトを既存のフォーマットのままPDFに出力できるようにします。これにより、システム入力後にExcelで見積書を作り直すという二重入力の手間を排除します。
2.MAP Extension(地図可視化ツール)
HubSpot内に登録されている顧客の住所データを、地図上にピン留めして可視化する営業支援アプリです。顧客のステータスに応じてピンの色や大きさを変えることができ「最近このエリアの顧客への訪問が遠ざかっているな」「明日のアポイント先の近くに、別のお客様がいるから回ろう」といった、効率的なエリア営業ルートの策定を直感的に行えるようになります。
3.Sign Extension for クラウドサイン
日本の電子契約サービス最大手である「クラウドサイン」とHubSpotをシームレスに連携させるアプリです。商談、見積書作成、そして契約締結にいたる一連のプロセスを、HubSpotの画面内で完結させることができます。
──営業活動に必要なデータが他の場所に分散しないため、営業リーダーは「HubSpotを見るだけで、すべての案件の正確な状況を把握できる」ようになりますね。
ブランドの言語化がAIの真価を引き出す
──御社の支援を受けた顧客企業は、導入後にどのような変化を遂げているのでしょうか。
最近特に大きな成果が出ているのが、カスタマーサクセス部門において、Breezeの最新AIチャットボット機能「顧客対応エージェント」を導入されたお客様です。
そのお客様はわずか1〜2名という少人数でカスタマーサクセス部門を運営されていたのですが、顧客対応エージェントに自社のナレッジを学習させた結果、月に何百件と寄せられる問い合わせの9割を自動かつ正確に解決・完結させられるようになりました。人手不足に悩む組織において、新たな人員を追加採用することなく対応力を何倍にも引き上げた、生産性向上の成功例です。
──最後に「HubSpotを導入しているが、AIをどう味方につければ良いかわからない」と悩むリーダー層に向けて、アドバイスをお願いします。
繰り返しになりますが、第一のステップは「CRMとしてHubSpotを徹底的に運用し、データを綺麗に蓄積すること」です。使えるデータがあって初めて、AIは強力な右腕になります。
そして、もう1つ忘れてはならない本質は、自社のブランド(選ばれる理由・強み)を磨き、言語化することです。AIがコンテキストを理解するための最大の前提情報となるのは「その企業にしかない判断軸」や「市場から選ばれる理由」だからです。「自社がどのような価値を提供し、どう選ばれたいのか」という一貫したセッティングがあってこそ、AIの真価が引き出されます。
──ありがとうございました!
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