マーケターもホールに立つ、顧客とのコミュニケーション
──ビール好きにもグラデーションがあると思いますが、お客様の反応や求めていることの理解はどう進めていますか。
仮屋:お客様と直接お会いすることに尽きます。定期的な市場調査に加え、直接お会いする1対1のデプスインタビューを行う頻度が高いです。調査会社を挟まず、企画設計からリクルーティングまで全部自分たちで行い、1回の調査で何十人もの方とお会いすることもあります。
──デプスインタビューの対象はどのような方ですか?
仮屋:会員の方や、イベントで出会った方が多いですね。また、イベントや店舗でお客様とお話しすることもよくやっています。先ほどお話しした「よなよなエールの超宴」では、社員約200人のうち7割ほどが現地にスタッフとして参加します。また、リアル店舗がある長野、東京、北海道についても挙手制で社員がシフトに入り、ホールでコミュニケーションを取ったり、醸造所ガイドを務めたりしています。人件費的にはその瞬間だけ切り取ると赤字かもしれませんが、それには代えられない価値があります。私も参加していますが、ここでしか得られないものも多いですね。
──印象深かったお客様の反応があれば教えてください
仮屋:ビールを受け取って口に入れた瞬間のお客様の反応ですね。お客様のビールの見方が変わっていく様子が間近で見られます。また、地域によっても反応に違いがあります。東京の店舗だと限定製品や、通常はろ過した状態で提供する製品を無濾過で飲めることに価値を感じてくださる方が多いです。大阪では自分で注げる体験があります。飲んだ瞬間に「めっちゃおいしい!」と驚いてくれて、そこから「なぜおいしいのか?」と興味を持ってくださいます。
100年後のエンタメスタンダードへ
──来年30周年を迎えますが、今後の展望について長期的な視点と、足元数年での短期的な視点で教えてください。
仮屋:短期だと、まだまだクラフトビールは新しい市場への導入期だと思っています。ビール好きの間では知られていても、一歩外に出ると私たちのこともビールの多様な味も知らない人がたくさんいます。そうした方々にどんどんクラフトビールを広げていきたいですし、新しいファンと出会っていきたいです。年に数回でもビールを楽しんでもらって人生を幸せにしてもらいたいという思いがあります。
長期では、まだ誰も見たことがないようなビールを中心としたエンターテインメントを作っていきたいです。30年後、100年後に新しいエンタメのスタンダードを作り出しているくらいになれたら良いなと思っています。日本から世界的なアニメや漫画が生まれたように、私たちのビールやエンターテインメントを追求していきたいです。そのために、様々な業務がありますが、すべてミッション「ビールに味を!人生に幸せを!」につなげていくことが大切だと思っています。
