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生活者データバンク

次の富裕層「パワーDINKs」とは? 可処分所得は一般層の3倍、“豊かな時間を求める”消費実態に迫る

濱 賢太郎[著]

 近年、消費市場で存在感を増しているのが「DINKs(Double Income No Kids:子どもがいない共働き夫婦)」である。本稿では、その中でも世帯年収1,500万円以上と高い購買力を備えた「パワーDINKs」に注目し、一般層との比較調査から彼らの実態を紐解く。調査で見えてきたのは、単なる高額消費層ではなく「時間を買い、豊かな体験に投資する」というメリハリのある姿だ。彼らの消費行動や価値観を明らかにするとともに、「時間を生み出す・質を高める」という2つの視点から、企業に求められるアプローチ法を考察する。

【はじめに】「パワーファミリー」に続く注目ターゲット「DINKs」

 6月に夫婦共働き子持ち「パワーファミリー」に関する記事(※)を公開した。今回はDINKsに注目してみる。

※参照:富裕層とは違う“動くお金” 市場を動かす「パワーファミリー」の消費構造とは

 日本の「夫婦のみの世帯」は、厚生労働省の調査によると1,354万4千世帯(全世帯の24.7%)に達し、単独世帯(34.6%)に次いで2番目に多い世帯構造となっている。このうち65歳以上のシニア世帯が55.4%を占めるため、夫婦とも65歳以上の高齢者世帯を除くと604.6万世帯(全世帯の11.0%)となる。

 本稿では、この中でも世帯年収が高く、自由度も購買力も高い「パワーDINKs」に注目。彼らの暮らしぶりや価値観、消費行動を紐解きながら、企業がどのようにアプローチすべきかを考察する。

パワーDINKs層

既婚・子なし
夫婦共働き(フルタイム)
世帯年収(税込)1,500万円以上の夫婦のみの世帯
20~59歳男女

一般層

既婚・子あり
世帯年収(税込)600万〜900万円の世帯
20~59歳男女
3世代を除く
夫婦の働き方はフルタイム、パート、無職を問わない

最強の消費者「パワーDINKs」の正体

自由に使えるお金は、一般層の約3倍

 パワーDINKs層が1ヵ月に自由に使えるお金(可処分所得)は平均18.4万円。一般層の平均6.4万円と比べて約3倍の水準だ(図表1)。年代別に見ても、20〜39歳で16.5万円、40〜49歳で18.2万円、50〜59歳で18.9万円といずれも高水準を維持している。

【図表1】パワーDINKs層の1ヵ月に自由に使えるお金(可処分所得・個人)
パワーDINKs層:n=362、一般層:n=432
(クリックすると拡大します)

パワーDINKsは円熟の50代夫婦が中心

 年齢分布では、パワーDINKs層は50〜59歳が60.2%を占め、一般層より23.6ポイント高い(図表2)。「DINKs」と聞くと子どものいない若い共働き夫婦のイメージが先行しがちだが、実態はキャリアを重ね経済力を高めた“円熟した夫婦”が中心層であることが分かる。

【図表2】パワーDINKs層の年齢分布
パワーDINKs層:n=362、一般層:n=432
(クリックすると拡大します)

20代、30代のパワーDINKsの3人に1人は、収入の50%を貯蓄に!

 さらに注目したいのが、貯蓄率の高さだ(図表3)。世帯収入に占める貯蓄割合は、パワーDINKs層の平均で20〜39歳が33.9%、40〜49歳が28.8%、50〜59歳が28.0%。一般層の13.4%と比べ、いずれも14〜20ポイント以上高い。中でも20〜39歳では、世帯収入の50%以上を貯蓄に回す人が約3人に1人(36.8%)にのぼる。「使う」だけでなく「貯める」力も併せ持つパワーDINKs層は、資産運用や保険といった金融領域でも有力なターゲットといえるだろう。

【図表3】貯蓄率(世帯収入比)
パワーDINKs層20~39歳:n=78、パワーDINKs層40~49歳:n=128、パワーDINKs層50~59歳:n=156、一般層:n=432
(クリックすると拡大します)

 高い可処分所得、円熟した年代構成、そして高い貯蓄率──。この3拍子がそろうことこそ、パワーDINKs層を市場における「最強の消費者」たらしめている背景である。では、そのお金は実際にどこへ向かっているのだろうか。

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この記事の著者

濱 賢太郎(ハマ ケンタロウ)

株式会社インテージ 営業本部 営業推進部 未来共創センター長

大学卒業後家電メーカーへ就職、ワープロ、FAX、携帯電話、通信映像端末、太陽光発電の商品企画を担当。2013年株式会社インテージに入社し、国内外の生活者リサーチ、コンサルティングに従事。2017年「未来共創センター」を設立。企業との共創による新価値の...

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