注目を集めるソーシャルアプリ開発市場
SNS(ソーシャルネットワークサービス)の新たな起爆剤として注目を集めているソーシャルアプリ。「これは新たなビジネスモデルを提供するものになるのか、また既存コンテンツとの違いはどこにあるのか」──。誰もが大きな関心をもっているのではないだろうか。
mobidec2009ではそんな疑問に答えるべく、「mixi、モバゲー、Facebookにおけるソーシャルアプリによるオープンプラットフォームの動向」というテーマのパネルディスカッションを実施した。
パネラーはモバゲータウンを運営するディー・エヌ・エー(DeNA)取締役ポータル事業本部長兼COOの守安功氏と、ミクシィ取締役mixi事業本部長の原田明典氏、「Facebook」に詳しいブレークスルーパートナーズ マネージングディレクターの赤羽雄二氏の3人。コーディネータはモバイル・コンテンツフォーラム常務理事の岸原孝昌氏である。パネルディスカッションとはいうものの、岸原氏が選択したのは講演方式。「各社が提供するソーシャルアプリのプラットフォームとはどんなもので、どんな可能性があるのかショートプレゼンをしてもらいたい」と語り、DeNAの守安氏のショートプレゼンが始まった。
パートナーの収益化プログラムに注力するDeNA
ミクシィに先行を許したとはいえ、DeNAでは今年9月にモバゲータウンのゲームAPIの提供とプラットフォームの公開を発表し、オープンプラットフォームの構築に取り組んでいる。「当社のプラットフォームの特徴は、mixiとは異なりゲームというジャンルに絞っていることだ」と守安氏は語る。ゲームに絞った理由として守安氏は、モバゲータウンがゲーム好きのユーザーが多く集まっていることもあるが、ソーシャルゲームのビジネス規模が世界市場で急速に伸びていることを挙げる。
DeNAではパートナーとWinWinの関係が築けるように、立ち上げからマネタイズ、運用に至るまでのパートナーサポートプログラムを用意している。「特に重視しているのはマネタイズ(収益化)サポートだ」と守安氏。モバコインを使った課金プログラムや広告プログラム、アバター販売などを用意し、パートナーの収益化を支援している。
オープン化のスケジュールについては「現在は一部のパートナーにのみだが、来年の3月には完全開放をする予定」という。「内製したソーシャルゲーム3タイトルの売り上げは、1カ月間で約3億円。ページビューも伸びている。1~2年先には、ソーシャルゲームはモバイルに移っていくはず。月間の売上が10億円のソーシャルゲームが登場してもおかしくない」と守安氏は力強く言い切った。