資産と負債・資本の関係
「資産」というと、難しくとらえてしまいがちですが、その内訳はどのようなものかというと、皆さんが普段お買い物などで使う「お金」になります。つまり、現金です。お金をたくさん持っている人を「資産家」と呼ぶこともありますが、そのイメージです。
では、次に「負債」ですが、負債というと皆さんは何を思い浮かべますか?「最近リボ払いで買い物しすぎちゃって支払いが大変!」なんて経験もあるのではないかと思いますが、このリボ払いは、会計上「負債」になります。つまり、先々支払わなければならないお金ということです(これらの負債は、取引の対象によって買掛金や借入金と名前が変わります)。
続いて最後の「資本」です。会社概要などを見ているとよく「資本金」という科目を目にすると思いますが、この資本金が「資本」です。資本金は、基本的には株式を発行して払い込みを受けたことによって得るものなので、B/S上では「資本」という呼称に統一されています。
例えばA社という企業が会社設立にあたり、事業の運転資金として銀行から現金50円を借り入れ(借金)ました。また、株式を発行して現金50円の払い込みを受けました。このようなケースはB/Sでは下図で表されます。

「資産」だけをみると「お、○○円ある!」とわかるので、「別に資産だけ把握できればいいや」なんて思ってしまうのですが、それだけではどうやってお金(資産)を増やしたのか、もしくは手に入れたのかということがわからなくなってしまいます。ですからその右側に調達元を忘れないようにするための「負債」「資本」というものを配置しているのです。ちなみに、「負債」「資本」はその性質から“調達源泉”と呼ばれることもあります。
ここまでの説明で、P/Lにおける「費用」「収益」と、B/Sにおける「資産」「負債」「資本」が左右どちらに置かれるのかがわかったと思います。最初の仕訳に戻って、「なぜ?」を解消しておきましょう。
(借方)現金預金 1,000 /(貸方)売上 1,000
上記は先述の仕訳です。さて、なぜ「現金預金(お金)」は左側にあるのでしょうか?
そうですね、B/Sの図解のとおり、お金たる「資産」は左側にありましたよね。では、売上はどうでしょう? こちらは、負債などの借り入れでもありませんし、株式を発行しての「資本」でもありません。こちらは、P/Lの「収益」になります。ですから、右側に配置されることになります。

どうして現金預金と売上が先述したような配置になったのかが少し理解できるようになったのではないかと思います。さて、後編ではいよいよ本題のドロップシッピングの会計について説明したいと思います。
