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 だが、単に動画を作ってYouTubeに投稿すれば良い、というわけでもない。マーケティングを意識するのなら、動画から自社サイトに誘導する、商品説明ページに飛ばす、といった自社にとってのゴールを意識した仕掛けが欲しいところだ。

 そうした動画マーケティングを意識した企業は、自社で動画配信用のシステムを開発するのではなく、Brightcoveの提供しているような動画配信用のプラットフォームサービスを利用するのがアメリカでは一般的だ。

 The New York TimesやAOLなど、以前は自社でシステムを作って運用していた企業も、メンテナンスや最新機能への対応、サーバのスケーラビリティの確保にかかる費用を考え、Brightcoveのサービスに乗り換えたのだとか。日本でも楽天やドクターシーラボなど、導入企業は確実に増えてきている。

 単に費用面のみならず、成果につなげるための高度な機能を既に備えているというのも魅力。Marks & Spencerの事例で取り上げたような動画の再生タイミングに合わせて、関連商品をプレイヤー周辺にリスト表示するキューポイントの機能、あるいは動画上に自社ロゴのレイヤーを被せてクリックしたら自社サイトに誘導するオーバーレイ機能など、Brightcoveならではの動画管理・編集の機能をすぐに使える。

キューポイント管理画面(上図)とオーバーレイ機能設定画面(下図)
キューポイント管理画面(上図)とオーバーレイ機能設定画面(下図)

 さらに同社のプラットフォームは特にカスタマイズ性に優れ、関連する動画・商品ページへのリンクにメタデータを使って価格などの詳細な情報を表示する、サムネイル画像に使う画像を動画中や手持ちの素材から選ぶ、動画に広告を載せるかどうかのルールを細かく設定する、といったサイト主のオーダーには柔軟に対応できるようになっているという。

 どこまでやるかでもちろん費用は変わってくるが、Marks & Spencerのような動画サイトを始めようと思うのなら、動画まわりの機能開発で数百万円程度は見込んでおいた方がよい。毎月のランニング費用は動画の閲覧量に応じた従量課金制で10万円程度からのようだ。

 ライバルに先んじて動画を始めれば、市場シェアを取れるかもしれない。その価値はプライスレス。2010年、ライバルに差をつけるカギの1つとして、動画・Vコマースは見逃せないトピックスになりそうだ。

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この記事の著者

中嶋 嘉祐(ナカジマ ヨシヒロ)

ベンチャー2社で事業責任者として上場に向けて貢献するも、ライブドアショック・リーマンショックで未遂に終わる。現在はフリーの事業立ち上げ屋。副業はライター。現在は、MONOistキャリアフォーラム、MONOist転職の編集業務などを手掛けている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2010/11/11 18:12 https://markezine.jp/article/detail/10688

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