次に来るビジネス、それは「シェアリング」
「従来のビジネスモデルはシンプルだった。モノを製造し、それを売り、代金を回収する。しかし、ここ数年の間にその本質的な点が変わろうとしている。消費者はより多くの選択肢とツールと情報を持ち、そしてピア・トゥ・ピア(人繋がり)のパワーを持つ。」
こう語るLisa Gansky氏の著作"The Mesh"のテーマは、次代のビジネスのキーワードである「シェアリング(共有)」。モノやサービスを各自で買って所有し使用するのではなく、それを必要とするときに必要なだけ使用するように共有可能にしてくれる、それがメッシュビジネスだ。
ちなみにMeshとはメッシュ-網の目のこと。無数の結び目と結び目が繋がって「共有」関係を結ぶ姿(網の目)をイメージすると判りやすい。
まず、このサイトを覗いてみたい。
ここは、著者が本の出版に先立って開設した、メッシュビジネスのディレクトリサイトで、実に1,500件以上の共有ビジネスがひしめき合って掲載されている。そのカテゴリも、アクセサリ、ギフト、書籍、ビジネス、転職・求職、コミュニティ、アート、メディア、教育、エネルギー、エンタテインメント、ガーデニング、ファッション、ファイナンス、食品・飲料、健康、趣味、住宅、不動産、マーケティング、交通機関、旅行…と、まさに百花繚乱。
このディレクトリはこの本の末尾にも掲載されているが、こうしてみると、考えられるほぼすべての業界でメッシュビジネスが可能と思われる。そして、このビジネスには次の4つの特性がある。
1)共有可能:コミュニティや市場、バリューチェーンで共有できるモノやサービスやマテリアル。
2)モバイル・フレンドリー:ウェブやモバイルのネットワークから得られるモノやサービスの利用状況を集計しデータとして活用している。
3)有形:共有可能な物理的なモノで、ローカル市場において価値を提供するもの。
4)ソーシャルネットワーク化:主にクチコミやソーシャルネットワークでそのメッシュビジネスの情報が交換されている。
お気づきの通り、共通項はソーシャルネットワークだ。それでは、どんな共有ビジネスがあるのか、本書で紹介されているいくつかを見てみよう。