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ビジヲタ必見!「すべらない事業」の作り方

求人企業と人材紹介会社両方の手間を省く事業モデルを築いたヴァンテージマネジメントの話

Q. 『リクまどα』はどのような背景から事業は生まれたのでしょうか?

 独立する際に、事業面において2つの方向を定めました。1つは、「BtoBの領域で今までに無いWebサービスを提供しよう」ということ。もう1つは、「いずれ世界に打って出よう」ということです。

 そこで、まずは「Webに置き換えることで中間コストや製造コストを抑え、その削減効果をサービス利用者に転嫁することができるサービスはないか」と考えました。つまり、“価値は高いが費用も高い”ものを、“価値を落とさずに費用を安く”提供できるという、ネットの力が最も発揮されるサービスはないかと考えたわけです。

 その方向で考えた時に、皮肉なことですが、今まで自分たちが提供していた“中途採用費”がそれに該当するのではないか、という仮説にたどり着きました。

 通常、人材紹介会社というのは、紹介した候補者が採用に至った際に、採用成功報酬として、その人材の初年度年収の30%~35%受け取ることが通例です。しかし、事業の裏側を分かっているからこそ言えるのですが、人材紹介会社も、何も暴利をむさぼるために30%~35%の手数料を受け取っているわけではありません。

 人材紹介会社のコストは、次の4つに大別されます。

  • 求人案件の開拓費(人件費)
  • 転職希望者を集めるための広告費
  • カウンセリング費(人件費)
  • オフィス家賃

 この内、企業によっては「求人案件の開拓費(人件費)」に30%~40%近いコストをかけています。そこで、そのコストをゼロにすることで、求人企業が成功報酬を30%も支払わなくても、紹介会社が積極的に紹介をしてくれるのではないかと考えたのです。

Q. 『リクまどα』は人材紹介会社にとっては競合になるのでしょうか? それともパートナーでしょうか?

 パートナーです。そもそも、我々は人材紹介会社が獲得しようとする「中途採用費」を収益にするモデルではありません。人材紹介会社から月額15,000円~30,000円という小額の会員費を支払ってもらい、当社がドンドンと求人案件を開拓して参ります。

 求人企業からすれば、掲載費もゼロなので案件を掲載したくなるのです。

Q. 『リクまどα』を軌道に乗せるにあたり、苦労した点を教えてください

 リーマンショック後の人材紹介マーケットの冷え込みは、想像以上でした。景気の悪化に伴って採用費が激減し、求人が冷え込む。結果的に手数料の高い人材紹介会社からは、一気に案件がなくなりました。

 その点、『リクまどα』は“言い値”で人材紹介会社に依頼できるので、まだ求人案件を開拓できましたが、それでもなかなか案件を開拓できない。また、人材紹介会社の撤退・廃業も相次ぎました。結果として、月額利用費が発生する有料会員の獲得が、大きくショートしてしまいました。

 それでも、「求人案件を見たい」「引き続き推薦したい」という要望を、多くの人材紹介会社からいただいたので、成功報酬型の契約形態を新設しました。現在は、月額固定型と成功報酬型の2つのプランが共存しています。

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Q. 『リクまどα』の競争優位性や差別化は何ですか?

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この記事の著者

矢作 嘉男(株式会社ハチワン)(ヤハギ ヨシオ(カブシキガイシャ ハチワン))

株式会社ハチワン代表取締役。New Jersey City University卒。
中国人観光客向けクーポンサイトなどインバウンド媒体を運営。
2011年、中国のインターネットプロモーション事業を行う北京博洛密網絡科技有限公司と提携し、中国向けプロモーション事業を開始。本当に成果の出る中国市場向けインターネットマーケティングのみをを提供し、インバウンド向けから中国現地進出向けまで数多くの実績を持つ。
プロモーションのご相談:info@813.co.jp

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/02/28 11:00 https://markezine.jp/article/detail/13441

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