1972年生まれ。名古屋大学法学部卒業後、NTTに入社し、法人営業やIR活動に従事。IT系コンサルティングファームを経て、2002年にアリエル・ネットワーク入社。アジャイルメディア・ネットワークには、設立の2006年から運営に参画。2007年、取締役。2009年より代表取締役。企業のソーシャルメディア活用に関する複数の執筆・講演活動を行っている。著書に「デジタル・ワークスタイル」(二見書房)「アルファブロガー」(翔泳社)など。
プレゼンの肝は、いかに相手の興味を引きつけていられるか
そもそも、プレゼンの理想形は「双方向のやりとり」だと思うんです。会話の延長線上にあって、プレゼン中も質疑応答ができるぐらいがいい。ただそれは日本人の性格的に難しいので、聴き手が少しでも会話の雰囲気を感じられるように心がけています。
ほかは、最初に質問をして挙手してもらったり、要所要所で笑いのネタをちりばめたり、全員の顔を見ながら話したり……。最近では「よかったら、講演後にtwitterでコメントをくださいね」とお願いしたりもしています。要は、反応し合えるきっかけをしかけておこう、と。
徳力流・プレゼン資料作りのポイントとは?
2つ目は、資料の論理的な展開。このコツは、主にバーバラ・ミント『考える技術・書く技術』から学びました。特に、「結論が先、説明はその後」という部分。具体的に言うと、1枚目のスライドでソーシャルメディアを使うメリットを5つ列記するとしたら、次のページからは1点目を説明するスライド、2点目を説明するスライド……と並べていきます。
そして3点目は、1スライド=1メッセージ+補足、という定型ですね。一番上に要点となる一文を書き、その下に図やグラフを入れます。これは、メッセージを伝えるのに適切な形にしなければいけません。図やグラフの重要性とテクニックを教えてくれたのは、ジーン・ゼラズニー『マッキンゼー流図解の技術』です。僕が読んだのは10年ぐらい前で洋書版(『Say It With Charts』)ですが、日本語訳も内容は変わらないと思います。
その際、気をつけているのは、プレゼンの場でネットがつながらなくても大丈夫なように、あらかじめウェブページを保存した状態で会場入りすることです。これも含め、事前準備はすべて家を出る前に済ませるようにしています。
資料はあくまで話をするための補助ツール
――― プレゼン中に、なくてはならないものはありますか?
徳力 ロジクールのワイヤレスマウス「プロフェッショナルプレゼンター」は必須アイテムです。これがあれば、ノートPCに視線を落とさなくてもスライドの操作ができる。ずっと聴き手の顔を見ながら話せるので、聴き手に気を抜く隙を与えないわけです(笑)。
――― やはり「会話」の状態を続けることが重要なのですね。
徳力 もちろん、資料作りはとても大事です。だけど、資料はあくまで補助ツールとして最適な形に仕上げるにとどめる。プレゼンターの話が主で資料は従、という力関係を崩してはいけません。
なぜなら、聴き手と会話をしている相手は僕なんですよ。資料をがんばって作りすぎると、会話の相手は資料になってしまう。僕の話はナレーションになるか、最悪の場合は「帰って読めばいいや」となり、話を聴いてすらもらえません。 |
おそらく、たくさんの人がいること、またそれぞれの反応を意識しすぎたんでしょう。それ以降、「プレゼンは特別なことじゃない。会場のなかにいるある一人と普段通りしゃべってるつもりでやればいい」と思うようにしたら、だんだんと克服できたんですよ。すると、聴き手の反応もおのずとよくなっていったんです。
この後も、徳力さんへのインタビューは、まだまだ続きます。
- 徳力さんが考える「成功したプレゼン」
- 「話す力」の原体験
- ベストプレゼンにたどりつくためのヒント
- 徳力流「プレゼン前4つのオキテ」
など、プレゼンをやるなら、ぜひ知っておきたいトピックが飛び出しました。さらに、イー・ウーマンの代表取締役社長 佐々木かをりさんや、電通のシニア・クリエーティブ・ディレクター 佐藤尚之さんへのインタビュー記事も公開予定です。
常盤薬品工業のWebサイトでは、勝負時間を応援するここぞの時のサポートドリンク「眠眠打破」にちなみ、ビジネスマンの勝負時間と言える「プレゼン」に関するコンテンツを公開しています。ぜひ、ご覧ください。
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