「いいね!」もニュースフィードも、「FriendFeed」が先だった
Facebookが自分より先進的なサービスを買収するのは初めてのことではない。2009年に報じられたFriendFeedの買収がある。FriendFeedは2007年10月にローンチされたTwitterクローン(マイクロブログ)だが、自サービスでのつぶやきだけでなく、外部のブログやTwitter、Flickrなど利用者のさまざまな行動(アクティビティ)を一箇所にまとめて閲覧できることが特長だ。
ここからアクティビティフィードという考え方が広まり、やがてFacebookもアクティビティフィードを表示し、リアルタイムフィード中心のインターフェイスにインターフェイスを大改造するという大きな方向転換を進めることになる。ちなみに「いいね!(Like)」ボタンもFriendFeedのほうが早かったようだ。
    FriendFeedの買収金額は現金と株式で5000万ドルだったそうで、Instagramに比べればずいぶんとお安い買い物だったのかもしれない。ちなみに10億ドルは、2008年1月にSun MicrosystemsがMySQL AB(1995年設立)を買った値段だ(そのSunは翌年4月に74億ドルでオラクルに売却されている)。
FriendFeedは現在もサービスを続けているが、大きな機能追加などはされていない。一方、Instagramについては、マーク・ザッカーバーグが公開したフィードで、独立して構築し育てることを約束している(“we're committed to building and growing Instagram independently”)。
GoogleのYouTube買収を思い出してみると
そういった関係で思い起こされるのが、GoogleとYouTubeの関係だ。2005年12月にサービス開始し、著作権侵害の総本山として悪評高かったYouTubeを、翌年10月にGoogleが16億5000万ドルで買収し、そのまま独立したサービスとして現在も進化させ続けている(ただし、アカウントは統合された)。
YouTubeの買収も、それこそGoogleが旬だった時期を象徴するような驚かされる出来事だったが、今では公式動画の配信プラットフォームとしての地位を確立し、音楽業界や動画製作者と広くビジネスパートナーとなっている。そしてFacebookやTwitterなど外部のソーシャルサービスも、自由にYouTubeの動画を貼り付けることができる。このような中立的なサービスとしてInstagramも成長していくのだろうか。
