衰えないスマホ熱、アメリカでのスマホ利用率は41.8%
「スマートフォンは『特別で面白いけれど必要なものではない』という時代ではなくなり、『必要なものである』という認識に変わってきました」と語るのは、動画配信プラットフォームを提供するBrightcoveの最高マーケティング責任者(CMO)であるジェフ・ワトコット氏だ。
comScoreの調査によると、日本ではモバイル利用者のうちスマホを利用しているのは16.6%とまだそれほど普及率は高くない。だがアメリカでは既に、41.8%がスマホを利用している(参考記事:comScoreレポート:モバイル環境でかつて先行した日本、スマートフォンの普及率は最低レベル。)
こうした変化を受けてBrightcoveは、スマホへの対応を迫られる企業向けに、意欲的な2つのサービスをアメリカなどで先行展開。予想以上の反響を得られたことから、スマホ普及率が今後伸びてくるはずの日本の企業向けに、両者の日本語版を提供開始すると4月12日に発表している。
その2つのサービスとは、月額500円から利用できる小規模サイト向けの動画配信プラットフォーム「Video Cloud Express」と、iPhone/Android向けのアプリを簡単に開発・運用できるようになるコンテンツアプリプラットフォーム「App Cloud」だ。
企業がサイトのスマホ対応を進める上で、この2つのサービスを導入することで、どのようなメリットがあるのだろうか。
「スマホで動画再生できない」ことが許されない雰囲気に
アメリカでの動画マーケティングの最新事情について、ワトコット氏は次のように語っている。
「Webサイトに動画がない方が珍しくなってきました。動画はあって当たり前という認識は広まっていますが、動画を自分のサイトに掲載するやり方のところでつまずき、動画配信プラットフォームを導入しようと考える企業が増えてきています」(ワトコット氏。以下、同)
例えば、「ピンポン玉を使う野球」とでも言うべきマイナースポーツ「potomac wiffle ball」の公式サイトでは、興味を持ってくれた人に実際の競技風景を見せようと、試合を録画した動画を掲載しようとした。ところが1試合の時間が長いため、YouTubeにはアップできない。どうやってアップしようかと悩んでいたが、動画1本を月額5ドルで配信できる手軽さに惹かれ、BrightcoveのVideo Cloud Expressの採用を決めた。
ただ先に触れたように、アメリカではスマホ利用が浸透している状況。「自社のWebサイトに動画を載せたのなら、スマホで再生できないことは許されないようになってきた」(ワトコット氏)ことで、動画のスマホ対応が急務になってきた。
ところが、動画を配信しようにもiPhoneとAndroidとでは動画関連の仕様が異なり、同じiPhoneやAndroidであったとしても、バージョンによって違いがある。
大企業ですら対応に四苦八苦しているのに、小規模な企業ではそうした違いにいちいち対応していられない。それでプラットフォーム間の仕様の違いを吸収してくれて、どの端末でも動画再生できるように最適化して配信するBrightcoveのようなサービスへのニーズが高まっているのだ。
「イエローページに載っている会社は、どこもVideo Cloud Expressの顧客になり得ます。弁護士や小学校、教会なども当社の顧客になっています。面白いところでは、軍艦を造る会社も顧客に含まれています。1隻で何百万ドルもする新しい軍艦を紹介するサイトのために、Expressを使っているのです」