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DeNA流ヒットする女子ゲーの法則

女性の感性をそのまま受け止め、戦略を検討することがカギ
人気3タイトルに見る、DeNA流ヒットする女子ゲーの法則

 ゲーム業界未経験から「農園ホッコリーナ」を女子ゲーNO.1に押し上げたDeNAの山口隆広さん。2011年のCEDECでそのノウハウを語りましたが、それから1年を経て、自らの「ヒットする女子ゲーの法則」にますます確信を持ったといいます。今回は、その法則がほかの女子ゲーにどう活かされているか、具体的に見ていきます。

「農園ホッコリーナ」の法則は他ゲームにも応用がきくのか

 今回は、「農園ホッコリーナ」を含めた当社の女子ゲー3タイトルを題材に、前回紹介した9つのポイントがどう反映されているか、担当者の声を聞きながら考えてみたい。

DeNA流ヒットする女子ゲーの法則
  1. ユーザーの利用シーンとずらさない
  2. 何をやってもうれしくなれる?
  3. その“かわいい”に意味はある?
  4. “詰まない”ようになっている?
  5. 基本サイクルの延長で遊べる?
  6. “あざとい”と“天然”を使い分ける
  7. 思わず出てしまう男性視点に注意
  8. 対同業者ではなく、ユーザーを見る
  9. 普通でもうれしい、課金したらさらに

 はじめに、「農園ホッコリーナ」以外に取り上げる2タイトルの紹介を簡単にさせていただく。

スペースデブリーズ

 行方不明の父親を捜し、他ユーザーと協力しながら未知なる宇宙を探検する。スペースデブリ(宇宙に漂う素材、宇宙ゴミ)を回収することで、部屋に置くアイテムやキャラクターの服などを得られる。

住み着き妖精セトルリン

 少子化や災害などの危機から、セトルリン王国を救うためにやって来た妖精セトルリン。さまざまな術を学ばせながら育てていくが、頻繁に面倒を見る必要はない。セトルリンと街を散歩するなどして他ユーザーと交流する。

 いずれも農園ホッコリーナと同様に、自分の部屋や空間などオリジナルの場所があり、服装や部屋のデコレーションなどのアイテムで自分の好みの世界観をつくれるようになっている。他ユーザーと交流しない人もいるので、見せるためだけではないが、自分だけの何かを持てることはベースとなる要素だと考えている。

「農園ホッコリーナ」 女性担当者がリアルの世界で感じることを反映

 まずは「農園ホッコリーナ」から見ていこう。

 同ゲームは数カ月前まで私が担当していたので、9つのポイントをまんべんなく踏襲しているとも言える。ただし、ある程度ユーザーに関する知見も蓄積できたところで、私に代わり、若手女性社員が担当になったため、その感性を活かしたチャレンジングなことも可能になっているように思う。

 例えば、白鳥が登場するイベントがあった。これまでの蓄積から、鳥のモチーフは受け入れられにくいという傾向があったが、女性担当者が「同じ鳥でも、白鳥は別格だ」と推したところ、話題になった。彼女曰く、白鳥は結婚式やギフトのモチーフに使われているため、女性は憧れがあるという。

 また、キャラ弁を取り入れたイベントも彼女の発案で実施。すると、実際にそれを模したお弁当を作り、写真をアップするユーザーも現れた。「農園ホッコリーナ」が、ユーザーのリアルな生活に関わっていると手応えの得られた事例になった。

 9つのポイントのうち、特に担当者が配慮しているのは、8つ目の「ユーザーを見る」だという。今後さらに初心者ユーザーが増えるにあたって、「なるべくユーザー間の交流を活性化させ、そのコミュニケーションの楽しさで継続的に遊びたくなるようにしたい」と話している。

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「スペースデブリーズ」世界観を保ちつつユーザー動向を加味して企画

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この記事の著者

山口 隆広 (ヤマグチ タカヒロ)

株式会社ディー・エヌ・エー ソーシャルゲーム事業本部 SWAT SPWebUXチーム

1981年生まれ。福島県出身。株式会社リクルートメディアコミュニケーションズで求人広告制作や中国向け媒体の業務設計を経て2010年8月にDeNA入社。女子向けソーシャルゲームの企画、企画マネージャーを経験し現在はスマー...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/09/27 08:00 https://markezine.jp/article/detail/16255

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