総務省は、日本のインターネットにおけるトラヒック(通信量)の実態を把握するため、インターネットサービスプロバイダ6社と学界の支援・協力を得て、2007年5月時点のトラヒックの集計・試算を行い、8月22日にその結果を発表した。
公開された資料によると、2007年5月時点の日本のブロードバンド契約者のトラヒック総量は、平均で約720Gbpsと試算され、2006年5月からの1年で約1.4倍となっている。今後もこの増加率が維持された場合、2008年5月頃にはトラヒック規模が1T(テラ)bpsに達すると試算している。
また、国外ISPから協力ISPに流入するトラヒックも2006年11月から急増して、2006年5月からの1年で約1.7倍となっており、ビデオダウンロード等の増加がその要因と考えられている。ネットユーザーの利用傾向を見ると、ブロードバンド契約者のダウンロードトラヒックは増加が続き、300Gbps(月間平均)を超えている。そのピークは、21時および23時頃にあり、年々鋭くなってきているという。
急増するトラヒックに対して、国内の主要IX(インターネット・エクスチェンジ:インターネットの相互接続ポイント)で交換されるトラヒックのうち、協力ISP6社が占める割合は42.4%と1年前から横ばい状態。今回の調査に協力したISPは、インターネットイニシアティブ(IIJ)、NTTコミュニケーションズ、ケイ・オプティコム、KDDI(旧パワードコムを含む。)、ソフトバンクBB、ソフトバンクテレコムのISP6社7ネットワーク。これらの国内シェアが合計で約4割ということになる。
こうしたトラヒック増加傾向に対して、日本国内のトラヒックをどのように適正に流通させるかが、ISP、サイト運営企業、行政を含めた現在の大きな課題となっている。
プレスリリース:「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算」