トライベック・ストラテジーは、10業界から31のWebサイトを抽出し、シニア向けアクセシビリティ診断調査を行った。
2015年には4人に1人が65歳以上となるとされ、日本は超高齢者社会を迎えようとしている。それに伴い、企業と生活者を結ぶWebサイトにおいても、来る超高齢者社会に向けての対応を検討し始める企業が増えている。シニアにとって、「見づらい」「分かりづらい」といったアクセシビリティの低さは、企業のビジネス機会の損失に多大な影響を与える可能性がある。
本調査ではシニアユーザーの視点から、「トップページにおける初動喚起力」「メニューページにおける情報探索性」「商品ページにおける情報伝達力」「フォーム入力における負担軽減」「情報理解・可読性の確保」「シンプルな操作」の6評価軸34項目において、シニアがWebサイトから情報を取得することに対する企業側の配慮や工夫などを総合的に評価した。
総評としては、シニアに対する配慮は企業により大きな差が見られた。保険業界などシニアを重要視している企業が運営するWebサイトは、シニアに対する十分な配慮がされており、相対的にスコアが高い傾向であった。
総合第1位は日本生命保険。同社のWebサイトはシニアユーザーを意識して必要最小限にまとめられたメニューや、あまり商品について詳しくないユーザーでも違いや特徴が一目でわかりやすいよう工夫された商品ページなど、分かりやすくシンプルに特徴を伝える工夫が随所に見られた。2位のかんぽ生命、3位の本田技研工業のサイトにおいても、伝えたい情報のシンプル化が非常によく考えられていた。
一方、スマートフォンのシニア対応はホンダを始めとする自動車業界が進んでおり、情報の最適化によってシニアでも情報を得やすいサイト構成になっていた。
【調査概要】
調査期間:2012年10~12月下旬
調査対象:「輸送用機器(自動車)」「電気機器(複写機・プリンター)」「電気機器(パソコン)」「情報・通信(移動体通信)」「保険業(生命保険)」「小売(家電量販店)」「小売(ネットスーパー)」「陸運業(宅配)」「食料品(ビール)」「サービス業(旅行)」の10業界から31サイトを抽出
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