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イベントレポート

オーディエンスアトリビューション時代の幕開け。認知からアクションへ、ユーザーを導くコンテンツの力は可視化された


記事を読むほど、バナー広告に反応しやすくなる

アタラ合同会社
取締役COO 有薗雄一氏

 そして本プロジェクトの結果については、アタラ 取締役 COO 有園雄一氏より発表された。

有園氏:全体のリーチした人数に対して、記事を閲覧した人は0.5%程度であった。比率でみると、記事を読んだ人は非常に少なかった。

 この状態では、そもそも全体に対しての記事閲覧をした人の数が少ないため、そこからCVに至った人の数も少なくなり、必然的に記事閲覧に対して付くスコアが低くなる。

 そこで今回は、記事閲覧した人と、記事閲覧していない人とを分けて分析を行った。

本プロジェクトのアトリビューション分析の結果

※基礎収益は記事閲覧者と非閲覧者に分けて分析
・閲覧ページ数が増加するにつれて、サイト訪問率があがっていく
・閲覧ページ数が増加するにつれて、CVRがあがっていく
・閲覧ページ数が増加するにつれて、検索経由来訪率が上がっていく
・記事閲覧のキーワードは「消費税」関連が圧倒的に多い、TU記事のキーワードも上位に

→コンテンツが効いている、質的変化が見て取れる
・閲覧ページ数が増加するにつれて、来訪率があがっていく、バナー広告に反応しやすくなっている
・記事閲覧者の方が短い期間でサイトに到達する傾向がある
→単純にバナー広告を出すだけよりは、記事閲覧したほうがサイトへ到達するスピードがはやくなっている

【分析結果ピックアップ】

・サイト来訪率を比較してみると、記事閲覧者は2.88%に対し、非閲覧者は2.73%。人数は圧倒的に非閲覧者の方が多いが、記事を閲覧した人のほうが、まわりまわって大和ハウスのサイトに訪れた率は高くなっていた

 

・また記事閲覧した人で検索して大和ハウスのサイトに訪れた人の、一人あたりの検索した回数でみると閲覧3.16回、非閲覧2.21回となり、記事閲覧した人の方がより検索する回数が増えていることが読み取れた。

 

・そしてバナー広告のCTRでは、非閲覧0.14%に対して、閲覧者は0.29%という結果に。記事閲覧した人はかなり高い数値になっていた。またバナー広告をクリックして来訪した率も、人数ベースで比較すると、非閲覧0.29%に対して、閲覧者は0.41%であった。

 

・基本的にUUベースでみていくと、記事閲覧をした人がバナーに反応しやすく、あるいは検索を多くするようになっていることから、結果的にサイトに到達するようになっていることが見てとれた。

 「正直、こんなに綺麗に結果が出てくるとは思っていなかった。『記事を読めば読むほど、CVRがあがる、検索経由で入ってくる人が増える』といったことが明らかになり、記事の影響力は否定はできない」と有園氏は述べた。

ユーザーの心を変化させる力がコンテンツにはある

白熱する報告会の様子
(右)株式会社インテグレート 代表取締役CEO 藤田康人氏
(左)株式会社日本ビジネスプレス 代表取締役社長 菅原聡氏

菅原:今回は横山氏の言うように、心の温度をあげるところを重点的に取り組み、結果的に色々な影響を与えていることが明らかになった。だが今回は、純粋にコンテンツがどれだけ影響を与えるのかを計測するにとどまった。

 今後は記事を閲覧して心の温度のあたたまった人に向けて、リターゲティングをして広告を配信して、サイトに導くところまで行っていきたい。このような施策を強めて、ナーチャリングを行い、サイトに連れていくようなサイクルを作ることができれば、効果的にコンテンツを活用して、CVをさらにあげることができるだろう。

 メディアとしては、コンテンツで人の心をあたためて、欲しくないと思っていたものを欲しいと思わせたり、ユーザーをくどいて、その気にさせていく力がコンテンツにはあると思っている。最新のテクノロジーとコンテンツをうまく組み合わせて、広告主の役に立てるように、メディアとしてもしっかりとしたマーケティングプラットフォームをつくっていきたい。

有園:アトリビューションの領域から言うと、今回のプロジェクトで行ったことはオーディエンスアトリビューションの初歩的なスタートだったと思う。

 以前に横山氏と対談を行った時にも、オーディエンスアトリビューションという言葉を使ったのだが、ユーザーの思考や行動履歴に基づいてセグメントを作り、そのオーディエンスごとに広告配信を行った時にどういう効果がでるのか。今はバナー広告やアドネットワークなどの媒体別にスコアリングをして分析するメディアアトリビューションを行っているが、今後はオーディエンスごとにアトリビューション分析を行っていくことは可能になるだろう。

藤田:まさに今回はオーディエンスアトリビューションということで、これからDMPが日本の市場で浸透していく中で、当然どんなデータをどのように活用していくかという話しになるだろう。

 欠けているのは、今はまだニーズが顕在化しておらず検索もしていないが、少しは興味をもっているユーザー、すなわち将来有望な顧客のデータをどうとっていくか。これが次のテーマとして重要になってくるのではと思う。

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/08/22 10:23 https://markezine.jp/article/detail/18272

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