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第106号(2024年10月号)
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MarkeZine Day 2013(AD)

ランディングページ最適化でCVR大幅アップ!データドリブンなプロセスで改善案を導き出し、成果につなげる方法とは?

 昨今、デジタルマーケティングにおいても、ビックデータを分析し、 その結果から改善施策を見つけるという手法に期待が寄せられている。しかし、やみくもにデータマイニングを行っても有効な知見は得られない。10月4日に行われたMarkeZine Day 2013において、「改善実績100社以上!データドリブンマーケティングのノウハウ教えます。」と題し、データアーティスト 山本覚氏が講演を行った。

データをもとに、シンプルな解決方法を生み出す

 昨今、取得できるデータ量は大幅に増えており、データに基づくマーケティング活用に対するニーズが高まっている。データアーティストは、アイオイクスのA/Bテスト・多変量テストによる実験データを通じて、サイト集客後のコンバージョン率を科学的に改善するLPOツール 「DLPO」 (データドリブンダイナミックランディングページ最適化)事業部が独立し、今年の8月に設立された新会社だ。

データアーティスト株式会社 代表取締役/データサイエンティスト 山本覚氏

 「データアーティストは、サイトに蓄積されたデータをもとに、どのようなコミュニケーションをとれば売上げが上がるのか、を考える会社です」と同社 代表取締役/データサイエンティスト 山本覚氏は切り出す。

 「データをもとにシンプルな解決方法を生み出すことが、データサイエンスの賜だと思っています。WEB広告最適化から、ランディングページの制作、コンバージョン最大化コンサルティングまでを行うDLPO事業は、大手ネット企業を中心に300社以上の導入実績を持ち、コンサルティングしたサイトは100以上、成功率は97%以上に上り、購入率は平均48%アップしています」

以下、講演資料より抜粋

 LPO(Landing Page Optimization)とは、簡単に言うと、WEBサイトにおいてユーザーが最初に訪れるWEBページの印象がよくなるように工夫し、CVR(Conversion Rate)を上げること。上記に示したGoogle Insightsからも、ランディングページというキーワードへの関心の高まりが伺える。同社では、CVRを上げるまでの改善立案から、施策の実行、ツールによる検証を経た意思決定までの、一貫したデータドリブンプロセスをLPOとして提唱している。

 

なんとなく、ではなくデータに基づいた改善案を導き出す

 同社が提供するランディングページ最適化ツール「DLPO」には、仮説の検証を行うために、A/Bテストや多変量テストといった機能が備わっている。

 「多変量テスト機能では、サイトの中をバナーやアクションボタンなど複数の要素に分け、バラバラに分析することができます。膨大な組み合わせの中から最適な手法を導くことで、コンバージョン率はA/Bテストを上回ることが多く、勝敗の要因が明確に分かるようになります」と山本氏。

 しかしながら、ただ計測して分析を行うだけでは、本当のサイトの改善には結びつかない。「『Garbage In, Garbage Out』というように、ゴミを入れればゴミしか出てきません。最適な結果を得るためには、自社の目的と顧客のニーズが何かを認識し、テストを行うに足るコンテンツを用意する必要があります」と山本氏は指摘する。

 「時に個人の経験やノウハウなどに依存しがちな改善案を、データドリブンにすることが大切です。その結果を計測し、最適化することで、個人の経験に寄らず質を担保することができ、ページを良くすることができます。なんとなくではなく、知見を溜めていくことで、他のランディングページや紙媒体・実店舗でのコミュニケーションにも応用できるようになります」

ランディングページ改善でCVRを大幅アップ!

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ミクロの視点から改善案を発見する

 LPO施策を実践する際、そのフローは大きく3つに分けられる。そして、はじめに行う改善案を発見するステップでは、マクロとミクロの2つのアプローチがある。

 「マクロは経営やマーケティングからの視点、ミクロは一人ひとりのユーザーが何を考えているのか、という視点です。今日はミクロの視点からお話します」と山本氏は神戸神奈川アイクリニックの事例を紹介する。

 レーシック事業を中心とし、全国7都市に展開する神戸神奈川アイクリニックは、WEBサイトにおけるKPIを「無料適応診断の申込み」に設定。つまり、WEBから申込みをしてもらい、実際に病院に来てもらうことをゴールとした。

 ランディングページの改善にあたり、まずはユーザーテストを実施。データアーティストが提供するユーザーテストでは、テストモニターが実際にサイトを使い、その際の様子を画面に撮り、画面の動きを記録。さらに、なぜそのボタンをクリックしたのかなど、口に出して解説してもらう。このテストから得られたデータから、改善案を導き出す。

 「テストモニターには、そのサイトに辿りつくところから行ってもらいます。この事例の場合は、レーシック手術を行う病院を検索するところから始めてもらいました。アクセス解析ではアクセス人数、マウストラッキングではマウスの動きしかわかりませんが、ユーザーテストのようにビデオにユーザーの一連の動きを記録することで、サンプルは少人数でもページ全体の課題を把握することができます」

ユーザーテストから見えてきたランディングページの改善案

 先のユーザーテストの結果から、テストモニターは執刀医に対する詳細情報を求めること、適応検査/手術の詳細(全体の流れの中の適応検査の位置づけ、必要書類)の情報を求めていることが明らかになった。そこから、神戸神奈川アイクリニックのランディングページの改善案が見えてきた。

 「まず、執刀医に対する情報提供が十分でないのではないか、という仮説が導きだされました。さらに、施術前日に何をしたらよいのか、当日はコンタクトを外しておいた方がよいのか、保険証はいるのか……といった適応検査までの流れが記述されておらず、不安を与えていることも明らかになりました」

 このように、ユーザーテストからいくつかの改善案が見つかったが、それらの点を全て闇雲に改善すればいいわけではない。「一個人の意見なのか、万人に当てはまることなのか。実施した方がよいのか、実施するとしたらどうしたら良いのか、次のステップとして改善案の精査をする必要があります」

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データに基づき、改善案を精査する

 さらに、次のフローは「改善案の精査」である。例えば、あるユーザーが「無料モニター募集」というバナーを見て、魅力的だと評価したからといって「無料」を強く訴求したほうがよいと拙速に判断すべきではないということだ。

 「当社は『無料といっても、モニターだから不安なのでは』という仮説を立て、アンケートで検証しました。すると、不安の声よりも、無料で嬉しいという声の方が多いことがわかりました。その結果を受けて、『無料モニター募集』のバナーを大きくしました」

 その改善の結果、KPIの無料適応診断の申込み率は37%アップ。さらに多変量テストで他の要素も合わせて改善したところ、結果として3か月で申込み率が242%アップしたという。顧客の声を鵜のみにするのではなく、ここでもデータに基づいて施策を決定していくことが重要だ。

一つひとつのプロセスをデータドリブンに行う

 また、執刀医の情報が足りないという課題についても、深堀しました」と山本氏。例えば、アイクリニックがアピールポイントだと思っている「Ph.D学位を押すべきなのか」というアンケートをとったところ、「そんな資格は知らない」という回答が9割弱もあった。ではユーザーは本当は何を知りたいのかについてアンケートをとったところ、「眼科専門であること」「執刀に関する実績」が知りたいという回答が得られた。

 それらの結果に基づき、執刀医の紹介を充実させることで、申込み率が27%アップした。さらにバナーに先生の画像を載せることで33%アップし、適応検査までの流れなども加えることで、最終的には76%も改善したという。

 「今回の事例のようなミクロ視点のアプローチに限らず、データに基づき、改善案を出して検証することで、有効なPDCAを回すことができる。そのプロセス一つひとつをデータドリブンに行うことにより、ページ改善の源である、ユーザーの意思と行動についての知見を蓄えることができます。一度CVRが上がったという結果だけにとどまらず、より大きな成果を得ることができるでしょう」と山本氏は講演を締めくくった。

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この記事の著者

齋藤 麻紀子(サイトウ マキコ)

フリーランスライター・エディター

74年生まれ、福岡県出身、早稲田大学第二文学部演劇専修卒業。 コンサルティング会社にて企業再建に従事したのち、独立。ビジネス誌や週刊誌等を通じて、新たなビジネストレンドや働き方を発信すると同時に、企業の情報発信支援等も行う。震災後は東北で起こるイノベーションにも注目、取...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/10/25 10:00 https://markezine.jp/article/detail/18627