1か月に27時間も発生する埋没コスト、いかに解消するか
「ADTest」のような効果検証を繰り返し、改善を行っていく際には、大量のクリエイティブが生じる。クリエイターズマッチでも毎月約1,500ものバナー・LPが作成されるが、実際に納品までには修正チェックなども含めて、その4~5倍ものファイルを作成することになる。同社でも平均して1日375ファイル、1時間で47ファイルもの作業が発生するという。ミスなく作業し続けるのは至難の業だ。
そのため、メールやファイルの管理は煩雑になりがち。ファイルを探すなどの雑務に費やす時間も、軽く見ることはできない。1時間当たり10分とすると1か月で1,600分、27時間もの埋没コストを発生させることになる。呉氏に代わって登壇した岡村氏は「メールやファイルの整理・管理をスピーディーに完璧にできるようになるのが真の成長だろうか。管理を簡単にし、本来の業務に集中できる方が建設的ではないか」と訴える。
そこでクリエイターズマッチでは、クリエイティブファイルを効率的に管理するためのソリューションを開発。さらに2011年9月より「AdFlow」として社外にも提供している。
全工程で40%のタイムロスの削減を実現
「AdFlow」は発注側と受注側が同じプラットフォームを共有し、依頼や作業の流れをリアルタイムで管理することができる。クリエイティブの制作、修正、反映などもすべてシステム上で行えるようになっており、面倒なメールでのやりとりやファイル管理、Excelによる進捗管理などを不要にする。ライブラリ機能も用意されており、大量のファイルの中から必要なファイルを検索することも容易だ。
つまり、クリエイティブ制作時の進捗管理だけでなく、以前のリソースを活用することでプランニングに役立てたり、案件終了後のファイル整理を不要にできたりと、クリエイティブに関する全ての工程において効率化が可能になる。
岡村氏は「AdFlow」導入による埋没コストの削減例として、あるユーザーにおける導入前と導入後の業務時間差を紹介。導入前に比べ、プランニング・提案、制作・進行管理、そして実績管理に至るすべての工程で40%も時間が削減でき、新たに時間が確保できるようになったという。確保した時間をプランのブラッシュアップに費やすもよし、デザインクオリティを追求するもよし。より価値のある仕事に費やせるようになるだろう。