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マルケトが語る、マーケティングオートメーション最新動向(AD)

「“日本は遅れている”から離れると、課題解決の糸口は見えてくる」マルケト福田社長×編集長対談

マーケティングオートメーションはBtoCでも価値を発揮する

福田:認識の違いという観点だと、日本のマーケティングオートメーションの捉えられ方は、非常に狭く理解されているように感じます。具体的にはBtoB向けの新規顧客を獲得するためのツールだという印象を持たれている方が多いように感じます。しかし、それはマーケティングオートメーションのわかりやすい一つの側面でしかないことを強く認識しました。これもこの6か月間での大きな発見の一つです。マルケトのマーケティングオートメーションの設計は、マーケティングの普遍的なプロセスをサポートしているもので、活用の範囲が非常に広いことを日本のマーケターにも伝えていきたいと思います。

 例えば、「認知→MQL→SQL→商談→受注」というように、新規のリードから落とし込んでいくプロセスはBtoBマーケティングの典型的なファネル(漏斗)モデルとして広く知られています。ファネルの前半をマーケティング部門が担当し、ファネルの後半は営業が業務を担当します。一方、新規だけではなく既存のお客様に対して様々なマーケティング活動を実行しながら追加の購買を促し、購買頻度を上げるといった顧客のロイヤリティ向上をマネジメントする観点もあります。これはBtoBはもちろん、営業プロセスの存在しない小売や消費財などのBtoCでも当てはまるケースです。

福田氏によるイメージ図
福田氏によるイメージ図

 そして、2つのモデルは対照的に見えますが、突き詰めると「顧客を正しく理解し、適切なメッセージを適切なタイミングで行なう」というマーケティングの基本は共通しています。この基本を素早く確実に実行するために、マーケティングオートメーションは非常に有効だということです。今後、双方の事例を増やしていきたいと考えています。

押久保:米国ではこの認識に変化は見られますか?

福田:2013年までは米国のマルケトユーザーも約7~8割が、BtoBでの利用でした。ですが、2014年に入ってBtoCのユーザーがかなり増えてきています。最近だとMyFitnessPalで導入され、約6,500万会員の嗜好や活動の情報に合わせて、フィットネスに関する情報や食事のレシピをパーソナライズして配信するということが実践されています。

押久保:ロイヤリティの向上を目的にしたキャンペーンに使われているんですね。

福田:もちろん、入会までのプロセスをフォローするリードナーチャリングのためにも活用できます。そして、入会後は来店の促進や、各ユーザーの志向に合わせたメッセージの発信によってロイヤリティを高めていく。このようなリード育成とロイヤリティ向上までを俯瞰できるマーケティング・ソリューションへの需要が、今後非常に大きいなものになると考えています。

重要なのはスピード感、まずやってみること

押久保:先程、共通軸でマーケティングを見る動きはまだできていないと指摘されていました。では、マーケティングオートメーションツールを活用することで、どのようにマーケティングの質を上げることができると思いますか?

福田:最初に全てを考えてからスタートする、という認識を変える必要があると思います。多くの場合、まずは見込み客や市場全体のセグメンテーションを行い、ぞれぞれに対するマーケティングプロセスを決めましょう、となります。もちろん、間違っているわけではありません。しかし、検討に時間を費やしたのに次のアクションにつなげることができなかった、という話をよく聞きます。

 お客様に「現在保有している見込み客のデータ件数は何件ぐらいありますか」「その見込み客をフェーズ分けすると、各フェーズにどれくらい存在しますか」という類の質問をしても、答えが返ってこないケースが多い。つまり、現状を把握するだけのデータがそもそもないのです。その状態で仮説を一生懸命考えるよりは、まず小さくても運用を開始して、データを取ってみて、それを基に仮説検証のプロセスを回す方が結果的に速くゴールに到達すると思います。

 ですから、確実に効果を上げていくためには、まずデータ収集を目的にマーケティングオートメーションの運用を始めて、そこから得られたデータを基に仮説を作成してさらに運用してみる。そのなかで想定していた仮説と何か違うな、と思ったら最適化する。テスト→最適化→テスト→最適化というサイクルを素早く回すことですね。こちらのほうが早く効果も結果も出やすい。

 これからのマーケティングの成功のキーはスピードだと思います。それにはマーケティングオートメーションが最強の武器になります。このことを多くの方々に知っていただくために、弊社ではこれから成功事例をたくさん作って公開していきたいと考えています。

今は、一緒に学んでいくフェーズ

押久保:人材の点に関してはどのようにお考えですか?

福田:まだ市場が新しいので決まった方法を教えるというよりは、お客様やパートナー様と一緒にプロジェクトを進めながら一緒に学んでいく意識が大切だと思います。各分野のエキスパートを集めて課題に取り組み、そこから得られた経験や知見を広く共有していく。このサイクルが大事かと思います。

 普遍的なマーケティングの理論を実践する上での様々なテクノロジーの活用方法は、これからのマーケターにとって重要なスキルとなってくるでしょう。今後は大学に特別講座などを持つといった試みを通して、デジタル時代に即したマーケターの育成も支援していきたいと考えています。実際に豪州や米国では、マルケトが大学と一緒に講座を開設している例があります。また、マルケトの共同創業者ジョン・ミラーが「Marketo Institute」という研究機関を作りました。ここでは、世界中のデジタルマーケティングのベストプラクティスやマーケティングに関するデータを蓄積し、世の中のマーケターに公開する試みを始めています。

押久保:それはすごく面白いですね。デジタルマーケティング分野は、IT業界の資格のような、マーケティングレベルを判定する指標があまりないのが現状です。講義の修了証明みたいなものが、一つの指標になると良いと思います。ちなみに、どのような人材を育てることが目的ですか? やはり、CMO的な人材でしょうか。

福田:肩書に例えるならばCMOに当たるかもしれません。しかし、本質としてはマーケティングファーストでデジタルマーケティングを推進できる人材を育成できればと考えています。中長期的にそういったデジタルネイティブ世代のマーケター育成に貢献することは、大変価値があることだと考えています。

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必要なのはマーケティング組織の役割で考えること

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2015/06/18 16:02 https://markezine.jp/article/detail/21531

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