フリークアウトは、同社が提供するプライベートDMP「MOTHER」のデータを活用したMobileApp DeepLink Optimization機能を、広告主およびモバイルアプリベンダー向けにリリースした。
MobileApp DeepLink Optimization機能とは、ウェブ上での行動履歴などをはじめDMPに蓄積されたオーディエンスデータを用いて、モバイルアプリの初回起動画面をユーザーごとに最適化する機能。これによって、ユーザーをアプリの世界へシームレスに誘導し、ユーザーのLTV(顧客生涯価値)の向上を実現する(※本機能を使用するにあたって、同社のSDKをモバイルアプリに導入する必要がある。他社のSDKとの併用も可能)。
昨今、モバイルアプリインストール広告施策が盛んに行われている。しかしながら、インストール直後はユーザーごとにコンテンツが最適化されていないために、ユーザーが定着しづらいといった課題があった。このような課題を解決するために、同社は同機能の開発に至った。そして今回の発表に伴い、フリークアウトの平松拓氏と陳俊氏にインタビューを行った。
同プロジェクトを開発からリリースまで率いた平松氏は、新卒でフリークアウトに入社した1年目。エンジニアであるけれど、クライアントがどんな課題やニーズを持っているのか、自ら現場に出かけて聞き出しているそうです。若手から活躍できる環境があるのは、素敵ですね◎
ウェブとアプリのデータを一体化/横断したデータ活用を実現
――フリークアウトが提供するプライベートDMP「MOTHER」に、新たに加わったMobileApp DeepLink Optimization(以下、ディープリンク)機能とは、いったいどのようなものなのか。
平松:ディープリンクは、弊社のプライベートDMP「MOTHER」のデータを活用した新機能です。これまでアプリの初回起動時は、全てのユーザーに同じ画面が表示されていましたが、この機能によってウェブ上でのユーザー行動などDMPに入っているオーディエンスデータを用いて、ユーザーごとに最適な画面を表示することができるようになります。ウェブからアプリへのユーザーの誘導をシームレスに行うことが可能になります。
――なぜこのような機能を開発しようと思ったのか。
平松:昨今、FacebookやTwitter、アドネットワークなどを活用したモバイルアプリインストール施策に予算を投下する広告主が増えています。しかしながら、ユーザーがアプリをダウンロードした時に、ユーザーが欲しい情報をすぐに提供できていないことが原因で、せっかく獲得したユーザーを逃がしてしまっている現状がありました。アプリをインストールさせることに注力するだけでなく、インストール後のLTVや継続率など、長い目で施策の効果をみていくべきです。どうすれば継続的なアプリの利用を見込むことができるのか。そのような課題を解決する一つの手段として、今回の機能の開発に至りました。
陳:これまではウェブとアプリでユーザーを識別する方法が異なっていたために、ウェブで蓄積したデータの活用はウェブの世界に閉じていました。その解決策として、今回のディープリンク機能により、ウェブとアプリのデータの一体化を実現しました。要は、これまでDMPに蓄積してきたウェブサイトや会員情報のデータを、アプリ側での施策に活用できるということです。
平松:フリークアウトのDMPがモバイルアプリに対応したことで、ウェブとアプリを横断したユーザーの識別、データの蓄積・活用が可能になりました。これにより、ウェブからアプリに入った最初の段階で、DMPに蓄積したオーディエンスデータを用いて、アプリの面を出し分けることが可能になったのです。
――具体的な活用方法は?
平松:例えば不動産アプリの場合であれば、ウェブで検索していた地域などの条件を、アプリ初回起動時からデフォルト画面に設定することができます。また、ニュースキュレーションアプリでは、自動的にユーザーがよく見ている媒体のチャンネルを設定したり、よく見ている媒体のコンテンツを上の方でレコメンドするといったこともできます。これは一例であり、導入する企業やアプリのカテゴリーによって多様な活用方法が期待できます。
陳:ユーザーごとに最適なウェブページを表示するディープリンクの機能は、ブラウザの世界においては当たり前のことです。ただ、ネイティブアプリの世界では、まだできていないことはたくさんあります。ブラウザの世界で当たり前のことを、ネイティブアプリの世界でも実現していくことに、意味があります。
――どんなクライアントがこの機能を活用すべきか?
平松:弊社でDMPをすでに構築していて、かつアプリを持っているお客様に、まずは活用していただきたいですね。そして今回の新機能をフックに、アプリベンダーをはじめ、新たなクライアントのDMPを構築していくことができればと考えています。弊社としては、引き続き機能パフォーマンスの向上に注力し、企業とユーザーのコミュニケーションの最適化に向けて尽力していきます。
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